いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2011年07月01日(金) 今日から駐車場のない葬祭場は建てられません!

 昨年から大問題になり、テレビでも2回放送された「駐車場のない葬祭場」問題について、本日以降はこのような問題の再発は防止されることになった。

 これは、昨年、大森山王商店街に葬祭場を建築することが発覚した事件である。商店街のど真ん中で長く花屋さんを経営していた家主が「花葬儀」を売り物にしている葬祭業者と提携して、葬祭場を建築するというものだ。

 地元が大反対した理由の一番大きなものは「駐車場がない」という点である。当初の計画によれば、近隣のコインパーキングや賃貸駐車場に寝台車や霊柩車を駐車して、ご遺体をストレッチャ-に乗せて、商店街を葬祭場まで搬入、搬出するという非常識なものだった。

 ご遺族や故人にとっては、まさに「晒し者」状態で、商店街を通ることになり、近隣の商店主にとっては、お店の前を年中「棺桶」が通ることになる。さらに、問題なのは、この葬祭場の目の前には、多くの高齢者が病魔と闘っている大森山王病院があるのだ。

 病室からは、この葬祭場が眺めることが容易であある。棺桶の搬入、搬出を入院患者が見たらどう思うだろうか。今回の葬祭業者は、所謂「ベンチャー成功者」である。この手の人種は、ついつい勘違いをして「自惚れる」傾向があり、転げ落ちるのも早い。他人と共生すること、社会の一員である意識が低いのも特徴的である。(この事業者がそうかどうかはわからいが‥)

 さて、地元の方々、商店街、町会、病院など多くの方々が、区議会、区長に陳情を行った結果、ついに本日から「大田区k葬祭場の設置に関する指導要綱」および「指導要綱細則」が施行されたのだ。

 その要綱等のポイントは以下のようなものである。(要綱の抜粋)

1.葬祭場の建築確認30日以上前から、予定地に標識を建てなければならない
2.標識設置から10日以内に近隣住民に説明会を開催し、協議し、誠意をもって紛争解決にあたらねばならない
3.葬祭場は以下の条件に合致しなければならない
(1)復員6m以上の道路に接すること
(2)接道部分および敷地には樹木を配置し緑化に努めること
(3)駐車場は、述べ床面積100平方mあたり1台を確保し、300平方m未満の場合は、3台以上を敷地内又は隣地等に確保すること
(4)駐車場のうち1台分は搬送車および霊柩車の駐車ならびにストレッチャーおよびひつぎの搬出入に必要な面積を敷地内の確保すること
(5)現在設置されている葬祭場の増築計画についても同様とする
(6)病院、有床診療所、老人入所施設の敷地周辺100m以内には設置しない

 まさに、今回の葬祭場がかかえていた問題、地域の住民の皆さんが要望していた内容をほとんど含有する素晴らしいMAX(最も厳しい)要綱となった。担当された区職員各位のご努力には敬意と謝意を表明したい。

 但し、本日現在設置されている葬祭場にこの要綱は適用することは出来ない。しかし、今回の葬祭場は、計画通りであれば1階が葬祭場、2階はオーナー(花屋さん)の集会室となっている。この2階で葬儀を行うとすれば、「増床」となり、今回の要綱が適用され、駐車場などがないため、指導要綱違反となるのだ。

 また、この要綱により、大田区の地元自治体としての「葬祭場についての考え方」が明確に示されたのだから、大家さんたる花屋さん、葬祭業者の蕪リベントの若い社長さんも、意地を張らないで、地元と共生できる「子育て支援施設」や「高齢者通所施設」などに業態変更すべきである。

 そのときは、諸手をあげ賛成し、支援をさせて頂きたいと思う。

 それにしても、今回の要綱制定は、放射能測定と同様に「区民力」が、行政を動かした好例になるだろう。署名活動をされた皆さん、署名をされた区民の皆さん、お疲れ様でした。


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