いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2011年05月21日(土) 嬉しい、嬉しい、プレゼント

 久しぶりに長男家族が泊りがけで我が家にやってきた。北関東の陸自部隊に所属して官舎住まいの彼らと会えるのは年数回だが、5月の連休中は東日本の災害派遣で長男には会えなかった。

 そこで、今日は、災害派遣の束の間の休みで嫁さんの実家と我が家に寄ってくれたのだ。

 私は、午後、地元のものづくり企業の経営者の方々と、新たな事業計画の勉強会に参加していた。多くの中小企業が不況にあえいでいる中、自らの持てる技術を持ち寄って、新たな挑戦をする方々の熱意に触れることが出来るのは、大変な励みにもなる。

 勉強会が終わって、工場の片隅で缶ビールと魚肉ソーセージで「即席懇親会」が始まった。実は私は、この魚肉ソーセージが大好物である。貧乏なサラリーマンの親父との父子家庭だった私に、親父はよく魚肉ソーセージで様々な料理を作ってくれたのだ。したがって、この味は、正に「お袋の味」ならぬ「親父の味」なのだ。

 さて、その楽しい懇親会を中座しようとすると、その勉強会の座長役の社長さんから「まだ、いいじゃないか。」と引き留められた。そこで、孫が来ていて、災害派遣から戻った長男から「まわっていない寿司」が食べたいと言われている旨をお話して「解放」して頂いた。

 そして、楽しいひと時を旧知のお寿司屋さんで長男家族と我が家の家族で過ごした。ほろ酔い加減で帰宅すると、先ほどの社長さんから電話がかかってきた。

「国民のために働いてくれている自衛官全員にお礼を申し上げたいが、そうはいかにので、息子さんにお礼を言いたくて、寿司屋に今来たのだが帰った後らしい。もう一度来ていただけないか?」とのこと。

 きっと息子は嫌がるだろうな、と聞けば「いいよ!」と快諾。昔の彼なら考えられない返事だ。二人で、またさきほどの寿司屋さんに戻った。笑顔で迎えてくれた社長さんは、息子に質問攻めだ。

 親バカを一つ。

 社長さんが息子に次のように述べられた。

「自衛隊は、なにかた批判され、なかなか評価されないが、今回は多くの国民が感謝しているに違いない。」

 と、息子は

「私たちは、感謝されようが、批判されようが、常に粛々と任務をこなすだけです」と応じたのだ。これには、まいった!と言うか、よくぞ愚息をここまで育てて頂いた、と自衛隊に感謝、感謝の瞬間でもあった。

 楽しい時間を再度過ごし自宅に戻ると、さきほどの社長さんから息子宛に、豪華な胡蝶蘭が届けられていた。国会議員が当選したり、大臣に就任した時に贈られるような、素晴らしい花だ。


 息子は恐縮し、嫁さんは「狭い官舎には置く場所ばない」と、それでもダンナに対する評価に嬉しそうだった。

 自衛官が国民に評価されたり感謝されるのは「国難」の時だとは、吉田茂首相の防衛大学校1期生の卒業訓示である。粛々と60年近く耐えてきた組織が今、評価されている。

 早く、自衛隊の存在が忘れられるような平穏な生活が、被災地に戻ることを祈りつつ床についた。

 社長さん、ありがとう!


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