2011年05月18日(水) |
わかってないな!防衛大学校改革案 |
亡国民主党の北沢防衛大臣の指示で作られた「防衛大学校改革に関する検討委員会」は、7回の会合を経て改革案をまとめた。その柱は、高等専門学校卒業生の3年次編入だそうだ。
確かに、高専卒業生は一般の大学の3年次編入が認められている。が、だ。防衛大学校は、ただ単に学術を学ぶ場ではない。2年次までで、自衛官として必要な基本的な素養を教育され、集団生活の下級生としての立場も学ぶ。
また、1年から2年生に進級して後輩を初めて迎える嬉しさは、その立場にならないとわからにだろうとも思う。さらには、陸海空自衛隊の部隊研修を通じ、自分の将来進むべき道を決める大切な2年間でもある。
そして、3年次には、航空、海上、陸上要員としての教育が開始され、最上級生をフオローしつつ防大生の中堅として学生生活の要ともなる時期でもある。
その貴重な2年間のプロセスを省略して、技術教育を受けてきたという理由で、高専卒業生を3年次に編入することは問題である。
この論理は、我が母校である航空自衛隊生徒を廃止したものと似ている。 「技術空曹を養成する」という航空自衛隊生徒の目的は、他の制度で補完されているし、生徒出身者のほとんどが幹部自衛官となるのであれば、もはや生徒制度はいらない、というものだった。
15歳から19歳の多感な時期に、航空自衛隊において教育を受けた精神力やロイヤリテイは、他の制度とは比較にならないし、組織のなかにおける団結力も群を抜いているのは自衛官の誰もが認めるところだ。航空自衛隊生徒の廃止を決定した元凶は、当時の航空幕僚長だった。防大しか知らない将官には、悲しいかな、航空自衛隊生徒の本質はわからないだろう。
同様に、今回の改革案をまとめた委員会の委員の構成は以下のとおりである。防衛大学校のあの大変な下級生時代を経験しているのは、下段の4名のみで、ほかは文官である。
防衛副大臣(委員長) 松本防衛大臣政務官、広田防衛大臣政務官、西元防衛大臣補佐官、 防衛事務次官、大臣官房長、防衛政策局長、人事教育局長、経理装備局長 防衛大学校長、統合幕僚長、陸上幕僚長、海上幕僚長、航空幕僚長
頭でっかちな指揮官を作らないための、AO入試などは評価できるが、高専編入は、防大の歴史に大きな汚点を残すだろうと、残念でならない。
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