大田区では政権交代をして以来、綱紀が乱れて「職員の問題行動」が多発していることは再三書いているとおりである。そして、今回の問題は、その意味では、どう採られるべきだろうか悩ましい事件である。
それは、代表監査委員(前経営管理部長)が、48名の区議会議員に「10年古酒」という名前の白ワインを贈ったことである。公職選挙法では、公職にいる者(現職)また、その候補者は、いくら「貰ってもいい」が、「一切有権者に贈ってはダメ」と規定されている。従って、ワインを頂戴する行為は違法ではない。が、だ。
贈られたワインの熨斗紙には「お礼」と書かれていた。私宛のものは、なんと「一度も住んだことのない住所」に送られて、宅急便からの問い合わせで、やっと到着した。それは、私の事務所の電話○○○-0111、あまりにいい番号なので、事務所を移転した後も、その局番を使える支援者宅に電話機だけを置いて、すべてを転送しているのだ。
ところが、代表監査委員さんは、電話番号で住所を検索したらしく、住んでいない住所に「ワイン」が届けられてしまった。ちなみに、全管理職が持っている議員名簿には、正しい住所が書いてあるのだが‥お茶目である!
さて、転送されてきたワインを受け取った家人は戸惑った。なぜなら、以前、ある業者から「個人名」で送られた「ハム」が、実は大田区に関わる業者からのものだったという苦い経験があったからだ。
送り主は「代表監査委員」、議会でその選任同意をしたばかりの方で、前職は「筆頭部長」である経営管理部長であった。「お礼」の意味が、代表監査委員の選任同意であるとしたら、大きな問題である。が、公職選挙法の規定は、どうやら監査委員については適用除外らしい。
とは言っても「道義的」に問題であるのは、議員の誰もが認めるところだろう。そこで私は「お気持ち」は頂戴し、同じ業者から同じ品物を彼のご自宅にお届けすることにした。
長い公務員生活の「お礼」の気持ちは頂戴した。が、物はお返しする、と彼の気持ちに配慮したつもりだった。そして、それで「終わりにする」つもりでもあった。
ところが、話は大きくなってしまった。それぞれ「貰った議員」は「自分だけ」と思って、貰ったことを口外しなかった。その意味では、森田健作元衆議院議員の選挙で、自民党の都議会議員、区議会議員が森田氏の秘書から現金を頂きながら、都議と区議の「兄弟」二人だけが「現金書留」で返金した事件と似ている。現金で受け取って「返す」場合は、人知れず現金で返すのが礼儀であろう。
多くの区議会議員が、その趣旨に戸惑いながら以下のような対応をした。
1.ありがたく頂く。 2.どうしていいか判らず、とりあえず手許においてある。 3.宅急便をその場で受け取り拒否。 4.家人や事務所スタッフが受け取った後に返品。 5.同額または、それ以上の金額の品をお返し。
そして、多数の区議会議員が1.以外の対応をしている。つまり、ご本人の「想い」とはまったく違って「極めて迷惑な贈り物」となってしまったのだ。
彼は(送り主)は、他の執行部の策士達とは違って、極めてピュアな、策を講じることなど出来ない「役人というより、いいオヤジ」という表現があう男だ。
せっかくのご好意が「どこから漏れたのか」区議会や区役所に大きな波紋をもたらした事は、大変残念である。筆頭部長から代表監査委員にもなる見識高い彼が、なぜ、このような「大事件」になるかもしれない、という「普通の感覚」を忘れてしまわれたのだろうか。
彼のご自宅に戻った、大量の白ワインを前に「民主主義」と「二元代表制」について、彼と「割り勘」で語り明かしたいものだ。賢者ではないが悪い輩ではないと思っているからこそ‥
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