2010年03月25日(木) |
平成22年度予算 賛成?討論 |
改革110番、犬伏秀一は、只今上程されました第1号議案平成22年度大田区一般会計予算ならびに、第2号から第5号にいたる各特別会計予算に賛成の立場から討論いたします。
亡国、小沢独裁政権の色合いが濃厚な民主党政権が誕生して半年、昨日は、過去最大級の44億円もの赤字国債を発行して、国の平成22年度予算が成立されました。なんでも国や行政にたかる、社会主義的発想の方々の多い民主党らしいばら撒き予算であると、多くの識者が指摘しているところでもあります。 また、政治と金の問題では、総理大臣の高額なママからの子供手当や、小沢幹事長のゼネコン疑惑に留まらず、我が国の教育を退廃させた元凶、日本教職員組合(通称、日教組)傘下の各教組においても違法献金による逮捕者が続出する異常な事態となっています。 そんな迷走する国政の中、区市町村などの基礎的地方自治体は、現場を持つ責任ある立場で、机上の空論や理想論ではない現実的な取り組みが求められてまいります。 さて、本区の平成22年度予算は、20年間続いた前政権から松原新区長に変わった今期最後の予算であります。その意味では、1期4年間の集大成、総括予算ともいえるでしょう。そこで、本予算執行にあたり、いくつかの意見要望を申し述べたいと思います。 わが大田区では、旧政権から継続されている事務事業の見直し、また各級職員の協力のたまものとしての、基金の蓄えが特別区でも突出しており、安定した区財政運営を図ることが出来ることは、卓越した財政運営能力を持った職員のおかげであると敬意を表するものであります。 しかしながら、来年度予算は、特別区税収入が50億円以上落ち込むことが予想されているにも関わらず、このせっかくの基金を取り崩して対前年7.7%増の予算としたことは、些かの憂いを持っているものであります。 義務的経費はやむ負えないものの、今しなければならない緊急な事業を除き、しばし耐えることも必要なことであると思われます。 また、松原区長は区議、都議を経験され、区内各種団体、自治会、町会などに広い人脈をお持ちであります。そのことが、結果として団体エゴ、地域エゴのばら撒き予算になっていないでしょうか。首長の立場と議員とは、その実行性において格段の差があります。やる気になれば、大体のことができるのが首長であります。そのことを肝に銘じて、必要な時は大胆に、不要なものは毅然と対処することが必要であります。
松原区政の大きなイメージは「官から民へ」でありました。すなわち、お役人出身の区長ではない、民間出身の区長へ、との想いが、多くの有権者の心を捉え見事当選をされたのであります。お役所には、われわれ民間で活動している人間には「異常」と思われることが山ほどあります。そのことを、民間の視点で変えて欲しい、区民、有権者が「民間出身」を標榜される松原区長へ大きな期待をした結果でありましょう。 しかし.4年がたち、どうだったか。残念ながら、何も変わらなかった、いや、それどころか前政権以上に恐怖人事、報復人事が庁内の士気を低下させ、職員の服務事故は多発し、疑義のある入札や契約が次々と発覚してまいりました。 前政権でも同様のことがあったのかもしれません。しかし、行政手腕に優れた前区長の時代には、区長自身が抑止力となっていたように感ずるのは私だけではないでしょう。 さる3月9日から始まった予算特別委員会の区長答弁や、区内の様々なイベントなどでの、松原区長のご挨拶を聞いていて感ずることがあります。それは、誰が書いたかわからない原稿棒読みの時は、実につまらない、到底「民間出身」を感じさせない、「お役人」独特の冷たさすら感じるのです。ところが、議会答弁でも、原稿なしでご自身の言葉で答えられるとき、また、ごあいさつ等も、ご自身の言葉や体験で話される時は、別人のように輝いて見えるのです。 区長ですから、間違ってはいけない、と取り巻きが用意されるのでしょうが、ご自分らしさを出されたほうが、余程よいと感じています。そこで、最後の1年間にあたり、「松原区長らしさ」のために、3つのお願いをいたします。たかだか、一人会派の議員の戯言ですが、一人だから率直に言えることもあるのです。
第一は、真の人材育成を行うことです。今、区役所内では、民主党と同様な体制が問題になっています。鳩山首相は、松原区長ご自身であります。そして小沢幹事長が区役所にもいらっしゃいます。この強権の前には、官房長官、副幹事長などなんのその。また、北朝鮮のような密告、ゴマスリ、言論統制も強烈です。その結果、有能な管理職、さらには志ある係長級の職員の士気は下がり、結果、服務事故が多発した、と言ったら言い過ぎでしょうか。 何回か指摘させていただいた、旧政権の要職にいた方への、現執行部からの厳しい言動などは、決して松原区長の優しい人柄から出たものではないと思われます。また、この後上程されるようですが、退任される監査委員さんが、区長へご挨拶をすべきと、事務方を通じ面談の御伺いをしたところ、なんと、執行部の方から「松原区長が選任したのではないから、会う必要はない」と信じられない返事が返ってきたことはご存じでしょうか。驚きです。 どうか、区長、裸の王様にならないでください。区民は、執行部のお役人を信任したのではありません。あなたを信任したのですから。区長の優しい人柄、さらには、区長の激務の中、学ばれた明治大学公共政策大学院でのご経験から、尻尾を振ってすり寄ってくるロイヤリテイではなく、仕事で人事評価を行うよう強く求めます。時には大胆に、そして優しく、それが大将の器でありましょう。
第二は、区民への情報開示と、庁内での情報共有であります。「民間出身」の区長に代わって4年、いまだに大田区役所の情報開示は、全国でも底辺のレベルにあります。個人情報以外は、大田区の職員が保持している情報は、区民の共有財産である認識を、区長は無論のこと、全職員に徹底することがアカウンタビリテイ(説明責任)として重要です。好例は、大田区総合体育館隣地にあった、ほとんど資産価値のないマンションを30年前の分譲時の価格で建物ごと買い取り、すぐさま解体した事例でしょう。この決定にいたる経緯は、さまざまな情報開示を行っても明らかになりませんでした。まさに密室行政であります。本日、志高い区民有志が、松原区長はじめ、関係執行部職員に対し、損害額の弁済を求める行動を起こされることと思われます。 また、大田区の行政側の意思決定過程で重要な意味を持つ経営戦略会議の秘密性と、庁議の形骸化は、組織として情報の共有が出来ず、一部の幹部職員による区政の「独裁」との懸念を、区役所内外に抱かせてしまいました。来年度の予算執行にあたっては、それぞれの立場の管理職、職員の権限と責任を明確にすることは勿論のこと、情報の独占、独断、恣意的な対応を排除することを強く求めます。
3つめは、真の民間感覚を予算執行に取り入れて頂きたい、とのことであります。財務省が裏で仕組んだ、民主党の政治ショーとして大成功をした「事業仕分け」では、いかに、国のお役人の感覚が、国民の感覚とズレれているかが露わにされました。残念ながら、民間出身を標榜する松原区長になられても、大田区のお役人の感覚は、シーラカンス的古典文化のままであります。昨日開かれた、開発・観光対策特別委員会では、羽田空港国際化記念事業の予算施行について、与野党から「民のまともな疑問」が、産業経済部に突き付けられました、議員の誰もがあきれた、その公金に対する曖昧な対応、大盤振る舞いは、ビックリを通り越して、あいた口がふさがりませんでした。また、残り数日で委託業務が終了するにも関わらず、4月以降の業者の選定に入っていない実態には、随意契約で現業者と継続契約したい、との事業課の「想い」が見えてしまいます。 昨日の特別委員会では、あまりにいい加減な3300万円の予算執行に対し、委員会として、業者の提出した各事業の成果報告を請求いたしました。本日、さきほどそれを受け取り、業者擁護、議会軽視がさらに明らかになってしまいました。 いくつかの報告書には、後日(多分、昨日でしょうが)作成したサインが読み取れるんどえす。最も笑ったのは、3月1日付けで業者が提出しし、区側も係員、係長、課長が同日受け取ったとする「WEBサイト」の報告書です。 なんと、添付された文書には、昨日プリントしたことを示す2010/03/24との日付がついているのです。業者の為、体裁を整えたつもりが、お尻を隠すのを忘れてしまったようです。なぜ、公文書偽造の疑いのある行為をしたまで業者を助けるのでしょうか。 これではダメです。確かに、松原区長は、ご自身で「民間出身」といわれていますが、国会議員秘書、区議、都議、といずれも特別職の公務員であり、民業につかれたご経験はありません。が、それであっても、様々な機会に、区民、商工業者の生の声に触れておられることは、お役人の比ではないでしょう。その方々が「おかしい」ということは、区役所でも「おかしい」という、共通の価値基準を民間と役人が共有すること、それが、区長、あなたの仕事ではないでしょうか。 入札改革も選挙の際、約束されました。しかながら、相変わらず、予定価格の95%を超える落札が相次ぎ、正確な談合情報も後を絶ちません。大田区総合体育館事では、これから出るであろう、ある追加付帯工事の専決処分決定が、すでに契約時に約束されていた、とまでウワサが流れています。 区長として、様々な業界団体とお付き合いがあり、また、歴史的な経緯もあろうことと思います。しかし、時代は変わったのです。いつまでも、しがらみに囚われていては、新しい時代に取り残されてしまいます。どうか、選挙で約された「入札改革」を、残り1年で成し遂げてください。 前西野区長は、多くの与党議員と親しくお付き合いをされ、区役所を去られました。ところが、西野さんの見送りに参加した区議会議員は私を含めて3名だけでした。権力とは、左様に悲しいものでもあります。私は、職として松原区長や、区執行部に苦言を呈していますが、それは、心配するが故であることは、執行部のみなさんも、区長自身も、その職を辞された後でないと、なかなか理解できないでありましょう。
どうか、最後の1年、大田区の歴史に名を残す、名「民間出身」区長になるのか、それとも、お役人の手のひらで行政執行を行い、ご自身は選挙対策に右往左往していた、と評価されるのか、それは、松原区長、あなたご自身の決断にかかっています。どうか、多くの有権者の期待を裏切らない「真の民間区長」になられるよう、強く願い、私の賛成討論といたします。
*WEBサイトの日付については、本日、担当部長より「報告書にはWEBサイトのコピーが添付されていなかったので、議員さん用に、昨日コピーして添付した。偽造したのではない。」との連絡があった。
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