2010年01月31日(日) |
長男、ハイチへ派遣by平和協力援助隊 |
数日前、陸上自衛官の長男から電話があった。「俺、ハイチに行くことになった。」声は若干上ずっているが、嬉しそうだった。とっさに「良かったな!がんばって来いよ」と、応じたものの、報道で見る悲惨な現場に赴く彼の心境は、さらには、もうすぐ3歳になる息子(私の孫)と最愛の妻を残しての派遣への心配はいくばくだろうか。
しかし、自衛官となった以上、いつかは遭遇する事態である。そのために税金からお給料を頂き、教育訓練を受けている。国際社会の一員としての責務を果たす、国連のPKO参加を国家として決定したのだから、名誉ある体験ですらあろう。
さて、そして、本日、関東近県にある陸自駐屯地において、派遣家族説明会が行われた。
ハイチの情勢、派遣部隊の陣容、家族支援の内容などが、各担当官により詳細に説明された。特に、心理幹部によるメンタルヘルスの説明には熱がこもっており、防衛省が組織をあげて、隊員、家族を支援しようという姿勢が現れていて、ありがたいと思った。
それにしても、説明会の間中寂しそうな嫁さん(息子の)の姿だった。実家にいてくれれば安心だが、孫が4月から地元の幼稚園に通うので、それも出来ない。父親が数ヶ月いなくなることを、3歳の頭では理解出来るのだろうか。
今回の指揮官になるY一佐の言葉も印象的だった。
私の任務は、部下隊員を安全にハイチまで連れて行き、現地では任務に励んでもらい、全員を無事連れて帰ることです。安心してください。
見るからに「軍人」という精悍そうなマスクと、その態度には、かねてから息子が言っていた「あの人が行くなら安心だ」という言葉が理解できた。命を預ける指揮官、大将たる器は、こうでなくてはなるまい。残念ながら、政治の世界には、なかなか少ない。
多くの家族の精神的負担のもと、国家の誇りを賭けて派遣される隊員が、全員無事帰国されることを、心より願う。
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