いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2009年09月12日(土) あれから8年もたったんだ‥

 昨日はセプテンバ−イレブン(9.11)だ。同時多発テロ発生の日である。確か8年前のその日は日曜日だったと思う。自宅で寝そべっていると妻が「ニュ−ヨ−クで飛行機がビルにぶつかったらしい」と知らせてくれた。旅行会社を経営し6店舗の店舗を有していたので、海外の事件事故には敏感になっていたが、まさかテロだとは思わなかった。

 操縦士のミスか、計器か、と考えていると2機目がぶつかった。これはただ事ではない。日曜日でも開店している店舗に連絡といれ、ニュ−ヨ−クを旅行中の顧客を調べさせた。

 そして翌日から悪夢は始まったのだ。アメリカ方面は勿論のこと、飛行機を利用した旅行はほとんどキャンセルになった。それどころか、熱海や箱根といった、到底テロとは無関係な行き先も「一億総キャンセル」の嵐が吹きまくった。

 会社の預金口座の残高は、恐ろしい勢いで減っていく。毎月末日と15日に支払いをしていたが、9月末日はなんとかなった。10月15日も乗り切った。その後は、とにかくお金を買い集めることに走りまわった。

 子供名義の預金を取り崩し、生命保険は解約。サラ金の無人機械にも随分と通った。しかし、平成14年1月、ついに廃業に追い込まれてしまった。
それから半年は、本当につらかった。毎日金融機関などから内容証明が届き、家は売却され、ガスをとめられたこともあった。

 しかし、ただひとつの自慢は、誰一人として「出発できなかったお客様」を出さなかったことだ。すべてのお客様に旅行に出発していただいた。あれから、8年。家族や周囲の応援もあって、元気いっぱい暮らしている。

 以前、自民党大田総支部のFAXを使い「自民党区議」を名乗る人物から、「謝金を踏み倒した者が議員でいいのか」という稚拙な文章の怪文書が発信された。犯人は誰もがわかっていたが、本人は白を切る。冗談じゃないぜ!当時の債務は、長期弁済で毎月返済中だよ。

 この経験から、多くの窮地に陥った中小企業経営者の方からご相談をいただく。中小企業は社長の「元気」が最大の経営資源である。社長さんが「資金繰り」だけに忙殺されて笑顔を忘れたら「終わり」である。

 さらに経営の失敗イコ−ル人生の失敗、と真剣に悩まれる経営者も多い。経営の失敗は決して人生の失敗ではない、人生は何度でもやりなおせる、私の経験から、そうお話をしている。

 明日もきっといい一日に違いない。


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