2009年06月16日(火) |
大田区の契約案件に反対!@第二回定例会 |
改革110番の犬伏秀一でございます。 只今上程されました、第70号議案、71号、72号、74号、77号議案に反対の立場から討論をいたします。 さる5日に行われました議案質疑において、これら議案について私が抱いた疑義には、残念ながら野田副区長は答えてくださいませんでした。それは極めて簡単明瞭な疑問であります。これらの議案すべてが、落札率、すなわち、大田区が事前に予定した契約金額との乖離が、限りなく100%に近い、つまり同額に近いという不思議な現象です。 第70号議案は、仮称東糀谷四丁目公園造成工事その1で、中央工営・村石建工・京浜港湾工事の3社共同企業体が3度の入札をへて3つのグル−プと戦い落札したものです。3回の入札では、またまた不思議なことが見られました。それは談合の基本と言われる「最安値不変の原則」が見られたことです。3回で2位、3位の業者は入れ替わりますが、必ず1位、つまり落札するであろう業者は変わらない、という原則です。識者らは、この原則と落札率が95%を超えた場合には談合を疑っていい、と断言しております。この議案の大田区予定価格は1億9千240万円であり事前には公表されておりません。が、なんと落札額は1億9千236万円。99.98%と驚くべき数字であります。1億を超える金額で、たった4万円の差異で、公表されていない予定価格とほぼ同額になることが、はたしてあるのでしょうか。 確かに、東京都が工事積算単価を公表しております。では、議員の皆さん、理事者の皆さん、いまから近所のス−パ−に行って私の昼食のおにぎりをつくるために、のり、お米、梅干、塩を買ってきてください。のり、米、梅干、塩の量は事前にレシピ−をお配りします。私の予定している価格に最も近い金額で買ってきてくださった方には、賞品をさしあげます。たかだか、こんな簡単な問題でも、99.98%などという金額は絶対に出ないはずです。それが、区民、普通の常識です。 第71号議案大田区田園調布一丁目付近枝線その13工事(下水道)請負契約は予定価格に対して99.89%、2億2074万円の予定価格に対して差異24万円、第72号大田区田園調布一丁目付近枝線その17工事(下水道)請負契約も不落随意契約で99.96%、第74号議案大田区立鵜の木保育園改築工事も同じく不落随意契約で99.97%、第77号議案仮称大田区総合体育館改築機械設備工事は99.18%、予定価格9億7千400万円に対し800万円の差で落札と、まったく驚きの連続であります。 第76号議案仮称大田区総合体育館改築電気設備工事については、当初チャンピオンであろうとウワサされていた業者JVが、最低制限価格未満で失格となり、残るJVが落札率89.95%と通常の競争であればあり得る金額で落札をいたしましたが、すでに追加工事が予定されている、との情報が誠しやかに流れているなど、明確には反対しきれないまでも疑義を残すところであります。 同様に第75号、76号議案について、このような入札の執行体制のもとではたして適切だったのか、はなはだ疑問であります。さる6月5日の私の、「入札改革をマニュフェストにあげ当選された松原区長は、このような高率入札をどう思うか」、との質疑には2度にわたり野田副区長が答弁し「この区のリ−ダ−は役人なのか?」との私の激怒の末、やっと松原区長が答弁をされました。ところが、その答弁には、異常な高率の落札には一切触れず、当たり障りのないもので、はたして野田副区長が護ろうとしたものはなんだったのでありましょうか。松原区長には、ぜひとも、お役人に負けることなく「入札改革」を断行して頂く様望むものであります。 さらに笑い話があります。ここに、平成20年9月22日開催の総務財政委員会の議事録の写しがあります。
井出経理管財課長:予定価格につきましては1億5350万円でございます。落札率としては99.9%でございます。 黒沼委員:予定価格を知らないわけですよね、当然。知らないで入札価格を出してみたが、どこの会社もすごいなと本当に思う金額です。こういうのは最近よくあることなのですか。井出経理管財課長:予定価格に対して契約金額が近いのは最近よくあるかという質問かと存じますが、私の記憶では少ないのかなと記憶しております。
平成19年度、平成20年度の議決を必要とする1億5千万円を超える新規契約議案は17件でした。この17件中落札率98%を超えたものは13件、残り4件のうち1件は94.91%、1件は97.93%といずれも予定価格に近い契約案件でした。ところが、なぜか、経理管財課長は「私の記憶では少ない」と断言されています。 確かに、これらの議案のうち6件は不落随意契約、つまり、3回入札を行っても予定価格にならないために、最低額をいれた業者と随意契約を行うというものです。うがった見方をすれば、不落随意契約を装った、官業の談合構造と映らないこともないのです。でなければ、なぜ、野田副区長は、必死に区長の答弁を止めるのでしょうか。 なぜ経理管財課長は、これほど多くの99%案件があるのに「少ない」と言えるのでしょうか。さる5日にも質疑を行いましたが、新たな政権になっても、変わらず、入札改革をすべし、と訴えていたある入札担当の課長がおりました。ところが彼は、突如、外郭団体である財団法人大田区産業振興協会の閑職へ異動されてしまいました。なぜか、との私の問いに副区長は「通常の人事である」と答えられました。 副区長以下理事者のみなさん、一体何を隠し、何を護ろうとしているのでしょうか。 どうか、心ある区議会議員の皆さん、将来に禍根を残さないためにも、このような疑惑の契約議案には勇気を持って反対をしようではありませんか。自民党各会派、公明党の所謂区長与党の皆さん、真の地方分権はいくら与党であっても、ダメなものにはダメと言う議会が必要です。そして、ひょっとしたら政権を取ってしまうかもしれない民主党の皆さん、どうか、責任ある立場を見据えて、地方議会でも責任ある態度を示してください。真の野党を標榜される日本共産党のみなさんも最近は迫力に欠けています。どうか、区議会の良識を発揮するチャンスであり、区民から信託された権能を使うべき時です。 再度、お訴えします。すでに議会運営委員会で、それぞれの会派ごとの態度を表明されてしまったと思われます。しかし、議会はシナリオではありません。どうか、今一度それぞれが、自らの良識に問いかけ、反対の意思をご表明してください。犬伏が伏してお願い申し上げ反対討論といたします。
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