いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2009年04月10日(金) 議員控え室に届いたあるお手紙

 本日、議会の控え室に行くと、机の上にお手紙が置いてあった。議員には毎日様々な書類や手紙、案内状などが届けられるが、今日のお手紙はその中でもひときわ目をひいた。(以下、原文ママ)

大田区議会のみなさま、ご支援ありがとうございました。
●●マンション建替組合を無事解散することが出来ました。

ヒュ−ザ−小嶋社長と姉歯建築士の耐震偽装発覚以来あしかけ4年、旧●●の住民は、マンション再建に向け取り組んでまいりました。
この間、大田区議会の皆様には終始一貫、暖かいご理解とご支援を頂き、心から御礼申し上げます。顧みまして、この再建は、大田区の皆さまの助けなしには達成できなかったと思われます。(中略)

昨年6月30日新マンションが竣工したとき、お礼に参ろうと思いましたが、建築費用の精算もまだですし、この先何があるかわからないので建替組合を解散できる日まで待つことにしようと思いとどまりました。不幸にもその予感は的中し、アメリカから始まった金融危機の荒波を、私たちも真っ向からかぶることになりました。

当初の計画では、皆の区画を削って余剰戸を作って売って、少しでも負担を減らそうと目論んだのですが、しかし、余剰戸は希望価格では全く売れず赤字となり、逆に負担が増えることになりました。もしも、この追加負担ができない建替組合員がいたら、組合は破産するところでした。

大田区から派遣いただいたコンサルタント、NPO密集住宅地区整備促進協議会のアイリスコ−ポレ−ションとリ−デンスの皆さんが死にものぐるいで働いていただき、まさに身を削って、この赤字幅を最小にとどめてくださいました。

このたび、全組合員から追加負担金の払い込みが完了し、建替事業収支に過不足なく、3月20日の総会で建替組合の解散を決議することができました。ここにマンション再建完了をご報告し、これまでの暖かいご理解とご支援にあらためて御礼申し上げます。ありがとうございました。

被害住民は、今後それぞれの道を歩みます。おのおのの事情で約3分の1の区分所有者が戻ることができませんでした。歯をくいしばって再建まで頑張って、これを売って生活を再建しようと思っていた方も、全く売れずに途方に暮れています。これからも厳しい暮らしに立ち向かっていかなければならない方がいます。組合は解散しますが、一大田区区民として暮らしのためひとりひとりの戦いが始まります。

区議会の皆様におかれましては、太田区民の暮らしが少しでも良くなりますよう、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

平成21年3月吉日
        ●●マンション建替組合 組合員一同

 この事件発覚後、このマンション最上階にお住まいの理事長宅に出向き、区の支援のあり方について、ご意見を伺ったことがある。温和そうな理事長さんが、かくも壮絶な戦いを指揮されてきたのか、と涙の出る思いで拝読した。また、時期悪く、マンション価格の下落が再建計画を直撃したことも残念な事態だ。たった一人の建築士と、利益優先のオヤジの愚行が、多くの人々の人生をこうまで狂わせてしまったとは、極刑にすら値する。

 また、コンサルの働きの素晴らしさは勿論であったが、職務を超えた支援をボランテイア的に行った、大田区職員さん2名の献身的働きも、忘れてはならないし、大きな賛辞に値することは、関係者誰もが認めるところだ。

 残った方も、転出された方も、それぞれ再建に向けて大変な戦いが始まるのだろう。どうか、試練を乗り越えて頑張っていただきたい。すなおにおめでとう、とは申し上げれないが、声高らかに、お疲れ様でした!


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