いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2008年02月20日(水) 議会よりマスコミ優先の大田区お役人

 大田区の観光行政は,前政権(区長)の「観光は民間主導で」との政策から、新区長の「観光課新設」へと大きく変化した。その一環として、大田区初の公募観光課長を採用することになり、そのための条例も区議会で議決された。

 年収1000万円課長職の公募には、さまざまな経歴を持った方が応募され、総勢29名の中から1名を採用したそうだ。そして、昨日、特別区人事委員会の承認が得られたので発表という段取りとなったのだが、ここで大問題が発生した。

 私を含む区議会議員がこの事実を最初に知ったのは、本日の新聞によってだった。職員課を所管する総務財政委員会、観光振興担当の生活産業委員会にもなんら事前の報告はなかった。

 議会で条例を議決しておいて、プレス発表で事実を知る議会とはいったいなんなんだろうか。大田区のお役人の議会軽視は今更はじまったことではないが、まったく毎度お馴染み「大変申し訳なく以降このようなことのないように‥」との、公務員共通の詫びの言葉が虚しい。

 事実を確認した職員課長とのやりとりは以下のとおり。

私:なぜプレス発表が先なのか?

課長:昨日決定が5時以降だったので、議員には本日お知らせすることにした。

私:では、なぜプレスは時間外に発表できたのか?

課長:電話で4時に「決定」が伝えられたので、広報広聴課を通じて発表した。

私:職員の親族の訃報などはFAXで送ってくるのに、このような重要な案件は、プレスが先とはどういうことだ。条例変更の議決だけ議会を通せば、後はいいということか?

課長:そんなつもりはないが、申し訳ない。

 観光課長の任命権者は区長である。選考をへて区長が決定した段階で、議会に発表することは、なんら問題がないはずだ。特別区人事委員会がすることは「通常の選考試験を経ないこと」についての承認だけである。

 区の来年度予算などは議会が審査議決する1ケ月も前にプレス発表する。これも、職員課長の論理(承認前は議会にも発表できない)によれば、おかしい話だ。議会の審査前なので、プレスには発表できません、というのが整合性のあるやり方だろう。お役人のスタンダードは、常に「ご都合主義」である。

 新たに決まった観光課長については、当初から「具体的な人が決まっていてのデキレース公募」とのウワサが流れていただけに、選考過程の公表が望まれる。11月に公募した課長職に、日本航空の管理職だった定年1年前の彼が退職して応募というのも、如何だろうか。採用決定後、退職というのが「フツー」だと思うが。それとも、事前に「確約」があったので、安心して「早期退職」したのかしら?

 さらに笑い話は、議員に発表した文章である。

「公募していた観光政策担当課長が決定しました」
(前文略)
公務員にはない自由な発想で、観光振興プランの策定などに当たっていただくことにしております。

 すでに採用内定者は「身内」である。その「身内」に敬語で「いただく」とは、所詮「お客さん扱い」か。いや、お役人は、よく身内に敬語を使うから、すでに「身内」ということか‥


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