2007年11月28日(水) |
第4回定例会代表質問 |
ネット・無所属・自由連合を代表して質問をさせていただきます。わかりやすい明瞭な後答弁を期待しております。 国会においては、テロ特別措置法をめぐり、安倍総理大臣の突然の辞職に始まり、大連立構想まで噴出し、大騒ぎに陥っていることは、この国の未来を憂える一人として、誠に残念至極な事態であると言わざるを得ません。申すまでもなく、国家の最大の存在価値は国民の生命財産を守れるか否かにあろうと思っております。その至上命題が達成されたうえで、はじめて様々な政策課題が実現実行されていくことは、誰もが認めることでしょう。その意味で、国家の安全保障を政局にせざるを得ない今日の国会運営は決して尋常な姿ではありません。与野党ともに、まともな議論の府たる正常な国会に戻す歩み寄りが望まれます。
さて、わが大田区において、はたして区民の生命財産を守るために、区政が正常に機能しているののかどうか、いささか疑わしく思うことがあります。実例をいくつかあげてみましょう。
今月初旬、ある医院から私に相談がありました。来院した外来患者が末期の大腸ガンの様相を示しており、本人が帰った後の待合室の椅子は血だらけだった、と。痔の薬を求めたご本人に再三入院を勧めても馬耳東風。されとて、民間の医師に強制力はない、区役所でなんとかしてあげてもらえないか、とのことでした。さっそく所管行政センターの地域福祉課長に事情を説明して対応を依頼したところ、びっくりする回答が戻ってきたのです。「これは個人情報保護法に抵触する恐れがあるので、医師から依頼をして欲しい」あきれた私は、「自分で処理するから地元の民生委員の電話を教えろ」と迫ったところ、やっと処理を約束してくれたのです。実際には形式的に区役所の担当が、医師に電話をして確認したうえで対処した、ということにしたのです。結果、大田区の保健師の説得により、その日のうちにこの方は入院をすることができたのです。このような、人の生命、身体、財産の保護につき必要がある場合には、個人情報の保護に関する法律第16条3において除外規定を設けているのです。
最近、なんでもかんでも伝家の宝刀のように個人情報という言葉が乱用されているように感じるのは私だけではないはずです。以前、直木賞作家が知人の結婚式に祝電をうつために、フルネームを確認しようとホテルに電話したところ、個人情報だと拒否された話が新聞紙上で話題になったことがあります。身近なところでは、学校の緊急連絡網や病院受付での名前での呼び出し中止など、過剰な対応が見受けられます。また、今、松原区長が積極的に推進されている地域力を発揮する場合にも、個人情報保護が立ちふさがっています。市民防災組織や町会が区や民生委員さんに、独居老人の住まい等の情報提供を依頼しても第三者への提供禁止を盾に断られてしまい、そのデーター収集に大変な苦労をされています。
個人情報保護法は、本来情報取扱業者のモラルを保ち、より豊かな情報社会を実現するのが趣旨であったものが、法施行後の2年間、個人情報保護の意味を拡大解釈して情報公開を拒む行政や大企業、ひたすらプライバシーばかりを要求する個人といったおかしな社会構造を生み出してしまったのではないでしょうか。これらの例を踏まえて、過剰な個人情報保護につき大田区のとしての考えをお示しください。
次に、区における危機管理についておたずねいたします。いささか旧聞になりましたが、台風9号来襲時に区長、副区長、危機管理担当部長が伊豆長岡温泉に宿泊して、帰京しなかったことが報道されました。お三方とも就任直後のことでもあり、また、区に残留した別の副区長が災害出動の指揮をとっていたということで、二度とこのようなことがないようにと決算特別委員会においてお願いしたのでした。 ところが、さる11月22日三連休前日の木曜日、私は開示文書を頂きに、区民生活課をお訪ねいたしました。すると担当者が、「課長がいないので決裁できません」とおっしゃる。前日に確認したらその日に出来るといわれたと食い下がりました。では、庶務担当係長が代理で決裁できるだろう、と迫れば、庶務担当の筆頭係長も休暇だとのことでした。では、その上司である、区民生活部長はと伺うと、申し訳なさそうに「代休です」と告げられました。私は、四連休を管理職が取得したことに苦情を申し上げるつもりはありません。日ごろ、精一杯公務に尽くされ休みを取得することは健康上も、また家族関係においても重要なことであると思っております。
しかし、危機管理担当部長を兼ねる部長、そして区民と最も近い存在である特別出張所を束ねる区民生活課長、その課の筆頭係長がすべてお休みで、決裁文書が決裁出来ない状態というのはいかがでしょうか。さっそく危機管理担当課長たる防災課長にこの状況を説明しましたところ「たまたまでしょう」との答えがかえってきました。様々な事故、災害はこの「たまたま」が重なって発生することが多いのは歴史が証明しております。だからこそ、「たまたま」がないように、日ごろから訓練を積み重ねているではないでしょうか。所属ラインの管理職すべてがいない、この「たまたま」は見過ごすことは出来ない重大時と考えておりますが、区長はどのように感じられますでしょうか。また区職員の危機管理意識につきどのように啓発されていこうとお考えなのかお示しください。
次に、区営保養所についておうかがいいたします。 大田区には直営の保養所が伊豆高原荘と休養村とうぶの2件ございます。平成18年度のこれら施設の収支、利用率などを見てみますと、伊豆高原荘が宿泊人員ベースでの利用率が35%で収支は1億3千242万5千円の持ち出し、休養村とうぶが宿泊人員ベースで利用率42%、持ち出し1億4千627万円あまりとなります。このことは、伊豆高原荘に1泊すると、一人9000円あまり、とうぶで4800円を税金で賄っていることになるのです。 昨今、各地の宿泊施設は激安サービス競争の嵐です。たとえば一人あたり9000円もの税負担をしている伊豆高原荘など、それだけで民間宿泊施設に泊まれる金額であります。とうぶについては、あれだけ立派な施設でありながら、その接客態度は民宿以下という内容で、いくら接遇が悪くても、いくら利用率が低くても大田区が東御市の三セクに2億円を超える規定の委託費を支払う現状では、受け入れ側職員のモチベーションもあがらないのではないでしょうか。現状の仕組みとは反対に委託先から施設使用料を徴収して、宿泊料はすべて差し上げるぐらいの抜本的な改革が求められると思いますがいかがでしょうか。
次に、とうぶ休養村の区民、区外の利用について調べてみました。すると、なんと、大田区民以外の利用が、51%にものぼっているのです。さらに、驚くべきことに、残りの49%の利用人数にカウントされている区民のなかには、実は区外の人も含まれていることが明らかになりました。つまり、代表者が区民であれば、同行者が区民以外でも区民としてカウントされる仕組みなのです。
ここに11月17日土曜日に宿泊した団体宿泊客の名簿を情報開示したものがあります。個人名、詳細な住所は黒く塗りつぶされていますが、とても奇妙な名簿です。この団体は8月6日に新蒲田に居住するKさんが代表者としてとうぶ休養村に申し込みをしました。区民は区外に先駆けて予約が出来る制度を利用しています。さらには、団体としての使用料の減免申請も行っています。ところが、Kさん以外の住所はすべて横浜市なのです。 つまり、28人の区内利用とされている宿泊者のうちKさん以外の残り27人は横浜市民でありながら、大田区民利用としてカウントされてしまうのです。 さらに問題なのは、このようなエセ区内団体の早期予約により、純粋な区内団体が宿泊できなくなってしまうことです。この日、この区外団体は本館に泊まり、ひとつしかない和式宴会場を利用しました。別のある区内団体は、本館が満室で宿泊できず離れた別棟に宿泊し、宴会は本館のレストランで行いました。この団体の人々は混んでいるのだから仕方ないと思っていましたが、翌朝ビックリしたのです。本館玄関前で、記念写真を撮影するこの人々が掲げた大きなノボリには「日本共産党緑区後援会」とあるではありませんか。横浜ナンバーの大型バスにも、同様な名前が書かれていました。Kさんのお宅を訪問すると、お留守でしたが日本共産党の大田区議会議員の事務所看板が掲げられていました。はたして、このような団体利用は適正なのでしょうか。区民感情としては、到底理解できない行為であると思われます。空室のある平日などに区外の方が利用いただくのは大歓迎ですが、このような行為は問題です。どう思われるか御所見と今後の改善策をお示しください。
次に、大田区産業実態調査についておたずねをいたします。これは、新区長のもと、大田区の事業者が何を求め、何に課題をかかえているのかを精査するものとの説明でした。調査委託費は13,773、400円。区内の2000社を訪問して聞き取り調査をせよ、との契約仕様書でした。私が経営する会社にも来るのか、と楽しみにしておりましたら、このような封筒で調査票が郵送されてきました。そして後日、調査員が訪問するとありましたので期待して待っておりましたら、たまたま不在時に来られたようで、不在訪問票がポストに入っておりました。そこで、記載されていた調査員の携帯電話に連絡すると「ドアに封筒にいれて貼っておいてください」との返事でした。私が「面談調査じゃないの」と聞くと、「いえ、書いてないところを聞くだけですから」と。委託業者の本社に電話しても「聞き取りはいりませんから…」と年配の女性従業員さんが応じました。はたして、仕様書に書かれている訪問による聞き取り調査方式で契約したこの調査、有効なのでしょうか。また調査票の内容も粗く、この程度のこと産業経済部は知らなかったの?と首をかしげてしまいます。
次に、再三おうかがいしている大森北1丁目開発についておうかがいいたします。ここに、インターネットから取り出した業者募集要項があります。それによれば、高さも決められ、区の施設の配置も決め、駐車場の台数も96台と詳細に決められ、さらには、参考図として示された建築計画図をコピ−して使えというご丁寧な但し書きには、悪い冗談かと笑わせていただきました。なぜ、自由な民間の発想で、ここまでガチガチに固定してしまうのでしょうか。これでは、単に、区有の土地を事業者に50年間安く賃貸し、区の指定した使用の建物を建築し、区が使用する残余の部分のテンナントを斡旋してくれ、という提案にしか思えないのですが、どのようにして自由な発想を期待しているでしょうかおうかがいします。
また、風聞によれば、すでにプロポーザルによる業者は、あるゼネコンと商社グループに決定していると聞きますが、よもやそのようなことはないと信じておりますが念のため確認しておきたいと思います。さらには、税金と区有の土地をオマケにつけて取得した一等地を、貸しビル業者に50年間貸しつけ商売をさせるという構図に、庁内で異論を唱える賢者は存在しなかったのでしょうか。
この土地は、大森地区全体の面での開発計画を策定する中での大きな種地として考えるべきで、現在の計画は、公共公用としては、その占有部分があまりにも少なく、また、民間活力と呼ぶには、あまりにもすべてが決定されすぎている中途半端なものであり双方向から再検討の余地があると考えますがいかがでしょうか。
教育問題につきうかがいます。 昨今、教員の資質についての議論が盛んになってまいりました。本区でも過去に問題行動を起こし処分された教員が、実は人事評価上は「問題なし」として他区市町から当区に転入してくる事例が多く存在しています。また、大田区で問題を起こしながら他自治体に転出して何食わぬ顔で教壇にたっている事例もあります。大田区だけが、良い教員を得るというのは、エゴかもしれませんが、区の教育を担当する教育委員会には、「おかしな教員は大田区に絶対に転入させない」という毅然とした態度が臨まれます。そもそも採用段階で排除すべきことですが、すでに採用してしまった教員は解雇する訳にはいかないでしょう。対処法などお考えをうかがいます。
日常生活において何らかの問題行動を起こす児童生徒の後ろには、必ずと言ってよいほど、問題のある親や家庭が存在するのは、教育関係者の共通認識であろうと思われます。問題なのは、問題ある家庭や問題ある親たちは、そのことに気づかず、子供たちの問題行動にのみ目を向けてしまいがちです。また学校もなかなか家庭の問題にまで入りにくいという問題もあります。誤解されないよう申し上げておきますが、私は父子家庭で育ち、このようにりっぱに成長しましたので、問題家庭とは決して一人親家庭を指しているのではありません。子供にとって最高かつ最長の教育の場は家庭であります。この自らが気づかない問題を秘めている家庭や親に気づきを与える「親学」を行う場を身近な場所に作る必要を痛感しておりますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
つぎに、全国学力検査の結果について質問いたします。私は過日、本検査の大田区の全国平均点との差異や順位、区内学校間偏差などを公文書開示請求いたしましたが、いずれも非開示決定通知をいただきました。理由は、学校の序列化や過度な競争が生じることが強く懸念され、学校の正常な教育活動に支障をきたす、ためだそうであります。はたしてそうでしょうか。自らの自治体の教育サービスの実態が全国的に見てどうなのか、東京都ではどうなのかは、そのサービスを受ける者として大きな関心事であろうと思われます。同じような予算をかけて、同じ人数の教員が教育をして、なぜ差が生じるのか、学校現場にも緊張感を持っていただくためにも開示は必要であると考えます。 中学校卒業まで「過度な序列化反対」とさけんでいても、高校に進学した途端に生徒たちは「過度な序列化の激風」にさらされます。 世の中の仕組みが、結果の平等になっていない以上、過度な保護意識は児童生徒の成長にとってマイナスにしかならないでしょう。 さらには、私は教員の担任ごとの平均点を人事記録に記録すべきだとも思っています。私は、数学が大の苦手です。これは、小学校時代の算数のS先生が嫌いだったからだ、と信じています。逆に読書や作文が大好きになったのは、同様に小学校のT先生、高校のM先生などの影響であると思っています。このように教員の指導力や素養は、卒業後30年以上たってもその教え子の中に営々と培われてくるほど重要なのです。だからこそ、その重要な役割をになう教員の皆さんに、井の中の蛙にならないよう、自らの指導力、教育力の成果を学校単位で、都道府県単位で、国レベルで確認をする必要があると思うのです。勿論、この評価を給与や昇任に利用できればよいのでしょうが、教員組合などの反発もあるでしょうから、当面はご自身の自己啓発の材料にしていただければよいと思います。
今後の、検査結果の公開に対するお考えと、教員毎の平均点の自己開示についてお考えをうかがいます。
最後に、いささか代表質問としてはふさわしくないことを承知でおうかがいいたしたいことがあります。
ここ数年東六郷2丁目町会の会館や、町会長、町会役員、周辺住民、私などを誹謗中傷する事実無根のビラがSさんという方により、大量に配布されております。当初は当該町会内だけだったものが最近では、区内すべての町会長宅や他地域、議会にも配布されるようになりました。当初は気に留めなかった町会の方々も、常軌を逸した内容と行動に、東京地方裁判所に提訴いたしました。そこで、最近のチラシ内容のうち大田区行政がかかわっている部分につき念のため確認をしておきたいと思います。
第10弾と記されたチラシには、次のようにあります。
東六郷2丁目町会のK会長が役所のご指導で首になった。
9月13日14日の大田区議会本会議で私が提出した52枚の資料により犬伏議員が49名の議員から吊るし上げにあい、犬伏議員が罷免されるかK会長を首にするか問われた結果、犬伏議員はK氏とS氏を首にすることを決め議員の皆様と区長に報告した。
町会会館は欠陥会館である。
そこでおうかがいします。 東六郷2丁目町会会長につき、大田区長やその他の部署が首にせよとのご指導をされたことはあるでしょうか。また、9月13日14日の本会議には区長も出席されていたと思いますが、私が他49名の議員から吊るしあげられたり、町会長の首と罷免を選択させられた、というような場面があったでしょうか。
まちづくり推進部長におたずねいたします。 東六郷2丁目町会会館は、このチラシにあるような欠陥会館なのでしょうか。
一昨日には、このような常軌を逸した行動に対し「その正義感と労力に共感する」との応援メッセージを議会内会派のFAXから送った大田区議会議員がいるとのチラシが地域にまかれたのは、町会の皆様一同の驚きでもあり、万一事実であるとすれば、誠に事実誤認も甚だしい迷惑千万、遺憾な行為であります。
区内には68万人あまりの人々が暮らしています。そこには68万通りの人生が存在し、価値観も多様なものがあります。対立も生まれるでしょう。その多くの人々のさまざまな価値観、思いの共通項を見出し具現していくのが行政の立場であると思っております。
現在、大田区基本構想審議会が開催され、未来の大田区の姿を真摯に検討討議されていると聞きます。
夢のある構想が提言されるものと期待しております。新たな区長のもと、区民の思いと乖離しない区政、お役所の目線と区民の目線、常にその相違をチェックしながらすすむ区政を望み質問を終わります。
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