2007年11月12日(月) |
民間の自由な発想?ガチガチの大森北1丁目開発事業者募集 |
何度も書いているが、大田区の特別出張所と図書館の跡地にオマケの土地と2億円余りのお金までつけて、NTT開発所有の1等地と交換した「仮称 大森北1丁目開発」。NTT側に譲った土地には、すでに分譲マンションが建設されているが、当方の土地は100円パーキングのままである。
前政権時代には、大田北行政センターを移転し、行政機能と民間のコラボレーションという構図が、かろうじて成り立っていたが、新政権になり、なぜか北行政センターの移転は中止になり、ほとんど民間活用部分になった。なんのことはない、区民の財産と税金を使って民間デベロッパーに1等地を50年間貸し出す事業にすりかわってしまった。
さらにお笑いなのは、公開された事業者募集要項である。どうせ、コンサルに作らせた文章だろうが、いくつか「お笑い」を示してみよう。最も大きな問題点は「民間事業者のノウハウ」と言いながら、ほとんど建物の配置が「固定」されている点である。
建物について 地上8階、地価2階、塔屋1階。述べ床面積15,410.85平方メートル。 自動車駐車場101台(うちEVパーキング96台、うち16台ハイルーフ対応)地上部S造、ブレース付ラーメン構造。地下部SRC造。熱源設備、冷熱温水発生機と水冷チラーによるガスタービン(以下略) 外部仕上げ、押さえコンクリート金ゴテ仕上げ、アスファルト防水。屋上庭園(5階)、外壁、50角タイル打ち込みPC板+アルミカーテンウオール 押し出しセメント成形板(t=60)(以下略)内部仕上げ、床、せっ器質タイル(300角)張り、壁、レンガタイル(t=20)張り、天井GB12、5+9、 5 AEP
と、書ききれないほど、事細かに仕様が指定されているのだ。
さらには、床配分計画案(参考)として各フロアの面積が小数点以下2位まで記載されている。最後に、大笑いしたのは、建築計画図(参考図S:1/500)という下記の文章だ。
以下に、建築計画図(参考図)を示します。建築計画に係わる提案は、本図面をコピーしてご使用ください。(提出はA3版とします)
この図面には、各フロアのどこに区有施設を置きこむか、吹き抜けはどこにするか、駐車場の形状、男女別トイレの位置まで指定されている。参考図と言いながら『提案には、本図面をコピーしてお使いください』とは、もし本気で書いているとしたら担当者なり、作ったコンサルの日本語能力を疑う。正しくは下記のようにすべきだ。
以下に、受注予定の建築業者と決定した建築計画図を示しますので、本気で受注したい事業者は、この図面をコピーして、区の意向通りの提案をしてください。
要するに、蒲田保健所跡地の時と同じように『地域の賑わい創出』といいながら、コンサルと受注予定の建築業者、プロポーザルで受注予定のデベロッパーグループに都合のいい計画を『いいなり』に作った、ということか。
この募集要項を熟読する限り、民間の自由な発想が活かせるのは『建物管理の手法』と『テナントの募集』だけだ。なんのことはない、商業ビルのテンント募集の仕事じゃないか。
賑わいと呼ぶには、あまりのも貧粗な『点の開発』であり、公共建物としては、あまりにも『民間』だし、なんとも中途半端、いかにもお役人的な計画に、ごく一部少数の議員やお役人しか疑問に思わない区役所、区議会は大丈夫かいな。
嗚呼、お役人。マトモな心を持った一部担当者の胃炎がかわいそう!!
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