2007年06月29日(金) |
矢口養護学校学校公開 |
今日は、東京都立矢口養護学校の学校公開に出かけた。都区の行政関係者、地元各種団体、保護者などで説明会場となった食堂は、立ち席がでるほどの賑わい。ただ、残念なのは、区議会議員は、民主新人2人、緑の党、生活者ネットワーク、私の計5名だけだった。自民、公明、共産の議員は誰も顔を見なかった。参議院選挙で、それどころではないのだろうか‥
この学校の中村校長の障害児教育にかける情熱は、毎回訪問の度に感動するが、今回も、「ご来校の御礼」と題した文章、そして、ご挨拶に、益々その感を強めた。
「教師の本務は何か」と問われた場合、児童・生徒一人一人の障害や能力・適性、ニーズ等に応じた教育サ−ビスの提供とその向上にあると捉えます。 (中略)常に、児童・生徒からの問いかけを心に刻んでほしいと願います。その問いかけとは(1)先生は私に何を教えてくれましたか?(2)教えてくれたもののうち、私は何を理解したと思いますか? の2点です。当然(1)の質問にはすぐ応えられると思いますが、重要なのは(2)の質問に応えられるかどうかです。このような質問をする生徒・児童はいないかもしれません。だからこそ、敢えて自分自身に問いかけて欲しいのです。授業力向上のポイントは、この「サイレント・クエスチョン」にいかに応えるかではないでしょうか。(ご来校の御礼より抜粋)
学校がパーフェクトな状況はあり得ません。社会もニーズも変わっていきます。まわりが変化している以上、教育そのものも常に変化していかねばなりません。教育が、社会の変化やニーズにどう応えていけるかが問われています。変わっていかなければ子ども達に対して失礼です。(ご挨拶から要約)
その後、「進路」という高校3年生の授業を見せて頂いた。今の時期、生徒たちは、区内の福祉作業所や、企業に実習に出かけているとのこと。本日現在、実習に出ている生徒の実習状況をビデオで紹介したり、これから実習に出かける生徒が決意発表をする等、あっという間の1時間だった。
これから出かける実習先には、私の地元のスーパーや大手飲食チェーンに混じって、さほど大きくはないであろう回転寿司店がはいっていた。大手の場合は、国の障害者雇用率達成という点やCSR(社会貢献)の観点から受け入れることは想像がつく。なぜ、厳しい経営環境が続く中小企業の寿司店が??と質問してびっくりした。
それは、昨年、大手回転寿司店に卒業生が就職できたのを見た、指導教員が区内及び周辺の回転寿司店すべてに「セールス」したのだそうだ。その結果、応諾してくれたのが、この寿司店だったとのこと。寿司店の協力もさることながら、教員の熱意には頭が下がる。
さらにビックリしたのは、就職に成功した生徒達の、職場への定着率は、なんと90%以上だというのだ。これは、就職後のフオローアップを、大田区新蒲田福祉センターと協力して行っている結果で、厚生労働省でも「大田方式」と呼ばれ、絶賛だそうだ。普通高校から就職した生徒の定着率から比べても、すばらしい成果だ!
やはり教育の成果は、力ある学校長のリーダーシップと、意欲ある教員のチームワークの集大成だと、あらためて確信した。
|