いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2007年06月01日(金) この人を応援するのをやめた

 今まで、何人の各種選挙の応援をして、何人に裏切られただろうか。マスコミでの評価や、前職での評価は、実は選挙という「戦場」を共有すると、まったく違う「実像」に出会うことになる。

 以前、突如落下傘でお越しになった女性衆議院候補を応援したことがあった。教育問題の専門家という触れ込みで、ご本人もマスコミ出身。政党は違ったが、保守系議員として地元の議員で唯一人応援をした。

 ところが、とんでもないお嬢さん。小選挙区なのに「拉致議連」と「○○(父親の名)の娘」としか言わない。羽田国際化や中小企業活性化などの地域問題をレクチャーしたが、まったく興味を示さないし、しゃべらない。

 あげくに、選挙応援にきた娘さんは「ママをお願いします」ときた。(人前では母というべき教育を忘れたらしい)さらには、落選後は秘書さんを即日解雇し、後始末や精算事務は彼等の無償のボランテイア。今や、安倍内閣の中枢にいらっしゃるが、私は事ある度に「この事実」を宣伝させて頂いているが、マスコミ受けするので、保守系は彼女の「口」をうまく使えばいいと思う。

 そして、先の区長選挙。行政マンとしては優秀な候補者を応援した。ただ、選挙や人付き合いの機微などは、まったくの素人。また、選対も元お役人管理職ばかりで「挨拶」すらまともに出来ないところからのスタートだった。事務局長は途中で、心労のため突然辞職。結果は、もちろん落選だった。

 そこで参議院選挙。私は、古巣でもある防衛省出身の候補予定者を応援していた。先日は、リーフレットを2000枚送ってもらったり、彼の名刺兼政策資料を常にポケットにいれ、会う人ごとに渡していた。ただ、気になっていたのは、彼が大田区役所内で講演をされた時の態度だ。プロジェクターの調子が悪く、PCの音声が出なかった。その「緊急事態」にあたって、彼の大田区職員に対する官僚的な冷ややかで激怒した態度は、ずっと心にひっかかっていた。(この人は、サマワの笑顔とは違う、目下に冷たいのでは‥と)

 さて、本日、自衛隊OBや自衛隊応援団の会の総会があり、私も役員なので出席をした。そこに、彼(参議院候補予定者)が来て挨拶をされた。たどたどしい挨拶だったが、かえって政治家っぽくなくて好感が持てよかったが、再三「元陸上幕僚長(陸上自衛官のトップ)が選対責任者になってくれた。心労で彼が倒れ入院をしている。彼とその奥様の心を力に頑張る」という趣旨のことを話されていた。(実は、国会関係の防衛省関係者の間では、この元幕僚長が選対に入ったことで選対がぶれた、との風評もたっていた。)

 その後、次の予定があると彼は中座されたが、出口まで参加者と握手をされ、私もしたことがにない程、深々とおじぎをしていた。過去の落選候補には見られない光景である。う〜ん、優秀な選挙参謀がいるな、と感心したのもつかの間。あっという間に冷めてしまった。私の前に来られたので、大田区でも、一杯ご一緒していたし、講演会の司会もしたので、親しげにポケットに入っていた彼の名刺20枚程度をわしづかみにして「私も頑張って名刺配っていますよ」と激励した‥つもりだった。

 彼は、ぽけっとして「あっそう」。これで終わった。わかってねえな!元陸上幕僚長も持っている票は1票。それよりも、現場で票を集める人を大切にしないと。かの区長候補にも同様の苦言を呈したが、その区長候補氏も、様々な席でエライサンの席にしかいかなかった。結果、落選。

 「一人でも多くの人に名刺を配り‥」との彼の挨拶での言葉に感激した私の想いは、この「あっそ」で消え去った。彼のホンネは「一人でも多くの自分より先輩年次の高級幹部に名刺を配り‥」だったようだ。

 私は、別に彼を応援しなければいけない特段の理由はない。ただ、現場を知っている自衛官OBを国政に、という思いだけだったが、どうやら間違いだったようだ。明日、2000枚のリーフレットに、この日誌を添えて送り返そうと思う。せいぜい頑張って欲しいが、私はイヤだ。また期待はずれだったぜ。

 しかし、防衛ファミリー100万票は、いったいどこへ流れているのだろう。自衛官は「政治的活動に関与せず」と教育を受けているが、自らの代表を選ぶことを躊躇してはならない。

(過去の防衛省出身参議院議員の結果)
平成13年 田村秀昭 自由党 86865票 当選 元空将
同年    依田智治 自民党 79184票 落選 元防衛事務次官
平成16年 月原茂皓 自民党 51290票 落選 元防衛庁課長


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