いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2006年12月29日(金) 人の基本は善か悪か‥?

 年末も押し迫った今日、嫌な話に出会った。非常に親しい飲食店の経営者からの話である。今年の4月から店長に抜擢した30代の妻帯者が、金銭事故をおこした、というのだ。

 この店長さん、高校卒業して以来、流浪の人生で、正社員になったのが、今回初めてだともいう。4月には店長に抜擢され、はりきって前月の50%増の売り上げをあげた。

 ところが、翌月から少しずつ売り上げが落ち、8月には最悪に。経営者は、途中、仕入れの領収書の改ざんに気付き、それとなく注意をしたそうだ。そして、8月以降、売り上げは下がるが、仕入額はあまり変わらない。

 さらには、八百屋を変えたり、仕入先を当初の先から序々に変えたそうだ。おかしい、と感じてていたものの、彼の「今月も頑張ります!」という、熱意と笑顔に騙されて、ついつい見逃してしまったらしい。

 そして、年末。彼から「新たな職場でチャレンジしたい。色々プラスになりありがとうございました。」という言葉に、疑いもなく退職を認めたという。ところが、昨日になり、退職した副店長やバイトから、とんでもない店長である、との上申書がよせられたのだ。そりゃ、給与のほかにピンハネしていれば「色々プラスになり‥」に決まっている。

 タイムカードを押し、店の売り上げを持ってパチンコへ出かける。仕入れの領収書は白紙でもらい、差額はポッケへ。一部の売り上げは、レジを通さず、電卓で計算してポッケへ。等々‥

 結局、本日、本人を問い詰めたところ、4月から9ケ月間で、売り上げのピンハネ約270万円、仕入れのインチキ約30万円、合計300万円もの横領を自供したのだという。早速、高齢の父親を呼び、本人と連名で借用証書を書かせ「刑事告訴は勘弁して欲しい」との始末書もとったらしい。

 驚くべきことには、この店長さん、最後まで詫びの言葉がなかったという。又、以前勤務した飲食店でも100万円の横領を起こし、現在弁済中であることもわかった。来月からは、区内の別の飲食店へ就職が決まっているというが「次なるカモ」にならないといいのだが‥

 しかし、この経営者さん、いささか舐められているね。お金を横領できない環境作りも経営者の仕事である。はたして、人の基本は「悪」なのか、「善」なのか‥

 私は、どんなに騙されても「善」であると信じているが。


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