いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2006年12月26日(火) 都区の取り合い、玉虫色決着

 23区は、平成12年の地方自治法改正までは、東京都の「内部団体」の扱いだった。現在では、一般市と同様「基礎的自治体」となったが、お役人は「精神的」に、財政では「実質的」に、相変わらず「内部団体」である。

 精神的に、というのは、区の管理職は、判断に困るとだいたい「都の意向」を持ち出すのだ。で、直接都に問い合わせると「そんなことは言ってない。区でご判断ください」なんてことが、よくある。この「親離れ」は、永年のDNAなので、ちょっと時間が必要かもしれない。

 財政の面では、一般市であれば入ってくる税金を都が、「大都市の一体的整備」を理由に、かっさらっていく制度、都区財政調整といものがある。これは、本来区市町村の収入になる、法人住民税、固定資産税、特別土地保有税(調整3税と呼ぶ)を、東京都が徴収するのだ。

 そして、これを、区に分け前として、52%「財調交付金」として交付するのだ。しかし、これも、大田区で徴収した額の55%ではない。標準的な区の必要とする予算額(基準財政需要額という)を、都の基準で勝手にはじき出し、そこから、その区の独自収入を差し引いた不足額(実際には、もう少し複雑である)を交付する。

 すると、独自財源が豊富で、なおかつ調整3税の収入が多い区ほど「損」をする。国の地方交付金と同じ仕組みが、都区の間で行われている。地方分権を声高に唱えている石原都政も、この部分は離さないという自己矛盾をひた隠す。

 さて、来年度、この「取り分」をめぐって、都区の攻防が続いていた。区側は3%増の55%をよこせ、都は、いや54%にしろ、とつばぜり合いだった。たかが1%だが、総額180億円であるので、双方ひかない。

 結局、本日開催された臨時23区々長会で玉虫色決着された。その内容は、いかにもお役所である。東京都は、「区の要望をいれ」3%増の55%を来年度交付する。特別区は、「都の要望をいれ」来年度の、都から区への各種補助金を、財政調整交付金の1%相当額180億円減額に応ずる、というものだ。

 なんじゃい、最終数字だけみれば、54%、東京都の勝ちである、が、表向きは、55%、区側の勝利。なんともな〜

 早く独立しちまおう!!


 


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