いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2004年05月17日(月) 5000万円の調査費、入札なしでOK?

 今日は、交通問題調査特別委員会最終日である。この委員会は、京浜急行の連続立体交差事業と、交通網整備のため設置されたものだ。一年間この委員会に所属してみて、いかに議会の情報をお役所がコントロールしているか、が良くわかった。

 お役人自身には「コントロールしている」という意識はないので、指摘したところで、何も変わらない。自身が持っている情報の「議会向き」なもの、または地方自治法上「議会の議決」が必要なもの、が委員会に出てくるのだろう。

 地方議会でこうなら、より優秀な人々(そうは思えないが)が集まっている中央官庁相手の国会は押して知るべしである。国会議員が何を能書き言ったところで、「ご指摘の点は精査検討させていただきます」と答えて、あとは思ったとおりに粛々と行う。

 今日は最後なので、残った5件の請願、陳情を審査したが、我がほうの主張(3件採択、1件不採択、1件継続審査)の主張はとおらず、全件、次期の委員会にて継続審査となった。次期に引き継ぐと、また同様の議論を一からはじめなければならないので、出来るだけその年度で結論を出すべきだと思うのだが‥

 さて、本日のエポック。
JR蒲田から京急蒲田を結び、最終的には東急線と京急空港線を相互乗り入れする「蒲蒲線」計画が、運輸政策審議会より「整備すべき路線」とされてから1年を経過した。そこで、大田区では、この計画の早期実現のため、区独自で今年度5000万円の調査費を計上した。

 その明細が配布された。
航空測量       20,000,000
整備計画の深度化   22,619,048
事業性の検討      5,000,000
消費税         2,380,952
合計         50,000,000

 まあ、中小企業の社長がみたら、嬉しくなるような簡単明瞭な明細である。消費税だけが、うまいこと5000万円になるよう計算されている。

 これは、入札したのか、随意契約か、と質問すると、「いずれでもない。協定書である」と。国土交通省の子分である独立行政法人なんたらかんたら(長いので忘れた)に依頼をしたので、入札でも随意契約でもない、そうだ。

 航空測量が2千万というのは、安いかどうか、との質問には「安くもないし、高くもない」との答弁。簡単に言えば、国土交通省の子分であるから、「適正価格に違いない」というのがホンネらしい。私の、航空自衛隊時代の友人で、ヘリパイロットの資格を持つK君に聞けば「なんと、おいしい仕事だ」という。ちなみに、彼が関わった大田区の空撮写真は解像度25cmで5万円だそうだ。

 国の役所だからこそ「あやしい」というのが、昨今のトレンドなのだが。そして、5000万円は、「国のお役人」のものでも「区のお役人」のものでもなく、国民のものだ、ということを忘れないでもらいたい。

 さてさて、1年間のこの委員会の存在意義は‥


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