2003年12月12日(金) |
住民エゴと行政・議会 |
議会には、それは様々な陳情が出されてくる。「大田区の環境を守るため‥」なんていう枕詞がついてくるのは要注意である。よくよく読んでいくと、自分たちの住んでいるマンションの前に、新たなマンションがたつ、こいつが計画通りに建つと、自分たちのマンションの景観が損なわれる、そこで「大田区の環境を守るため‥」陳情が出てくる。
自分たちのマンションが建ったときのことは忘れてしまう。いや、わかっちゃいるが、この際忘れたふり。でかいマンションが建つ計画があるや、地域に働きかけて「○○の環境を守る会」なるものを立ち上げ、デベロッパーと交渉役を買って出る古参議員さんもいるようだ。
そのようなマンションでも、建築基準法や条例に基づいて建築確認を申請しているのだが、「大田区は、地元無視のこのような建築確認を許可するな」と、無茶苦茶な論理で攻めてくる。それじゃ、法律って、なんなのさ。
最近問題になっているのは、区内に建設予定の「老人保健施設」の反対運動だ。建蔽率60%、容積率200%の住宅地に、地上4階建て(4階は、半分以下)の施設(100ベット)を、国、都、区の補助金を得て、地元の医療法人が建設を計画しているものだ。
当初、公園にしろ、との運動を起こした方がいたが、現在では、この老人施設計画への「条件闘争」になった。北側の住民は「日照被害」を、南側の住民は「プライバシー侵害」などを訴えて、要望書を都、区、医療法人に提出した。要望は大体、次のようなものらしい。
住宅地に、こんな大きな施設はおかしい。70ベットにしろ。(すべての法律をクリアしてるが‥)
駐車場が少ないとの要望に、縦列駐車場を設けたら、今度は「駐車台数が多すぎる」ときたらしい。
老人保健施設が必要なのはわかるが、自分の家の隣は嫌、ということだろう。都も、区も、「民意」に敏感なので、頓挫中。さてさて、住民エゴと、公共の福祉。どう調整したらいいのやら‥
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