2003年11月28日(金) |
目指せ、5つ星の区役所。区議会一般質問全文 |
本日開催の、大田区議会第4回定例会での、私の一般質問は、以下の通りである。特に、区職員、全国公務員の皆さんにお読みいただきたい。
大躍進した民主党にも合流せず、わが道を行く変わり者、大田区議会自由党の犬伏秀一でございます。私は、先般、交通問題調査特別委員会の視察で、杉並区のコミュニテイバス「すぎ丸」を視察してまいりました。本来の視察目的である「すぎ丸」も、行政主導で推進したコミュニテイバスとしては、成功した部類にはいるであろう素晴らしいものでしたが、それ以上に杉並区役所職員の区民に対する姿勢に興味を覚えました。これは、区役所中に掲示してある「めざします 五つ星の区役所」というポスターです。曰く、目指します!五つ星の区役所。私たちは区民の皆様にお約束します。1.まごころあふれるサービスを提供します。2.プロ意識を持って仕事をします。3、時代の変化にチャレンジします。4、区民の皆様と共に考え、行動します。5、お預かりした税金は大切に使います。 素晴らしいお約束です。そして、このお約束を実践するために、このようなマニュアルを全職員に配っているのです。
接遇から接客へ 電話は2回以内で出ましょう 所属、氏名を名乗りましょう 承りました、失礼します、といって切りましょう TシャツGパンはダメです
など、民間会社であれば、新入社員教育に使うような基本中の基本ですが、役所としては画期的な内容であります。
さらに驚いたことは、議会事務局での我々に対する対応です。委員会室で、一人一人に「紅茶とコーヒーどちらがよろしいでしょうか?」と、職員が聞いてまわるのです。素晴らしいですね、と担当の女性職員に言うと、「昼食が和食とうかがっていたので、お茶よりコーヒーがよろしいかと思って」との回答。これにもうなってしまいました。勿論、お茶を出すことが、公務員本来の仕事ではありませんが、このような気遣いが出来るとすれば、区民に対しても、それ相当の配慮ができていると思われます。
さらには、杉並区職員全員が、このような写真入りIDカードをぶら下げているのです。区民の方は、これを見れば、どこの所属の誰が、自分の仕事を担当したのかが、すぐわかり、実に結構なことだと思います。残念ながら、大田区においては、いまだに、名札すら着用しない職員が散見され、また、大田区教職員労組においては、名札着用が重要課題だ、という始末で、同じ職員でありながら、大きな隔たりを感じざるを得ません。
反面、大田区役所にも、若年職員を中心に、さわやか区役所運動なるものが実施されており、電話の応対、接遇など、実に気持ちのよい方もいらっしゃいます。問題は、この一生懸命区民サービスの向上に努めている職員と、権利の主張ばかりに執着している職員との差別化ができないところであります。それは、勿論、組合も悪いし、職員自体も問題ですが、そのことを改善できない管理職の責任も重大です。一昨年、学校現場のインチキ残業を私が指摘し、年間5000万円以上あった残業手当がゼロになりました。これは、管理職たる学校長、教頭が、永年の悪習に逆らえなかった結果です。どうせ自分の金ではないから、ここで文句言って、職員と面倒な関係になるより、払っちまえ、ということでしょうか。このような管理職の、他人事の感覚が、より一層問題の解決を先送りしていると申し上げたら言い過ぎでしょうか。
先月、私のもとに週刊誌の記者が取材におとずれ、大田区の職員の問題が全国に報道をされました。その結果、私のもとには全国から励ましが届きました。さぞかし、区職員から文句や脅しがくるだろうと期待しておりましたが、まったくありませんでした。それどころか、区職員特に、矢面の土木職員からは、このようなメールが届いたのです。
(職員からのメールは、プライバシーに配慮し、一部のみ朗読。ここでは 省略)
職員自らが、半分の職員でいい、適材適所のリストラは必要と認め、さらには、マジメな職員と、わけのわからない職員とを見極めるシステムが欠落している、と指摘しているのです。まさしくそのとおりです。遅れず、休まず、働かずでも、順番がくれば特別昇給の恩恵に与り、定年になれば全員が「区政に功労があった者」として、2号級の名誉昇給をする、余程意志が強くなければ、まあ、適当にやろう、と思うのが人間でしょう。
私は、学校でも、職場でも、家庭でも、その乱れの原因は、すべて、その長にある、と主張しております。職場の乱れは、各職場の管理職の怠慢、指導力の欠如が原因です。学校崩壊は、校長、教頭の、学級崩壊は担任の責任です。早期の段階で問題を処理しなかった結果です。今、公園・土木事務所の民間委託問題で、組合と執行部は交渉の真っ最中です。しかし、その内容は区民には公開されていません。以前指摘した、給食の食器2枚事件の際も、組合と学校教育部の密約文書が存在していたようですが、いまだ、開示されません。もはや、密室で組合と取引をする時代は終わりました。すべての交渉の経緯を、区民に公開するべきです。その交渉の是非を判断するのは、区民であるからです。
ここに、私の愛読している「大田職労」1368号平成15年10月22日号があります。”10月24日(金)30分間のストライキ予定、各支部・職場は万全の体制を!”と、ストライキを煽動しております。地方公務員法第32条は、公務員に法令を遵守するよう定めております。そして、同法37条では、同盟罷業、怠業を禁じており、何人もこれらの行為を企て、共謀し、そそのかし、あおってはならない、と規定しているのです。さらには、第61条四において、違反した者は三年以下の懲役または、10万円以下の罰金に処する、と罰則も定められております。つまり、法により禁止されているストライキを企て、そそのかし、あおっているこの機関紙の発行責任者は、懲役刑をも受ける可能性のある被疑者にあたるはずです。しかるに、その管理監督の任にあたるべき管理職が、その被疑者を司直に通報しないことは、大問題です。
以前、教職員労組の幹部が、違法な政治活動を行い、口頭注意の後、病気を理由に長期休暇を取得したことがありました。これなどは、馴れ合いそのものであります。毅然として、法令違反には、司直の判断を待つ態度が、管理職にも臨まれます。公務員は、法に基づいて勤務しているはずです。であれば、その法に基づいて、職場異動を頑として受け入れないものは、分限免職も止む無し、違法なストを煽動する組合幹部は、司直へ告発、それぐらいの覚悟を持たずして、管理職の資格はない、と断じておきます。
杉並区役所のマネをしろ、とは申しませんが、大きく変わるべき時に来ています。そして、大きく変わることは、字のとおり大変です。組合がなんと言おうと、区民のため変える決意をお聞かせください。そして、権利の主張と、違法を承知でストを宣言するような職員組合との交渉経緯は、すべて納税者たる区民に公開すべきだと考えますが、お考えをお聞かせください。 全国500万人の地方公務員の皆さんが支出している税金は101兆円であります。このお金を、本当に大切に使っていただけたら、国も地方も財政危機など払拭できるはずです。
どうか、5つ星の区役所、目指してください。そして、職員組合の皆さんも、権利の主張ではなく、プロ意識を持って仕事にチャンレンジする団体へ変革をお願いするものであります。
再度申し上げます!目指してください!五つ星の区役所。 以上で、私の質問を終わります。
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