いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2003年09月22日(月) あらあら、公務員の給食のおばさん、またですか!

 先週、小中学校の教員の休日出勤の実態調査に各学校に出向いた。これは、「教員の天敵」と言われるだけでなく、本当に熱心な教員と、権利の主張しかしない教員の処遇面での差別化をできないか、との思いからだ。例えば、中学校の部活動の顧問教員は、土日に出勤しても代休もなく、休日出勤手当もない。支給されるのは、日額1200円。大会出場の場合は、1700円。交通費も出ないから、片道850円以上かかると、赤字になってしまう。

 文部科学省も、区教育委員会も部活動や、地域活動への教員参加を推進しているが、制度上は何も考えていない。教育公務員特例法によって、たかだか4%の「超過勤務見合い」の給与UPだけだ。何もしない、「労働者教員」は、それでも多いが、マトモな先生には、なんとか報いたいものだ。

 ところが、学校に調査に入って、たまげた。丁度、給食の時間だったので、職員室にも食器があった。応対に出た教員に、「食器は2枚ですね」と聞くと「私が赴任して以来、2枚ですから、2枚は大田区方式かと思っていましたと。」

 実は、大田区では、平成7年に、アルミの食器から強化磁器(コレール)に変更した際、学校教育部と区職員労働組合が密約を結んだのだ。それは、強化磁器は重いので、本来3枚使用するものを「当分の間」2枚でいい、というものだ。三枚使用すればメニューの幅も広がるのに、2枚しか使用しない、という、公務員特有の「労働強化はんた〜い」の典型だ。

 以来、平成12年11月、私が議会で指摘するまで「当分の間」は続けられた。平成12年11月30日、当時の学校教育部長は、年内改善を約束した。ところが、翌年1月からは、月2回だけ食器3枚が実施。4月からは完全実施を約束されたので、とっくに解決されたと思っていた。

 ところが、恐るべし!公務員!のど元すぎればもう大丈夫とばかり、また2枚に戻していたのだ。先週調査した結果は以下の通りである。

9月19日に給食を実施していた小学校
公務員の調理員が勤務している学校 45校
民間委託校            13校

うち食器を2枚しか使用していなかった学校
公務員の調理員が勤務している学校 45校
民間委託校             2校

 この日の大田区標準メニューは、チーズトースト、コーンスープ、グリーンサラダだ。これを、3枚使うと、洗うのが面倒だし、重いので、2枚しか使用しないのだ。どうするか。食パンにチーズをのせたものを焼いたチーズトーストを、トレイに直に置くのだ。トレイと食器は同様の衛生管理をしており、問題ない、と教育委員会幹部は弁明するが、食は文化だ。わが国は、食物を慈しみ、食事時間を重要な生活の一環としてきた歴史がある。それを、給食調理員が面倒臭い、といって、ないがしろにしていることは許しがたい。ちなみに、本日は豚肉とピーマンの中華丼、春雨スープ、果物である。
ある学校は、切ったリンゴをそのままトレイに乗せていた。同様のメニューを使用している、民間委託校は、3枚の食器を使用していた。いや、もっと驚いたことに、公務員調理員に、適正な3枚すら使用させられない教育委員会は、なんと民間委託校には、4枚の食器を配置しているのだ!(実際、長女の中学校(民間委託校)では4枚の日がある)

 民間委託校の調理員は、時給850円。重いと言っている公務員の調理員は、年収700万円以上。退職金2000万円以上。おかしくないですか?

 保育園の民間委託反対、図書館業務委託反対、と区職員労働組合は声高に叫ぶが、たかだか、食器すら民間と同じことが出来ない公務員には任せて置けない!



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