いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2003年07月08日(火) イラク特措法に思う この国のいいかげんさ

 イラク支援特別措置法が、そうやら今国会で成立しそうである。長男が陸上自衛隊、私も、航空自衛隊の予備自衛官として、他人事ではない。そして、なんと、無節操な政府だろう、とあきれている。

 インド洋への派遣もそうだが、軍隊(自衛隊は絶対に軍隊だ!)を、外国に派遣する場合には、その基となる原理原則を明確にしなければいけない。ところが、政府与党は、その場の雰囲気で、軍隊たる自衛隊を海外に派遣している。そのうえ、派遣地域は、『非戦闘地域』だという。つまり、危なくない場所だから大丈夫、という理論だろう。じゃあ、なぜ、武力集団である自衛隊にいかせるんだ。日通でも、クロネコだっていいじゃないか。

 だいたい、戦闘が懸念される地域に、非戦闘地域なんぞ、あるもんか。シビリアンたる防衛官僚と、平和ボケ政治家の頭を疑う。軍隊を派遣させるためには、そのことが政治的に、または、恣意的に行われないよう、どのような時に、どのような目的と理念をもって、誰が承認して、派遣するのかの基準を明確にしておく必要があある。現在のように、その場しのぎの時限立法で誤魔化すことは、『なんでもあり』の危険をはらんでいる。

 また、百歩譲って、派遣を認めたとしても、交戦規定(ROE)を、を国際常識に合わせて派遣することが求められる。現在の規定では、自己または、自己の管理下にある者の生命を守るために、武器の使用が認められているだけだ。例えば、自衛隊の駐屯地の中にNGOが同居していて、攻撃にあえば、『正当防衛』と怒鳴りながら(?)応戦することが出来る。ところが、『自己の管理下』ではない場所、にいる日本人NGOや、マスコミが、攻撃を受けていることを知った、としても、救援程度は出来るだろうが、応戦して救助することは出来ない。

 まあ、現場の指揮官は、法律を駆使し、永田町と市ケ谷への言い訳を作って、応戦をするぐらいの裁量は持っているだろうが、それでは、あまりにも情けない。派遣される自衛官が可哀想である。

 政治家が、毅然として、国際社会の常識と合致するよう、武器使用基準を改め、さらには、集団的自衛権や、憲法解釈を、内閣法制局長官などという、たかだか、内閣の法律顧問ごときの『法解釈』を基準にしていることを止めなければ、フツーの国への道は遠い。


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