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2014年12月08日(月) 「硝子の底」のこと

 今日から漸くC86の新作に着手。昨日で一年の締めをしたので、丁度切りが良いところである。

 今日は「硝子の底」(Circle観葉植物)をプレイ。
 目が覚めると見知らぬ洋館にいた主人公。脱出するにも出口には鍵が掛けられている。脱出する術を求めて館を彷徨う主人公の前に、不意に現れるメイドや執事達。謎めいた彼女達の言葉に、館に散りばめられた数多の日記。それらを追っていくうちに、この館の謎が徐々に明らかになっていく。

 迷い込んだ洋館から脱出するアドベンチャー。システムとしては、館の中を探索してアイテムを見つけて謎を解き、最終的に脱出するという脱出ゲームの体裁を取っている。とはいえ、謎自体はそれほど難しくなく、むしろ館の人物の謎めいた話を聞き、随所に散りばめられた日記を集めていくことで、この館の謎を明らかにしていくのが主目的。なので、脱出ゲームというよりも謎解きヴィジュアルノベル的な印象が強い。

 何度かのバッドエンドを経て、3時間ほどでハッピーエンドに到達。館の構造はかなり複雑だが、最初からマップがpngファイルとして同梱されており、一度開いた扉は開いたままと配慮があるので、探索はかなり楽であった。ただ、移動の頻度を考えると、移動の度に画面効果が表示されるのはやや冗長と感じた次第。
 日記を集めて館の謎を明らかにしていく過程だが、ここはかなり楽しめた。とりあえず手当たり次第に集めた日記のページは内容が断片的で、しかも書かれた時代も書いた人の身分も職業も何もかもばらばらで、まるで取りとめが無い。しかし、集めたページが増えていくことで共通点が見出され、その瞬間にこの世界の輪郭と誰のための物語かを理解することができたのだが、この時の鬱屈した気持ちが一気に晴れ上がった様はとても痛快であった。日記の区切り方や配置が絶妙で、まんまとこのように誘導させられたわけである。その後も日記を集めてはあれこれ推測が広がっていき、丁度良い頃合で一気に謎が明らかになる展開は実に気持ち良いものがあった。物語の種類としては実は割と苦手な部類(ネタバレになるので多くは語れない)に入るのだが、この作品はそういう苦手意識を覚えずに素直に受け入れることができた。
 登場人物がフルボイスというのも、ヴィジュアルノベル的印象を強く感じたところ。声優はプロのMCから素人まで多様だが、いずれも味のある喋りに製作者の力の入れようがひしひしと感じられた。また、登場人物の役割分担が明確で全員にしっかりと存在感があったのも好印象。中でも、主人公の邪魔をしたりからかったり、かと思えばヒントもくれて、しかも物語の核心にまで関係するダーク様の存在感が他のキャラよりも飛びぬけていて、彼が登場するのをいつしか心待ちにしていたりも。

 この作品を完全版とするべくまだ改良が加えられるようであるが、とりあえずハッピーエンドを迎えられたので一段落。


氷室 万寿 |MAIL
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