雪さんすきすき日記
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2014年09月19日(金) 続^3・「さとりのダンジョン王国2」のこと

 「さとりのダンジョン王国2」(コココソフト)の感想は、プレイ開始時に9/6の日記に書いたが、クリアしたことで改めてまとめてみる。

 「輝針城」異変に乗じて力を得た阿求が引き起こした新たな異変。それは、強者が弱者になる反転結界を幻想郷に張り巡らせ、幻想郷の力関係を逆転させるというものであった。そんな異変の最中、咲夜さんとさとりさんの2人がいろいろあってなし崩し的に異変解決に立ち向かうこととなる。

 この作品は、咲夜さんとさとりさんが幻想郷の住人達の力を結集して、異変の黒幕に立ち向かう東方二次創作マルチタスク人任せSRPG。プレイヤーは咲夜さんとさとりさんに扮し、パーティーに指示を出してはダンジョンを探索させて数多のクエストをクリアしていく。そして、次々と現れるダンジョンを突破して最深部にいる黒幕を倒すのが最終的な目的となる。
 登場キャラクターは「紅魔郷」から「弾幕アマノジャク」までの全登場キャラに秘封倶楽部や書籍キャラ(除く霖之助)、果ては没キャラまでと大所帯。彼女たちが最大24のパーティーを組んで探索を行う。プレイヤーはパーティーを直接操作することはほとんどなく、キャラの設定をしてパーティーに指示を出したらあとは見守るのみ。マルチタスク人任せはここに由来し、この作品の最大の特徴ともなっている。

 パーティーは物語中で発生するイベントを通じて次々と参入してくる。参入時のパーティーの人員は固定だが、基本的にパーティー間で自由に組み替え可能。ただし、クエストをクリアする際に初期の人員で組まれたパーティーを要求されることが多いので、あまり人員を分散させるとクエスト攻略時の障害となる。パーティーに属しないキャラも多数登場するので、それらをうまく配属してパーティーの能力を調整する。
 次に行うのが、キャラの能力の設定で、ここがプレイヤーが最も関与することのできる場面。設定するのは、キャラのクラスとスキル、ボーナスポイントの割り振り、装備と多岐に渡る。HP、MP、武力、知略、蒐集、魅力の6つの能力値により設定できるクラスが決まり、クラスにより基本能力と使用できるスキルが変化する。スキルは戦闘に使用するアクティブスキルと、能力を強化するパッシブスキルがあり、ボーナスポイントを消費して4つまで設定可能。ボーナスポイントはレベルが上昇するごとに増えていくが、各種能力値の上昇(=クラスの設定)にもスキルの設定ボーナスポイントを消費するので、ポーナスポイントはキャラの能力を決める重要な要因となる。とはいえ、だらだらと遊ぶ作品と公言しているだけあって細かい設定は必ずしも必要ではなく、能力は魅力(他の能力値が均等に上昇)へ全振りなど大雑把な感じでも十分通用する。装備は武器が1つと防具やアクセサリが3つまで装備可能。装備した武器により戦闘中の配置(前衛、中衛、後衛)が変わり、被ダメージの頻度や攻撃の順番等に影響を及ぼす。
 パーティーを編成してキャラの設定が終わったら、ダンジョンの攻略開始。各パーティーはプレイヤーの大雑把な指示(まったり探索、階段あったら次の階に即移動など)に基づきダンジョン内を自動的に動き回る。ダンジョンといっても縦横一定マスの正方形をした領域で、隠された階段を見つけると次の階に移動できるようになるだけの極めて簡素なもの。ダンジョン内でパーティーが行う行動は階段を探す以外には戦闘と素材集め。戦闘も素材集めも自動的に行われ、結果のみが表示される。戦闘は武力や知略、装備が、素材集めは蒐集とキャラの属性が結果に影響を及ぼす。ただし、戦闘については指示をしているパーティーのみ戦闘場面が表示され、戦闘の回避やスキルの変更など若干細かいところまで操作ができる。また、入手できる経験値も自動戦闘時より多くなるので、集中的にレベル上げをしたいときや、ボスまで体力を温存しておきたいときなどに活用する。ダンジョン探索時にクエストのクリア条件(一定の階数まで到達、ボスを倒す)を満たすことでクエストクリアとなり、クエストをクリアしていくことでゲームが進行する。そして、各ダンジョンの最深部のボスを倒すことで次のダンジョンに挑むことができるようになる。
 ダンジョン内で入手した素材を合成することで、武器や防具、アクセサリといった装備が作成可能。装備を整えることがクエスト攻略への近道なので、クエスト攻略以外のパーティーは全員素材集めをさせておくほど素材集めの重要度は高い。
 このように、パーティー編成→キャラ設定→ダンジョン探索を繰り返してキャラを育成し、クエストを攻略していくのがゲームの一連の流れ。数多くの人員について能力を管理して適材適所に配置を行い、その活動を見守って結果に一喜一憂するという、どこか経営管理的要素の強い作品である。一方で、だらだらとプレイする作品をも公言しているので、レベルを上げて物理で殴るも十分に通用する作品でもある。

 このシステムの醍醐味は、今作もやはり大勢の人員管理。パーティーはクエスト攻略時の必要人員のことを考えると、初期人員で固定にする方が楽だと判断したので、決められた人員でどれだけ能力を発揮できるかを考えなければならなかった。ここで、どのパーティーも初期人員で戦闘も補助も釣り合いが取れているはほとんどなく、偏りのある中どういう方向に調整していくか、パーティーに属さない人員をどう配置してその偏りを補うかに頭を捻ることになる。中でも、武力も知略も低くて蒐集のみ極端に高いとか、MPが極端に少なくてスキルが使えないなど特に能力値の偏ったキャラは扱いに苦労した。また、6人ならともかく3〜4人の人員で戦闘から素材集めから罠回避から全てを網羅することは難しいので、どこで妥協をするかなども大事な見極め所である。それを最大で95の人員と23のパーティーについて行ったので、とにかく大変な手間であった。しかし、パーティーの能力を少しでも最適に近づけるためにクラスやスキルの組み合わせを考えるのはやはり楽しくもあり、手間が大きい分結果が出たときは大きな手応えになって返ってきて、プレイのし甲斐をひしひしと感じることができた。ちなみに、最終的なパーティー編成はこんな感じ。


 また、今作は操作系がゲームパッドからマウスに変更されたのに伴い、随所で操作性やプレイの快適性の向上に対する工夫が見受けられた。ドラッグによるパーティー間の人員異動やホイールによるコマンド選択などがそうである。数字の増減の速度の上昇とパーティーへの指示の一括変更にはキーボード操作が必要だったが、それを除けば完全に片手でプレイ可能であり、直感的な操作で快適なプレイに繋がっていた。感心したのが、決定がキャンセル以外の場所のクリックで行えること。戦闘や装備関連で特に重宝したが、この操作のおかげでマウスの移動距離が格段に減りゲーム進行が大いに捗った。そして、プレイの快適性に大きく寄与したのが、クエスト再挑戦の自動化。この機能のおかげで放置しておいても自然とレベルは上がるわ素材は溜まるわで、前作に比べて本当に楽をさせてもらえたし、不満度という要素を導入して完全に放置させない調整も上手いと思った次第である。また、帰還時には無条件で移動速度が上昇したり、スイーツ(笑)状態だと常時移動速度が上昇するのも地味ながら嬉しい機能。バックグラウンドでの動作も、待ち時間にTwitterを見ることができたりと存分に活用させてもらった。一方で、前作と同じ手順を踏むが故に煩雑と感じたのが、装備の合成の場面。対象となる装備をクリックした後合成コマンドの選択はホイールで選べるものの、その後合成させる装備の選択にクリック、合成の決定にクリック、合成アニメーションを飛ばすのにクリック、合成結果を消すのにクリックと、1回の合成に4回のクリックが必要となる。他の操作が簡素化されていたのと合成の頻度が極めて多いことから、この操作の煩雑さが特に目立った印象がある。
 攻略に関しては、前作とほぼ同じ手法が通用したのは良くも悪くもという感じ。有効な武器やクラス、スキルを把握していたので、前作のように序盤の試行錯誤は無くすんなりと進んでいったのは気分良かった反面、やや寂しいところも正直あった。ラスボス戦はPh武器を持ち主のキャラに装備させるという拘りを持ってしまったため、パーティー編成の自由度が減ってお気に入りキャラで主力パーティーを組めなかったのが若干心残り。
 物語はいつものコココソフトに比べると若干シリアス寄りであったが、こいしと希望の面との切ない関係がこの作品では大団円でまとまって一安心。咲夜さんも設定の都合上あまり能力(暴力)を発揮できずに随分と大人しかったかと。それでも、阿求が異変を起こすに至った原因への意外すぎる伏線や必要以上の壮大さにはどう突っ込んだものやらと困惑したし、本筋の合間にはさまれた数多くの幕間におけるノリと勢いも健在であり、今作も大いに笑わせてもらった。そして、あれだけ数多くのキャラを登場させて様々な方向に話を広げても最後にはしっかり纏める手腕は毎度のことながらやはり凄い。あと、カチコミとか言ってしまう程ガラの悪いこころには大きな衝撃を受けた。他の二次創作では未だかつてここまでガラの悪いのは見たこと無い。

 管理という作業自体は好きなので、それを緩く楽しめるこの作品は特に私の性分に合っていた。前作ほどの新鮮さはさすがに無かったものの、快適度を増した操作性やシステムで気分良く管理の醍醐味を堪能できた。

 そして、これで遂にC85の新作を全て着手。長かった〜。


氷室 万寿 |MAIL
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