雪さんすきすき日記
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2014年02月24日(月) 続・「CODE:R〜幻想郷より愛をこめて〜」のこと

 動画も無事アップできたので、最後に感想をまとめることに。

 幻想郷の巫女として異変を解決する博麗霊夢。しかし、彼女にはもう1つ幻想郷の外で活躍する敏腕エージェント”CODE:R”としての顔があった。今回の任務は、SANAと呼ばれる人物の救出。数少ない情報を元に敵の施設に潜入し、手がかりを求めていく。

 この作品は東方二次創作の3Dスニーキングアクションであり、前作「東方スプリンターセル」の続編。スニーキングアクションといえば「メタルギア」シリーズが代名詞であるが、「メタルギア」同様この作品も敵に発見されることなく潜入して任務を達成するのが目的である。また、前作では2Dアクションだったのが今作では3Dアクションと大きな変化を遂げている。
 操作はFPS操作系で、WASDで移動のマウスで視点移動。移動は歩きと走りを切り替えられ、歩いている最中は移動速度は遅いが足音がしないので隠密行動をとることができ、逆に走っているときは移動速度は上がるものの足音を聞かれると敵に気付かれてしまう。また、しゃがみやエルード(ぶらさがり)といった動作もとることができるが、ジャンプは不可能。
 敵施設の中は武装した兵士が見回っているのを始め、監視カメラに赤外線センサー、無人偵察機等と厳重な警備が敷かれている。その警備の隙を縫って潜入するわけだが、徒手空拳ではさすがに心許ないので、愛用の銃type:Rとグレネード、ウェーブゴーグルを携帯している。銃は敵を眠らせる麻酔弾、物を破壊するメタル弾、電子機器を停止させるプラズマ弾、周囲を照らす照明弾など複数の種類の弾をこれ一丁で撃つことができる優れもの。グレネードは広範囲の敵の気絶や電子機器の停止、煙幕や囮の出現、敵の位置の表示といった特殊効果を及ぼす強力な切り札。これらの武器は最初から少量所持しているが、現地調達が主なのはスニーキングアクションの定番。ウェーブゴーグルは、監視カメラの視界やセンサーを可視化できるので、それらの回避に威力を発揮する。その他、銃の発射音を消すサプレッサーに体力回復のレーション、ウェーブゴーグルの使用時間を延長するバッテリー、走っても足音がしなくなるフェザーブーツの4種類のガジェットも施設内で入手できる。なお、霊夢は外の世界の人間に危害を加えることを禁止されているので、兵士への攻撃は近接攻撃による気絶や麻酔弾により眠らせるといった一時的なものに限られる。
 1つの施設は複数のマップから構成されており、武器やガジェットを調達しながら発見されないようにマップを渡り歩き、目的のアイテムを入手して出口に到達するとクリアとなる。途中行く手を遮る扉は、対応するカードキーを入手することで開くことができる。発見された場合は一定時間警戒状態となり、兵士が攻撃をしてくるようになる。さらに、警戒状態中は蹴りが効かなくなりそのマップから出ることもできず、非常に危険な状態となる。敵の攻撃を受けたり高所から落下すると体力が減り、無くなるとゲームオーバー。

 前作は2Dスニーキングアクションとしての完成度が高かったので、続編が3Dとなることには期待半分不安半分というのが正直なところであった。しかし、前作で見せた面構成のセンスは今作でも存分に発揮されており、スニーキングアクションとして実に手応えのある内容を楽しませてもらえた。2面が小さく纏まった面構成なのに対して、4面ではその何倍もの広さを持つ面構成だったりと各施設とも変化に富んだ構成で、さらに各マップの構成も似たような内容のものが少なく、どの面も新鮮味が高かったのが好印象である。もちろん、敵や仕掛けの配置もこちらの武器や装備を活かすように良く練られており攻略のし甲斐も十分。動画撮りの攻略を進めてパターンが洗練されるにつれて、それをより強く感じることができた。
 また、とれる行動も仕掛けの種類もスニーキングアクションとしては基本的なもので、独自の行動や突飛な仕掛けも無く内容としては簡素ともいえる。しかし、基本だからこそしっかり組み合わせれば堅実に面白くなると認識させる内容でもあった。

 操作系から感じたのが、同時進行を非常に重視しているということ。前作ではメニューを開いたりマップ間の移動時には進行がそこで停止したのだが、今作はそれが無くメニューを開いている間にも刻々と時間は過ぎていく。これにより、潜入という状況下における緊張感がより高いものとなっている。また、移動と視点操作、弾丸やグレネード、メニュー(ガジェット)の選択をそれぞれ独立した操作系にしており、複数の操作がいつでも同時に行えるようにしているのも大きな特徴。操作系が3つなのに対して腕は2本しかないため、武器やガジェットの選択の度にWASDやマウスから手を離す煩わしさを感じたのは事実だが、煩わしさの解消よりも同時進行により重きを置いたのは製作者のこだわりなのであろう。それに、その意図を理解すれば武器やガジェットをいかに安全な場所で変更するかを考えるようになるなど、操作からも潜入している雰囲気が演出されるようになり、これはこれで上手い手法であると感じた次第である。

 とはいえ、操作系については言いたいことも多い。先ず、折角ホイールクリックを使用しているのにホイール自体には何の操作も充てていないことには疑問を抱かざるを得ない。ホイールに比較的頻繁に操作する弾丸選択を充てるだけでもマウスから手を離す煩わしさは相当減るのではないかと思われる。更に言うと、カーソルと決定(エンター)を除くキーの変更は充実していたのに対し、マウスの変更が一切出来なかったのが残念。ほとんど使用しなかったホイールクリックの視界変更を別の操作(例えばリロード)に充てられれば、左手の負担も抑えられたことであろう。ともあれ、使用するキーが多いので、より柔軟に変更できた方が操作性を向上させるのに有り難いのであった。
 不自然な挙動にも悩まされた。壁沿いを走っていると何も無い場所で引っかかったり、弾があさっての方向に飛んでいったり、はしごの上り下りの前に硬直したりと、いずれも隠密行動中には窮地に陥るような症状である。先の操作系については慣れで対処可能だが、こちらは発生条件も一定ではなく対処のしようが無いため、少なからず鬱憤を感じる原因となった。

 と、不満点もそれなりにありはするのだが、全体的にはやはりスニーキングアクションを存分に堪能できた内容で満足している。1ヶ月に渡る攻略期間と、その成果である動画がその証とも言えよう。物語も数々の伏線をしっかりと回収してきれいに纏まっており、とても気持ちの良い結末であった。
 ついでに、この作品でWASD操作を鍛えられたのも有り難いことである。

 しかし、この組織は戦車やら潜水艦やら所持していて、凄い規模である。霊夢に阻止されなければ、アウターヘブンやザンジバーランドの再来も夢ではなかっただろうに。


氷室 万寿 |MAIL
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