雪さんすきすき日記
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夏コミ前の休日ということで、今日と明日は準備に費やすことに。 今日は、夏コミの間お世話になるサークルさんへの手土産や差し入れを買って、整体で体の調子を整えて、サークルチェックの漏れを埋めてなど。
ゲームの方は、一昨日から「孤高のアオイロ」(ほしさらい)体験版をプレイ。
枯渇するエネルギー資源を求めて2つの国が戦争を行う世界。この世界では科学が発達し、戦いで負傷した兵士はその体を改造して「兵器」として再び戦いに赴く。主人公のアオも兵器の1人であるが、そうあることを拒んだ少女は逃亡の道を選ぶ。しかし、行く手を阻むのは国境に横たわる険しい山々。あまりにも過酷な逃亡劇が始まる。
主人公のアオを操作して、険しい地形を踏破する2Dパズルアクションゲーム。ゲームの舞台は険しい山脈などで、激しい高低差や断崖絶壁など複雑な地形をしている。しかし、アオは少女の身でありながら登山に長けており、通常の移動やジャンプの他に、垂直な壁ならば上り下りが可能。さらに、壁から壁へと飛び移ることもできる。この移動を駆使して道無き道を進んでいく。ただし、ある程度の高さから落ちるとダメージを受け、さらに高いところから落ちると死んでしまう。 そして、兵器であるアオの機能は時を止めること。機能ボタンを押すと弾が発射され、弾が当たった場所から一定範囲内の時間を止めることができる。地形の中には、時間が止まると消えたり、逆に現れたりするものがあるので、これらも足場として活用していく。その他、先の面では勢い良く乗ったり飛び移ったりすると崩れるザレ場も登場する。 パズルアクションと書いたとおり、内容はパズル性が高い。険しい山道はどこでも通れるわけではなく、普通に進むだけでもゴールに至る経路を見極めなければならない。誤った道を進めば、即滑落である。さらに、道中には前述の機能により消えたり現れたりする地形を用いて道を作る場面も登場し、パズル性が一段と高くなっている。 画面に表示される範囲はそれほど広くないのだが、踏破したところが表示されるマップと、アオの周囲をある程度まで見渡すことができるようになっている。これらの助けを得て地形を把握していけば、生き残る確率は格段に向上する。特に、下に降りる際に足場の確認は最重要事項であり、周囲を見渡す操作には非常にお世話になる。横着して確認もおざなりに突き進めば、まあ余程運が良ければ生きているであろう。 途中、敵と遭遇する場面もあるが、戦闘能力を持たないアオに出来ることはとにかく逃げるのみ。ここでも時間停止を活用して追っ手を振り切ることになるのだが、敵は優秀でアオを見つけたら最短距離を突き進んで迫ってくる。なので、相手の行動の裏をかいていかなければとても逃げ切ることはできない。
迂闊に進むと即滑落という面構成が非常に良く出来ており、常に死と隣り合わせの過酷な環境で慎重に先の様子を確認して一歩一歩着実に進む不安と緊張感はこの作品ならではの持ち味といえる。また、時には遠く離れた壁まで飛び移ったり足場までジャンプをするといった、通常の行動時とは相反する大胆な決断を求められるのが更に刺激を増してくれる。それ故、判断と操作が全て的確に組み合わさって地形を踏破したときの達成感と安堵感は何物にも代え難いものがあり、次の面も頑張ろうという気にさせてくれる。 さらに、パズル要素もこれまた秀逸。仕掛け単体としては地形が現れるのと消えるのでそれほど複雑ではないのだが、時間を止める範囲をきっちり調整しないと今いる足場まで消してしまい落下という目にも遭ってしまうため、ここもかなり緊張する場面である。なので、解けたときの喜びも格別。的確な操作や時間差を活用する場面も数多く、アクション性も高いパズル要素となっている。 あと、草木を踏む音や小鳥のさえずりなど、自然の音がBGMというのが素敵な演出。厳しいながらも自然の中にいるという臨場感を高めてくれるだけでなく、操作に集中することもできるのが嬉しいところ。音楽が流れる場面は敵と遭遇するといったイベント時に限られるため、その場面の演出効果をより高めてくれる。
難易度は相当な手応え。慎重に進んでもちょっとした操作ミスでうっかり滑落してしまう場合も多々あり、割と死んで覚えろ的な構成でもある。案外手数は限られるのでじっくり考えれば経路は見出せるが、分かるのと実際行うのはまた別問題。また、最初の2面くらいは導入部的な内容だが、3面から突如超巨大なマップが登場。その広さと序盤から手の込んだ仕掛けの数々に、クリアするのに1時間以上は掛かったであろうか。これには製作者の難易度に対する姿勢を垣間見て戦慄したものである。 さらに、敵から逃げる面は開幕した瞬間から行動しないとほとんどの場合即終了。その後も常時敵の追撃に晒されるので、マップを確認してあれこれ考える余裕はほとんど無し。アクション的にも相当な精度を要求され、試行錯誤の末に解法を見出す非常に挑戦的な難易度となっている。
と、何度も心を折られそうになるほどの難易度ではあるが、それを奮い立たせてくれるのは、やはりクリアしたときの高い達成感ともう1つ、この作品の背景となっている過酷な物語である。少女の身には重過ぎる運命に抗うために過酷な道をひたすら突き進む姿には心を打たれるものがあるし、最初は互いに疑心暗鬼であった同行者と徐々に打ち解けて、やがて心の内を語りだすといった変化も大いに興味を惹かれる。その他、様々な人物が登場して、彼ら1人1人の台詞や行動を通じて少しずつこの世界の様子が把握できるのだが、それはアオの容姿からは想像も出来ないとても厳しい現実。この隔たりが大きくなるにつれてアオへの感情移入の度合いも高まり、そして何としてもこの旅を完遂させてあげようと次の一歩を踏み出す気力が湧いてくる。
現在、8面まで到達。8面といっても、プレイ時間は優に10時間を超えている。最早体験版の規模ではなく、出来たところまで公開しているのではなかろうかと思うほど。 難易度は決して低くは無く、プレイヤーを突き放した場面も多々見受けられる(往々にして敵と遭遇する面であるが)。それでも、システムから面構成、物語まであらゆる面における完成度の高さは大きな魅力を放ち、挑戦する意欲を掻き立ててくれる。アオの旅の結末を見届ける日が来るのが待ち遠しい限りである。
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