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2011年06月11日(土) 続^3・「迷宮城ハイドラ」のこと

 というわけで、昨日撮った「迷宮城ハイドラ」のクリア動画をアップ(前編後編)。内容は初回プレイ時のクリア経路を詰めたような感じで、タイムアタックなどは意識していない。ある意味攻略向けの内容となっている。あと、昨日も書いたとおり楽曲の音源をSC-88Proで収録してある。ハード音源ならではの音の厚みを感じてもらえればと。
 なお、ようはくさんのところでは、あらゆる手段を駆使してクリアタイム30分を切るという驚異の動画が公開されている。さすがにクリアしてから見た方が良い内容であるが、その徹底ぶりに驚愕すること必至である。

 さて、「迷宮城ハイドラ」も一段落したのでまとめてみることに。
 この作品は迷宮探索アクションゲーム。主人公を操作してハイドラに奪われた王冠を取り戻すのが目的である。舞台であるハイドラ城はタイトルどおり迷宮になっており(この作品ではフィールドと称される)、そこに点在する8つのダンジョンを巡って待ち受けるボス達を倒していく。勿論、最後に待ち構えるのはハイドラである。

 始めた当初は他の作品と平行してプレイしていたのだが、そのうちこの作品のみに没頭することになった。それほどまでにプレイしていて楽しかったのだが、果たしてその魅力は何であろうか。

 まずは、何といっても主人公の動き。移動は機敏でジャンプも幅3キャラ分を跳躍できるだけの能力があり、かなり大胆なアクションをとることができる。そして、操作性も非常に高く、プレイしていて非常に快適。やはり、自キャラの操作が楽しいのはアクションゲームとして非常に重要なことである。
 話が若干前後するが、マップ構成はタイムアタックも意識しているので、要点を掴めば止まることなく円滑に抜けられるような場面が非常に多い。このような要素を楽しめるのも、やはり大胆な動きと操作性の良さがあってこそといえる。

 そして、その動きを堪能できるマップ構成がまた見事。マップ自体の広さは、初回プレイでも2〜3時間程度でクリアできるほどで、慣れれば1時間を切ることも難しくはない。このように、この系統の作品としては比較的小規模に纏まっているが、その密度は負けずとも劣らず。主人公の機敏な動きにより場面は次々と変化し、ほぼ全ての場面に何かしらのアクションを楽しめる要素が存在する。これにより、移動にしても中だるみという感覚がほとんど感じられず、常に操作そのものを楽しむことができる構成となっている。これは製作者のセンスの良さに依るところが非常に大きいかと思われる。
 また、この類の作品では操作の仕様を極限まで要求されることも多いが、この作品はそのような場面は極めて少ない。この辺りにも製作者の方向性を窺うことができるのではなかろうか。

 また、迷宮探索アクションではダンジョンで入手したアイテムによりフィールドの行動範囲が広がるのが通常だが、この作品では最初からフィールド上にあるアイテムだけで全て回ることができる上、アイテムも全て回収できる。これにより、攻略の自由度が非常に高くなっている点も魅力的である。ダンジョンを巡る順番は固定されているものの、どのような装備で挑むのかはプレイヤーの裁量に委ねられており、ダンジョンを巡りながらアイテムを集めるも良し、最初にアイテムをかき集めて強化した状態でダンジョンを攻略するも良しである。そして、前述のとおりマップの広さが小規模でプレイ時間が短く操作も快適なため、繰り返しのプレイも苦にならない。この2つの要素が組み合わさることで、何度もプレイしたくなる内容となっている。実際、動画を撮り終わるまでに何周したか覚えていないほどプレイした。

 さて、このように挙げてみた魅力を感じる要素を眺めてみると、1つの要素に他の要素が絡んでいることが分かるかと。個々の要素も素晴らしいが、それらの相互作用が更に完成度を高めているのである。

 演出面に目を向けると、主人公、雑魚、ボス全てにおいてコミカルで個性的なキャラクター達が非常に良い動きをしているのが印象的である。インスマスやバンパイアなど名の知れた怪物も、この作品上では実に可愛らしい姿に(笑)。アイコンのハイドラもかなり可愛い姿をしているし。個人的には、ギラスのぬまの魚人(インスマス?)、ロリドゥラのどうくつのワープするねこみみフード、ガルムのがんくつの赤い突進してくる敵(きょろきょろする動きが秀逸!)、そしてボスのガルムがお気に入りである。
 あとは、楽曲についても述べないわけにはいかないであろう。主人公の活躍を讃える勇壮なフィールドの曲を始め、雰囲気を盛り上げる名曲揃いで各所の評判も非常に高い。今回いろいろと苦労してまでSC-88Proで動画を撮ったのも、これらの曲の魅力を大事にしたいと思ったからである。
 そうそう、物語が「蛇神ハイドラに奪われた王冠を取り戻せ!」と1文だけであるのも素晴らしい。このおかげで、余計なことを考えずにゲームに没頭できた。

 各要素とも正直なところ別段目新しい点は無い。システムも非常に簡素である。いわば”枯れた”要素によりこの面白さを構築できたのは、ひとえに製作者の卓越したセンスと徹底した調整によるものである。何とも痛快なことではないか!正に快作と呼ぶに相応しい作品である。
 難易度は比較的低く、迷宮探索アクションの入門編として適しているのではないかと思われる。それでいて、バグ技まで駆使すると30分を切れるタイムアタックも熱く、上級者も満足できるのではないだろうか。純粋に作品としての完成度も高いので、是非とも多くの方にプレイして欲しい作品である。


氷室 万寿 |MAIL
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