人妻の裏心 『皮肉な幸せ 28』 忘れかけた罪 - 2005年07月27日(水) 待ちにまった赤ちゃんは、自分のおなかをいためて 産んだだけあって、可愛くてしかたなかった。 小さな手、小さなあくび、何もかもが愛おしい。 どれだけ見ていても飽きやしない。 もう、誰の子であったとしても関係ない! アタシの子には間違いないのだし。 そう、コウタはアタシの子! 夫も、当然といえば当然なのだが、コウタをとても 大事にしてくれた。 湯船につかれるまでに成長すると、夫は仕事から 帰ってくると毎日嬉しそうに、コウタをお風呂にいれてくれた。 過去に自分がしでかした罪も忘れるぐらい、幸せな毎日だった。 当然、もう子供の血液型を検査しなおそうという考えも 頭からは消えていた。 そして、コウタと夫とアタシと3人仲良く暮らしはじめて 1年ほどたったある日のこと、アタシの携帯が鳴った。 うっすらと見覚えのある電話番号が表示されている。 もしや・・・。 出てみると、やっぱり彼だった! 今更なに? 「もしもし?」 「ひさしぶりだね?元気してた?」 「ええ、まあ・・・。 それにしても、また唐突ね?なにか用?」 冷たく答えるアタシ。 まったく男ってやつは・・・。 (アタシの事が忘れられないんだったら、こんな1年もほっとかないで さっさと連絡してこい!っつーの。 アタシは都合のいい女じゃないんだからね!) と、言ってやりたいくらいだったが、やんわり断ることにした。 だが、その電話によって驚くべき事実を私は知ることとなった。 -
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