パラダイムチェンジ

2005年11月11日(金) レオナルドダビンチ展

金曜日、13日まで六本木ヒルズの森アートギャラリーで公開されていた
レオナルドダビンチ展に行ってきた。

この展覧会?は、レスター手稿と言う、一般人ではただ一人、ビルゲイ
ツが所有しているレオナルドダビンチ直筆のノートを、年に1回1ヶ国で
公開されているものであるらしい。

レオナルドダビンチについては、まだ読んではいないけれど近々映画も
公開されるらしい「ダビンチコード」の絡みもあり、直筆の字が読める
なら、行ってみっか、というミーハー気分で行ったのである。

で、肝心の直筆の書簡に関しては、どうやら照射時間が決まっている
らしく、薄暗い中での公開でよくは読めなかったんだけど、A3位の
大きさの紙にビッチリと細かい字で書いてあって、ダビンチが生きた
500年前は紙が貴重品だったんだなあ、と思っていたんだけど、それよ
りビックリしたのは、彼の文字が全て鏡文字というか、左右逆に記され
ていた事だった。

いや、彼の書いた書簡には、鏡文字で書かれた「秘密の」文書がどうやら
あるらしい、というのは知っていたけれど、彼の書いた文書の大半が
鏡文字であるというのは知らなかった事であり。

どうやって書いたのか、とかそもそも彼はあんなに小さな鏡文字を果た
して読めるのか、と思ってみたり。
だってさ、500年前のヨーロッパだったら、照明だって現代ほど明るく
はないわけで。

よくもまあ、あんなに小さく文字を逆さまに書いていたよなあ、と
ビックリしたのである。

そしてもう一つビックリというか、感心させられたのはその内容で。
今となっては、その後科学的に実証されたことも、逆に違うと否定され
たこともその文書の中には載っているんだけど、500年前にその当時、
誰もそうは思わなかったことに対して、実証はできなくても論理的に
推論を重ねているのがすごいなあ、と思ったのである。

何となくね、レオナルドダビンチっていうと、天才の一言で片付けて
しまいがちなんだけど、その天才たる理由が彼の直筆のノートから
伝わってくるというか。

どう考えたってその当時、彼の話が完璧にわかった人っていないんだろ
うし、そう考えるとその独創的な考えを持ちながらも、当時の人々に
さえ、天才と認めさせた彼の実績というのもすごかったんだろうな、
と思うし。

なんて事を考えながら、会場の100インチ位のプロジェクターによって
映し出される、おそらくはハイビジョンで撮影された絵画作品の数々を
眺めていると、今までとは彼の絵画に対する見方もちょっと変わって
きたりして。

すばらしい技術に裏打ちされているだけでなく、それが一つの作品とし
て心を打つような、鮮やかな色彩で彩られているのが、今まで以上に
美しく見えるというか。

などと、500年前の一人の人間の偉業なんてものをほとほと感心させら
れた展覧会?でございました。


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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