| 2005年11月08日(火) |
仮面ライダー The First |
今回は映画ネタ。見てきたのは「仮面ライダー The First」 うちの近所では、渋谷Toeiのレイトショーとモーニングショーでしか 見られないこの映画、案の定というか一緒に観た観客の20代〜30代男性 率が無茶苦茶高い。いわば、オタク映画である。 いやあ、久々に見たよ。これだけのオタク。 といいつつ、この映画を見ているあたり、自分もれっきとしたオタク なのかもしれないが。
こういう言い方はあまり好きではないのだが、私は「仮面ライダー世代」 である。 やっぱり、小さい頃の変身ヒーローとして、一番印象に残っているの って、「仮面ライダー」だし。 仮面ライダーの本放送時、まだ2歳だか3歳なので、同い年の連中と 懐かしいTV番組話をすると、皆仮面ライダーよりは、「V3」の方が印象に 残っている人が多いんだけど、個人的に一番好きだったというか、印象 に残っているのは、仮面ライダー2号なのだ。
多分ね、再放送(昔はこういう子供番組の再放送が頻繁に行なわれてい たような気がする)で見たと思うんだけど、仮面ライダー2号の登場シー ンとか、ちゃんと覚えていたし。
この映画は新しいタイプの仮面ライダーの映画ではなく、その頃の 「仮面ライダー1号2号」のリメイク作品なのである。 だから本郷猛役も、藤岡弘、ではなくイケメンの黄川田将也が演じて いるし。 また、ライダー2号が最初は1号ライダーの刺客として登場するという あたりも、石ノ森正太郎の原作漫画の設定通りになっている、らしい。
というあたりまでの話を聞いて、個人的には結構楽しみに、でも予算的 なことも考えてドキドキしながら見に行った訳ですね。 で、肝心の感想はというと・・・ うーん、なんかもったいないなあって感じかも。
オープニングでは、TVシリーズのオープニングミュージックがかかって 気分が盛り上がるし、また仮面ライダーの初登場シーンは、改造人間の ものすごい能力をちゃんと画にしていて、説得力あるし。
その後の改造人間となってしまった本郷猛の、有り余る自分の力と うまく付き合えないあたりとか、そのための孤独な感じとか、お約束の ベタな展開とはいえ、やっぱり昭和の仮面ライダーっぽいし。
ライダーアクションにしても、ワイヤーアクションを上手く取り入れる ことで、バッタ人間ぽさというか、迫力のある格闘シーンになっている とは思うし、ダブルライダーキックとか、あれはおそらくはライダー きりもみシュート?とか、往年のライダーを思わせる必殺技も出てくる し、変身シーンのライダーアクションも見せてくれるし、何より仮面ラ イダーは格好いいし。
んじゃ、何がそんなにもったいないのか、というと、全体の物語の運び というか、構成がもったいないなあ、って気がするのである。 すなわち、オタク心、かつてのライダー少年心をくすぐってくれる、 フェティッシュな部分でのサービスはあっても、1本の映画作品として は、ちょっと厳しい気がする。
多分ね、今回の新作を作るにあたり、できればマニアや子供だけでは なく、一般の大人の鑑賞にも耐える作品を、というのが今回の映画の コンセプトだったと思うんだよね。
でも、残念ながらその思いが空回りしている感じというか。 だって、見事に映画館には成人男性しかいないし。 自分もこの映画は面白かったよー、と普通の?友達に薦められるか、 というと微妙だし。 かといってオタク心を刺激してくれるほどのカルト作品にはなって いないし。
おそらくは編集か、製作の段階で予算が足りなくなったのか、当初の 予定から若干の時間の短縮か、構成の変更があったんじゃないのかな。 でないとすれば、あまりに脚本がお粗末な感じというか、邦画のチープ さが出てしまったというか。 何かもったいないなあ、って感じなのだ。
だから何となく、心に引っかからないというか、多分流して見て消費 されてしまう、って感じなのかも。 例えば、ティム・バートン版のバットマンは、個人的にあまり好きな 作品ではないけれど、監督の思い入れというか、マッドサイエンティ フィックな愛情みたいなものがあるので、一つの映画作品として、 印象に残りやすいと思う。
で、この仮面ライダーには、そういう博士の歪んだ愛情みたいなものが フェティッシュな方向にしか行ってないのが何となく、惜しいのだ。 だから映画館で高い金を払うのではなく、レンタルDVDで借りてみたな らば、おっ、懐かしいというか意外と面白く見えるのかもしれないけれ ど、仮面ライダーというソフトの力としては、もったいないというか。 仮面ライダーとか、キカイダーは、うまくいけばバットマンに匹敵する 魅力のあるキャラクターのような気がするし。
なんて、まとまりもないまま、個人的な思い入れをたっぷりと書いて しまっているあたりが、ちょっとオタクっぽくて個人的にはなんだか なあ、って感じなんだけど。
まあついでに書いてしまえば、もしも次回作があるのだとすれば、 次回はV3とは言わず、できれば本郷猛のライバルでショッカー怪人に 自ら志願しちゃった人とか、立花藤兵衛との地獄の特訓とか、ダブル ライダーVS13人ライダーとかやってくれたら、多分また劇場に足を 運んでしまうかも。東映さん、よろしくお願いいたします。
あと、久々にオタクの人たちを大勢見て気がついたんだけど、オタク の人って、もみ上げを綺麗に剃っている人の割合が、結構高くない っすかね?
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