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2004年08月16日(月) 終戦記念日

8/15は終戦記念日である。
1945年に日本政府がポツダム宣言を受諾し、昭和天皇の玉音放送に
よって、日本の敗戦を全国民が知った日。

余談ながらうちの親は戦前生まれなので、この玉音放送を聞いて
いるんだけど、誰が何を言っているのかは、よくわからなかった
そうである。

毎年、この時期に戦没者追悼式が行なわれ、閣僚や政治家が靖国神社
に参拝することがニュースになる。

でも、ここで素朴な疑問。

なんで「終戦記念日」に閣僚やら政治家たちは靖国神社を参拝する
のか、という問題である。

戦没者の追悼式をこの日に行なうのは、なんとなくわかる。
日本の敗戦が決まった日を区切りにして、戦争に巻き込まれた人たち
を、国をあげてまとめて慰霊しようというのだろう。
時期的にも、おりしも旧盆の季節だし。

でもその一方で、(否応なく)戦争に参加した兵士たちの霊を、敗戦が
決まった日に参拝するのは、どういう意味があるんだろうか。
同じく旧盆だといっても、靖国神社は「神社」で「盂蘭盆会」は、
仏教の行事だと思うんだけど。

なんていう余計なツッコミはおいとくとしても。

この時期に「軍神」をまつる神社に参拝をする政治家たちは、その
行動にどういう意味を込めたいと思っているんだろうか。
というより、この日じゃなきゃいけない理由ってなんなのかな。

わかりやすい理由の一つは、自分たちにとっての有力な票田である
「遺族会」の要請があるからなんだろうけど、それではなぜ、遺族会
の人たちは、この日に参拝してもらうことを望むのか。

そして彼らは、「お国のために」という名目で戦争で命を散らして
しまった人たちに、何を祈っているのかな。

この日が敗戦の日であるからこそ、もう二度とあなたたちのような
戦争の犠牲者は出しませんと心に誓っているのか、もしくはこの日
は敗戦の日であるからこそ、臥薪嘗胆、次に戦争をする時は、同じ
失敗は繰り返しません、と思っているのか。

個人的には後者であるとは、思いたくはないのだが。

でも、このニュースの不思議さって、政治家がこの日に参拝する、
という事だけがニュースになっていて、その参拝の意味については、
受けとる側で勝手に意味づけされていることだと思うのである。

だから中国なんかは、政治家がわざわざこの日にA級戦犯を奉って
いる神社を参拝することが、即日本が戦争に対して反省せず、
軍国主義を復活させようとしていると、騒ぎ立てるんだろうし。

ま、これも江沢民の反日教育の成果なのかもしれないけれど。

でも本当なら、当の政治家が、戦争の不幸を繰り返さないために、
同じような犠牲者を出さないようにすることが私のつとめであり、
そのために参拝しているのです、とでもアナウンスすれば、もう
少し事態は穏やかになると思うのに。

それともやっぱり、はっきりと口に出せないひそかな野望をもった
人たちが、この時期に靖国神社を参拝しているんだろうか。

参考リンク
東京新聞8/16付特報欄 靖国 8・15ルポ


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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