2003年08月04日(月) |
「ブルークラッシュ」 |
8月に入り、梅雨が明けたとたん、東京に猛暑がやってきた。
そんな暑い日は、水ものの映画でも見て気持ちだけでも海に行きたいなー と思って見に行ったのが映画「ブルークラッシュ」。
6月くらいからロードショーをしていて、予告編を見るたび見に行きたい なー、と思いつつも見てなかったんだけど、近くの映画館での公開がもう すぐ終わってしまうので、見に行ってみた。
今回見に行ったのは、新宿スカラ座の6F。
で、せっかく見に行ったはいいんだけど、この映画館、とっても スクリーンがちっちゃいんである。 なんつうのかな、飛行機の機内上映で見ている気分かも。
さて、この映画、一言で言うなら「カッコイイ!」の一言に尽きる。
この映画、サーフィンをする女の子が主役の映画である。 ハワイのオアフ島に住み、女友達や妹と一緒に住み、ホテルのメイドを しながら、プロのサーファーを目指す等身大の女の子の青春ムービー、 とでも言えばいいだろうか。 または、ロコ版「8Mile」って感じかな?
ハワイのオアフ島には、ノースショアというサーフィンのメッカがあり、 そこはメッカであると同時に、パイプラインという、ものすごく大きな波 が来る事で有名な場所がある。
そこで行なわれる、女性だけの大会、パイプラインマスターズで優勝する ことを目指す主人公、アン・マリー。 彼女は天才的なテクニックの持ち主なんだけど、以前、同じポイントで 波に巻き込まれてケガをして以来、なかなかうまく波に乗れずにいる。
でね、この波のマジで半端じゃない迫力が、画面を通して伝わってくる んである。 数多くの水中カメラや、サーフボードに取り付けられたカメラで一気に 波を駆け下りる映像が、とにかくすごいのだ。
また、沖に向けてパドリングをしながら、波が来る時だけ、イルカのように波の下に潜るんだけど、その時鼻に水が入ってツーンとしてくる気が する位、臨場感があったり。
そんな感じだから、波に巻き込まれてしまった時の迫力も、とにかく凄い の一言に尽きる。 自分は一回もサーフィンをした事はないんだけど、その迫力は思わず身が すくむほど。
この映画、そんな感じで、サーフィンの凄さと怖さが伝わってくる映画 なのである。
その迫力を生んでいるのは、この映画の水中撮影監督のドン・キングの 手腕によるところが大きいと思う。 一体どうやればこんな絵がとれるんだろう?という映像の連続なのだ。
もしも今年の俺的映画賞があったとしたら、撮影監督賞は文句なく彼に あげたいと思う。
でね、同様にこの映画の主人公、アン・マリー役のケイト・ボスワース にも惜しみない賛辞をあげたい。
彼女は今回の映画がサーフィン初体験で、クランクイン前に1ヶ月近くの サーフィンの特訓やワークアウトを経て、この役に臨んだらしい。 でも、そんな付け焼刃な印象を全く感じさせないほど、この役にピッタリ あったサーフィンシーンを見せてくれている。
さすがにパイプラインでの撮影はスタントだったみたいだけど、スタントと 実際のアクトとの差がわからないくらい、フィジカル的にも名演技を見せてくれているのだ。
とりあえず、女の子のビキニ姿を見に鼻の下を伸ばしながら行ったかも しれない男の観客にさえ、思わず手に汗を握らせるような、文字通り 体当たりの演技には迫力があると思う。
また、サーフィン以外のシーンでは、ちゃんと等身大の女の子というか、 女の子らしい可愛い一面ものぞかせているというか。 ちょっと背伸びをしてみた、みたいな所も含めていい演技をしていると 思う。
で、映画にはさまれる音楽も、そんな"今時の女の子映画"を盛り上げる のに一役買っているし、またそんな音楽のバックグラウンドに流れる 映像では、パイプラインの迫力とは別に、心からサーフィンを楽しんで いる人たちの姿が流れていたり。
ああ、この映画を作った人は本当にサーフィンが好きなんだなあ、 というのが伝わってくるいい映画だと思う。
今度ハワイに行く事があったら、ちょっとだけサーフィン体験してみたい なあ、って気になったし。 これからハワイに行く人は、この映画が機内上映でながれたら、さぞかし 盛り上がるだろうなあ、と思う。
唯一つ、惜しむべきはもう少し大画面の映画館で見たかったって事かも。 どこか大画面でやっている映画館があったら、もう一回位見に行っても いいかもしれない。
|