2003年01月31日(金) |
ボーンアイデンティティー |
あなたがもし、海で遭難して、たまたま通りかかった漁船によって 助けられたとして、その時、名前も何も一切の記憶を失っていた としたら。
なぜか皮膚に埋め込まれていたマイクロチップには、スイスの銀行の 貸し金庫の口座番号が記載してあって、それを頼りにいざ貸し金庫を 開けてみると、そこにはなぜか、自分の写真は貼ってあるんだけど、 それぞれ名前と国籍の違うパスポートが入っていたとしたら。
そしてなぜだか分からないけど、いきなり人に襲われたとしたら。
と、言うわけで「ボーン・アイデンティティ」を見てきました。 てっきり"BORN IDENTITY"、すなわち生存証明だと思ったら "BORNE"すなわちボーンさんの身分証明だったという。 もちろん、掛けているんだろうけど。
この作品はいわゆるスパイ物、というかエージェント物の一つです。 昨年は「9デイズ」や「トリプルX」など、こうしたアメリカの エージェントが活躍するアクション映画は多かったので、これもその 一種だと思ったら、さにあらず。
ストーリーというか、プロットがとてもよく出来た映画でした。 今回の主人公の敵は、世界転覆を狙う悪のテロリストではなく、 自分が所属していた組織、CIA。
CIAは主人公の作戦の失敗を、主人公の命を消すことで隠蔽しようと 腕っこきのエージェントたちに主人公の命を狙わせます。 まるで007の命を、ほかの00ナンバーの殺し屋が狙いに 来るようなもの。もしくは、白土三平のカムイ伝(だっけ?) のように抜け忍をほかの忍者たちが狙いに来るようなもの。 しかも主人公は記憶喪失。
スコットランドヤード 、というボードゲームがあります。 犯人1人と5人の刑事が、ロンドンを模した盤面の上で追っかけっこ を行うゲーム。
犯人は1時間に一回、鉄道、バス、タクシーを使って、盤面の上の マス目を移動するんだけど、5人の刑事は、犯人が今、どこにいる のかはわからない。
手がかりはただ、犯人がどの交通機関を使って移動したのか、という 事と、5時間ごとに現れる、犯人の居場所のみ。 24時間、犯人が逃げれれば犯人の勝ち。逆にそれまでに犯人の 居場所を当てれば刑事の勝ち。
この映画を見ていて、まるで自分がこのゲームの犯人役をやっている ような緊迫感を感じました。 しかも主人公の移動手段は、偶然知り合った女性の乗っていた中古の オースティンミニ。
舞台はパリを始めとしたヨーロッパ。 果たして主人公は、追っ手から逃げ切れるのか、そして記憶を 取り戻すのか。
とにかく主人公のマットデイモンがかっこいい。 「プライベートライアン」とか、今までは守られる役が多かった彼が 今回は大活躍。
多分レンタルビデオで並んだら、新作でももう一回見てしまうかも。 スカッとしたい人におススメです。
|