| 2008年07月30日(水) |
080730_WTO交渉決裂と日本農業 |
久しぶりに涼しい風が東京を覆いました。夜の今頃も窓を開けていると涼しい風が入ってきます。 久しぶりに暑くて目が覚めることのない夜を過ごせるでしょうか。
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WTOの新多角的貿易交渉閣僚会合(ドーハ・ラウンド)の話し合いが決裂してしまいました。
日本にとっては当初予想したよりも厳しい数字を突きつけられたにも関わらず、それを飲むという決断を下した矢先の交渉決裂。
どうやらアメリカと中国、インドの参加国がお互いに譲り合わなかったことから最終の合意が得られなかった、と報道されています。やはり国と国との間のことはきれい事では済まされません。
日本の農業関係者からは「厳しい数字を飲まされなくて良かった」とか「当然だ」という声も聞かれるようですが、政府の公式見解は町村官房長官も福田総理も「交渉決裂は残念だ」という立場を取っています。
今年の「骨太の方針2008」でも、地方再生を謳いつつも農業に関しては『21世紀新農政2008』の推進による食料供給コストの縮減や、『平成の農地改革』と称して農地の所有と利用の分離など、農業にも厳しい改革を迫っています。
日本は全体としてはもうグローバル経済のなかで生きて行くしかない、という大きな決断をしているわけで、そういう文脈の中での農政改革と農業の改革のはず。「輸出産業のために農業を犠牲にするのか」、という声は大きくなりますが、そのことを目的にしていると考えるべきでもありません。
WTOの決裂は、そうした農業の改革を行うという決断を鈍らせてしまうことに繋がるかも知れません。
エネルギーコストの上昇も大変ですが、より効率的で低コストな農業を 目指さないと日本の農業は生き残れないかも知れないし、しかしそうは言っても生き残ってもらわなくてはならないのです。
その上で農業を生産者だけの問題とせずに、消費者の立場としてコスト高に繋がるワガママの何をどの程度我慢できるのか考えたいもの。
キュウリくらい曲がってたっていいんじゃないかなあ。
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