掛川奮闘記

2007年10月25日(木) 071025_コンパクトシティになるために

 コンパクトシティの続き。

 コンパクトシティという言い方は、いろいろな意味を含んでいるので、「コンパクトシティ?いいですねえ、これからはそうでなくては」と言う一人一人の頭の中には様々な都市像が描かれているに違いありません。

 しかしそこからなんとなく浮かんでくるイメージは、郊外に広がった一戸建て住宅地から、都心近くの集合住宅に移り住んで来るというものです。

 それは一つには郊外に住むお年寄りは高齢化が進むことで車の運転もできなくなり、今のように車がないと逆に生活しづらい層の人たちが、暮らしやすい場所に移動してくるだろう、という予想です。

 特に北海道などでは、冬期の除雪もあって、お年寄りの一戸建て住まいは雪かきなどが大変なのに、次第に都市サービス力が衰えてくると、集合住宅に住むほうが便利に感じるのではないかということです。

 とくに介護の助けを借りて生活するようになると、介護機能を備えた集合住宅に魅力を感じることになるのではないか、ということです。

 高齢化と人口減少が同時に進行すると、郊外のお年寄りは市内中心部に住むようになり、郊外住宅が空いてくると予想される → 郊外の一戸建ての資産価値が下がる → それでも若い世代は一戸建て指向がまだ強いので、郊外に住みやすくなる → 郊外は案外減らないかも → 魅力のない地域の集合住宅地から郊外への人口移動か…。

 何が人口の移動を後押ししたり引っ張ったりするのでしょうか。

 地域の不便さや家賃の高さ、交通利便性、買い物不便性などの不満はそこから離れる力となりうるでしょうし、逆に地域に魅力のあるところは人口が増えてくるでしょう。

 そういうときの地域の魅力とは、単純な中心からの距離ではなく、環境だったり、良い学校があったり、交通が便利だったりなど、かなり多様なことでしょう。

 お年寄りにとって不便な郊外住宅も、『住宅すごろく』の上ではまだまだ『上がり』と感じる人が多いに違いありません。子育て世代にとっては、近くによい学校があるかどうか、ということが居住地を選択する重要な要素だったりするでしょう。

 お年寄りだって、単なる不便さはあっても、その地域で長く暮らしたご近所づきあいがあればいまさら見ず知らずの土地に行くことが最良の選択とも思えません。

 つまり、マクロで見たときに人口減少と高齢化が進んでも、居住人口の変化は緩やかなものになると考えられます。逆に、犯罪が多かったりするような地域の魅力に欠けるような地域は一気に減少が進むかも知れません。

 コンパクトシティを実現させようというのは簡単なことではありません。

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 私は、規制的な都市計画的手法では人口減少に対処するのが難しく、人口移動を促進するのはまちづくりの手法による魅力作りなのだと思います。

 つまりまちづくりがうまくいけば不便でも人口を減らさずに住み、逆に便利なところでも人口が減るということがある、と言うことです。

 人口が減ることや居住ニーズが減るということが恐ろしいのは、その地域や土地の資産価値が下がるということです。マクロでみた都市の資産価値が下がるということは税収も減少し、住んでいる一人一人の資産も減少するのです。

 都市の資産価値を下げさせないためにも魅力あるまちづくりが必要になるでしょう。収支の均衡だけを求めるような行政経営から、市民を巻き込んで総力を挙げて魅力あるまちを作り上げなくてはなりません。

 そうして魅力によって人口移動を促して、いくつかの核ごとに集積を導くような政策も必要です。

 コンパクトシティとはそういうことなのではないでしょうか。 


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こままさ