掛川奮闘記

2005年12月06日(火) 051206_航空業界の内側

雪が降らないですねえ。

さて今日は
■航空業界という世界 の一本です。

【航空業界という世界】
先日観光に関係して、「アロット座席が減ったために観光客が減ったらしい」という話を書いたのだが、航空法の改正とそのことがどういう関係なのか詳しく知りたいと思い、知人の防旅行会社をお訪ねした。

出迎えてくれたのは何度か会議でお会いしたことはあるものの、まだじっくりと意見を交わしたことがなかったA課長さん。まじめな話で親交が深まる、こういう機会はよいものだ。

 早速だが最近の航空業界の状況と観光の関係についてお尋ねをした。
「なるほど、航空法は何度も改正していますが、運賃に関して変わったのは平成12年の改正でしょうか。実は平成8年の改正では、標準原価を最高額として運賃を認可して、航空各社が25%の範囲内で自主的な運賃設定を可能とする幅運賃制度が導入されました。しかしそれをどこでどうばらまくか、という点で、消費者にとって不透明な運賃体質があったのです」
「手に入れられる人は得をするけれど、そうでない人は不満に思いますよね」

「平成12年の改正では航空運賃を認可制から事前届け出制にし、利用者に不当に差別的に扱う運賃に対して変更命令を出せるようにしました。そういう流れの中でオープンな料金体系が一般化しました。そうして、ノーマル運賃、早割・超割などの割引運賃、団体向け料金、フリーパッケージなどの運賃種別が生まれて、わかりやすくなったのです」
「私たちにはまだよく分かりませんが、透明性が増したという事ですね」

「そうです。また航空会社はそれまでの目標を『搭乗者数』から『1機あたりの収入』に変えました。それまでは大きな機体を飛ばす事を前提としていたために、『空気を運ぶよりは少しでも料金をいただこう』という気持ちが働いて、その座席を旅行代理店に割り当てていたのです。それがいわゆるアロット座席と呼ばれるものです」
「それが少なくなったのですか」

「航空各社はコンピューターシステムを導入して、何月何日のどの便には大体どれくらいのお客さんが乗る、ということを予想出来るようになり、そのためあらかじめ搭乗者数が少ないと思われる便であればもう機体を小さくして飛ばすようになりました。丁度時期的には、ジャンボジェット機がそろそろ退役の時期を迎えていて、その後継には中型機を充てる方針の航空会社も多いのです。」
「なあるほど」

「さらに、公益路線から収益路線への再編という動きが重なりました。それまでは幹線で儲ければ、地方空港への便は少し赤字が出ても仕方がない、と思っていたのです。それが、幹線だけに安く就航するような航空会社が出てきたために、そこの値段が下がることで収益性が下がり、地方空港の赤字をカバーする力が少なくなりました。航空会社にとって地方空港は、儲かるときの季節運行にしたいくらいなのです。それに元々観光客の運賃は割引が前提みたいなもので、それに比べるとビジネス客はぎりぎりに変更も可能な正規運賃で乗ってくれるので相手にするならビジネス客なんですね」
「航空運賃が下がるのは良い事だと思っていましたが…」

「確かにそういう競争を促進した側面はあるでしょうね。しかし、個別路線で収益を完結させようと思うと、搭乗者の少ない路線は運賃が上がるのでしょうね。航空会社としては、空気を運んで着陸料金を取られるくらいなら、機材を小型にして着陸運賃を安く済ませる方を選んでいますよ。『機材を小さくしないで欲しい』という陳情があったと聞きましたが、ニワトリと卵のようで、搭乗客が伸びれば機材は大きくなりますよ」

 ここでもやはり物流の理屈が前面に出てきて、そこの範囲では最適な答えなのだろうが、地域の観光や経済に与える影響を考えると、もう少し政策的な動きがあっても良いように思うのは私だけだろうか。

 もっといろいろな話を聞いたのだが、どれも非常に興味深かった。やはり世の中の動きは広く知っておかなければならないなあ。


こういう形で意見を交わすことができ、改めてお互いが近くなれた気がする。こういう手順を踏んでゆけば、人とのつながりはどんどん広がってゆくにちがいない。興味は人を引きつけるのだ。


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こままさ