掛川奮闘記

2005年11月10日(木) 051110_マレーシアからの賓客

 マレーシアの方とお話をする機会がありました。北海道は憧れの地なのだそうです。

 その思いに応えるおもてなしの島作りはできるでしょうか。


今日は
■北海道は憧れの地 の1本です。

【北海道は憧れの地】
 知人から声がかかり、マレーシアからちょっとした実力者が来るので一緒に歓談しませんか、とのこと。

 それは面白そうだ、と言う事で参加させてもらう事にした。会場は職場の近くのちょっとこぎれいな和食のお店である。

 マレーシアからの方はDさんという方で、若くして文壇にデビューし、その後各方面で注目をされている実力者なのだとか。今回は奥様とお嬢さんも御一緒に来道されて、札幌市内を視察されるのだとか。

 おもてなしをする当方も、かの知人が独断で集めたメンバー8名なので、お出迎えの場で日本人同士で名刺交換をする始末。マレーシアからのお客さんをダシにして日本人ネットワークも作ってしまうのだ。
 もうなんでもいいや、どうせ皆初めて同士なんだし、という雰囲気。

    *   *   *   *

 さて、到着されたDさんは私よりもまだ若い年齢の、マレーシアのインテリ。日本には何度も来たが、北海道は三回目。奥様は日本が二回目で北海道は初めてなのだそうだ。

 一応通訳としてTさんというマレーシア人の方も同行されてきたが、彼ら同士はマレー語でお話をしているようだ。

 最初は私も四角いテーブルの席の端っこのほうに座って、遠くから話を聞いていたのだが、そのうち真ん中の席が空いたのを見て席換え。なにしろマレーシアのインテリの方と直接お話をするという、こんなチャンスはめったに無いのだから、時間がもったいないのだ。

「マレーシアの方が自国を自慢する点はどういうところですか?」と訊いてみると、「そうですね、多国語を話す多民族が共生する平和国家ということでしょうか」とおっしゃる。最初のうちは通訳のTさんを介して挨拶などをしていたが、もう酔っ払った事だし、聞いていると、通訳のTさんとお客様のDさんはときどき英語でもお話をしているようだ。
 酔えば自信たっぷりに英語で会話のできる私としては、もうブロークンだろうが英語で直接お話をするに限る。

「多民族の共生とはどういうことですか」
「マレーシアは中国人、マレー人、インド人など多くの民族からなっていて、多くの言語が話されています。家庭や家の近くではコミュニケーションをとるのに2ヶ国語を使い分け、学校では英語を学び、必要に応じてそれ以外の言葉も学びます」

「大体何ヶ国語を話されるんですか?」
「私は中国語の方言のようなものを含めて八ヶ国語を話しますが、普通の人でも五ヶ国語は話すでしょう」と言う。

 通訳のTさんに言わせると、「多言語を話すマレーシア人は、優秀な人を一人捕まえれば、マレーシア国内はもちろん中国やインド、台湾、シンガポール、タイなどまで営業に使う事ができます。ぜひ交流を深めたいのです」ということになる。

 これまで日本は、お隣のシンガポールに東南アジアの拠点事務所をおく事が多く、教育の拠点としてのシンガポールは高い評価を受けているのである。
 それが最近では物価も高くなっていることもあって、マレーシアとしてはここぞとばかり売り込みのチャンスと捕らえているようだ。

 シンガポールは、歴史的にはマレーシアから現地人優遇政策に反発した華僑などが独立して作った国なので、お隣さん同士は仲が悪いということなのかもしれないが。
    *   *   *   *

 最初のうちこそTさんを介したり、Tさんとだけ話をしていたが、席替えをしてからは
「日本や北海道にはどのような印象をお持ちですか?」と訊いてみると「日本は大変規律が正しい国だと言う印象です」とのこと。また北海道については「大変『フレッシュ』で食べ物がおいしい美しいところ、という印象を持っています」とのことだった。

 現地の気候をうかがうと、四季は無くて秋口から冬の雨季と年明けからの乾季、そして春から秋までの間は雨が降ったりやんだりという、変わり映えしない季節感なのだそうだ。
 おまけに夏は最高気温が42℃にもなり冬でも24℃が最低くらいだとか。「札幌ではマイナス20℃くらいになることがありますよ」と言うと想像がつかないというような笑顔で応えてくれた。

 観光地としての北海道の魅力についてお訊きすると、これはもう憧れの地なのだとか。

 その憧れの要因としては季節感だとか、雪があることや食べ物のおいしさ、雄大な自然などが魅力なのですよ、ということだが、更に言えば北海道まで来るのは相当お金のかかることでもあり、来る事自体が一つのステータスになっているのだという。
 
「大体が、成田へ到着してもその日に千歳まで乗り継げるのが一便しかないのですよ。しかも国内運賃も高いです。本当に北海道に来たい人は、成田から東京へ出て新幹線を乗り継いでやっとの思いで北へ向かうか、ドライブに自信がある人だったらレンタカーでフェリーに乗って来たりしています。個人旅行者が宿を取ろうとしても情報が無かったり、インターネットで予約ができるホテルがいくつありますか?インターネットがだめで情報として得られるのは宿の電話番号だけ。英語で電話をすればすぐに切られてしまいます」
「なんとも大変な旅ですね」

「そんなことですから、当然旅行費用も高いです。韓国へ行くのが10万円くらいだとすると北海道へは20万円かかるのです。北海道に行きたいマレーシア人が100人いたとして、本当にここまで来る人は5人、5%くらいしかいないのですよ」とTさんは憤る。

「スキーは韓国でも人口雪で安くできるのですが、それではブランドにはなりません。ですから北海道へ行ったということは相当に周りからはうらやましがられるのです」

 外交辞令もあってか、ずいぶんと北海道を持ち上げてくれてなにやらこそばゆい思いもするが、その裏を返せば、以下に北海道が観光地として世界に開かれていないか、ということではないか。

 言葉のサポートや、もっと親切な情報の提供。インターネットの活用、入国手続きや国内ルートの政策的な支援など、北海道のためにやら無くてはならない事は多い。

 憧れの土地に住んでいるという自覚がわれわれに有るだろうか?当たり前にある四季も、一年中同じ季節の土地に住む人たちにとってはものすごくうらやましい財産なのだ。

 
「シンガポールの人口は420万人ですが、マレーシアの人口は2600万人います。もちろん中国は13億人ですから、金持ちの割合を考えると、マーケットがどこかは自明でしょう。それらの売り込みにマレーシアをどうぞお使いください」というのがTさんの売り文句だ。

 あまり浮かれすぎるもの禁物だが、北海道が一丸となって行動すれば活路は開かれるのではなかろうか。

 今日も良い出会いができました。テリマ・カシ(ありがとう)! 


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