| 2005年11月01日(火) |
051101_星はすばる |
気温が少し戻したようで、それほど寒くはない朝晩です。まだコートは必要がありません。
さて今日は ■天文小僧のなれの果て の1本です。
【天文小僧のなれの果て】 火星が2年ぶりの大接近なのである。
実は昨年が6万年に一度という超大接近だったわけで、今年はそれよりは劣るもののそれでも結構互いに近くまで近寄るので、小さな(と言っても口径8センチとか)望遠鏡でも丸く見えて楽しいのである。
火星が最も接近したピークは10月30日ということで、今はもう一日一日、離れつつあるのだが、まだ夜9時ころの東の空高くに赤々とした明るい星が輝いているからわかりやすい。
中学校の理科の天文の時間には確か習ったはずなのだが、こういう一番近づいたときに太陽から見て地球より外にある惑星(外惑星という)は、星空の中で不思議な動きをする。
普通は日にちが経つと外惑星は左の星座へ左の星座へと移動するのだが、地球と近づいて惑星を追い越して公転して行くようなときは、星座上で惑星が一度動かなくなり、次に右へと戻り、日にちが経つと再び左へと動き出すのである。
また水星や金星などの内惑星に至っては夕方の空にあったかと思うとやがて朝の空に現れるという動きをして全く動かない星座の中にあって実に奇妙な動きをするのである。
古代の人(特に地球は動かないと思っている人たち)にはわりと明るいこのような星が天球上でなぜこういう動きをするかが分からなくて、それで「惑う星」として「惑星」と名付けたのだ。
地球が太陽の回りを動くという仮設を立てる事でこれらの全てが合理的に説明出来るところから科学の出番となるのだが、まだまだ宗教が幅をきかせていた中世にあっては、変化を嫌う多くの人たちは合理的な説明を拒んで、見たくない現実を見ようとはしなかったのだ。
社会は変化を嫌う性向にあるが、変わらなければ衰退するだけという事も歴史が教えてくれる教訓だ。
「それでも地球は回っている(ガリレオ・ガリレイ)」のだが。
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目が悪かったりして星空に縁がない人は突然星空を見ても何がなんだかよく分からないことだろう。見慣れれば、1等星や2等星などの明るい星を手がかりにして星座の形が分かるのでそれで空の中に地図を描くことができるのだが、そういう意味では地図を見るのが得意な人とそうでない人にも差がつくかも知れない。
互いの相対的な位置関係を把握しやすい人、つまり地図の読める人は楽な事だろう。
星空というのはギリシャ神話から来た動物や神様の類が多いので、ギリシャ神話に通じていると空の物語ががぜん身近になる。
特に秋から冬にかけては、古代エチオピアの王家の物語と言っても過言ではない。
美しさを鼻にかけて神に嫌われた王妃のカシオペアとその亭主のケフェウス王がいる。そして生け贄として海岸に鎖で繋がれた美しい娘のアンドロメダ。
お化け鯨にあわや食われてしまう!というときに颯爽と助けに来た天馬ペガサスにまたがった王子ペルセウス。腰に付けた魔女ゴーゴンの恐ろしい首をお化け鯨に見せるとたちまち石になってしまい、ハッピーエンド、という訳である。
ペルセウス座の腰の辺りには星図には魔女の首がぶら下がっているのだが、星座の中ではここに丁度明るさが変化する変光星アルゴルがあって、奇妙な星と神話が見事に結びついている。
古代人の想像力に感心するばかりである。
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さて、今なら東の夜空に赤い火星が見えるけれど、腕を伸ばして拳一つ左にはごちゃごちゃとした星の固まりの「すばる」も見える。
谷村新司が「さらば、すばるよ〜♪」の歌った「昴(すばる)」そのものである。
私が全天で一番美しいと思う天体である「すばる」は、肉眼で見える数少ない星団の一つである。
これが東の空からゆっくりと上る様を見れば、星の虜になる事請け合いである。
かの清少納言も「星はすばる…」と星の中ですばるを第一にあげているのだ。清少納言と同じものを見ている自分にもちょっと感動するかも知れない。
天文ニュースが一般の新聞をにぎわすと、中学校1年生の自分に帰ることができるのである。
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