掛川奮闘記

2005年08月03日(水) 050803_「二層の広域圏」という考え方

 いよいよ暑い夏の到来か?私もやっとノーネクタイのワイシャツ姿からクールビズ的な出で立ちになれました。

 ワイシャツにノーネクタイというのはどうもだらしなかったのですが、カジュアルな開襟シャツでよいのなら楽ですねえ。

 さて今日は、
■二層の広域圏を考えるフォーラム の1本です。

【二層の広域圏を考えるフォーラム】
 現在どたばたと焦っているのが、来る来週8日の午後に開催予定のフォーラムの準備である。

 フォーラムの基調講演には室蘭工業大学の田村亨教授による「二層の広域圏」についてお話をいただき、その後にそれに関連して北海道の今後の姿を語るパネルディスカッションを行おうというのである。

 二層の広域圏というのは、第五次全国総合開発計画後の我が国の国土のあり方をどうしようか、という議論の中から生まれてきた一つの考え方で、国土審議会基本政策部会報告「国土の将来展望と新しい国土計画制度のあり方」(平成14年11月:国土審議会基本政策部会)において示された今後の国土計画における圏域形成の方向性を示す概念なのだ。

 この中で二層というのは、我々は二つの層の中で生活をして行くという方向性を示したものである。その一つめの層は、「身近な都市を中心とした人口規模30〜50万人という生活圏域」であり、イメージとしては
10〜20万人くらいの都市を中心に移動時間が1〜1.5時間くらいの広さの複数の自治体を含む範囲をイメージしている。

 つまりこれくらいの人口集積のある時間距離範囲内であれば、職場、学校、病院や買い物、都市的な文化集積などもなんとか提供出来るだろうという範囲であり、現実的に住民がそこそこの安定した生活を営めるだけのインフラ、都市基盤施設が長期的に担保されるだろうと考えられる地域である。

 人口減少を目前にした我が国にとって、人口が減少しても一定の生活水準を保つだけの日常生活のための集積としてそれくらいの規模をイメージしているのである。

 そしてもう一つの層が、地域が独自性のある国際交流・連携・協力活動を行い、また、特色ある経済圏を形成して発展を図る観点から相互活用すべき資源や機能、施設をいわばフルセットで備え得る自立した圏域としての、人口規模で600〜1,000万人程度以上の「地域ブロック」という概念である。

 今までは日本を日本国という全体の国として捕らえて経済規模が世界第2位などといって自慢していたのだが、これからは北海道や四国、九州などの一段の地域がそれぞれ個性を持って、独自に世界を相手に勝負をするような固まりとしての考えが必要だというものである。

 それを支える事実は、我が国の各地域でも、実はヨーロッパの一流国とほぼ対等の域内経済を有しているということである。

 実際、関東は名目GDPで見るとアメリカ、日本全体、ドイツについでなんと世界4位の地位にいるのであって、同じく近畿はイギリス、フランス、イタリアについで世界8位、北海道はベルギーやオーストリアと肩を並べる世界20位以内の経済規模にあるのである。

 北海道より小規模の経済の国にはデンマーク、フィンランド、ギリシャ、ポルトガル、アイルランドなどがあり、なあんだ北海道ってじつはすごいのである。

 しかしそれが国内における北海道という地位に甘んじている限り、経済的に立ちゆかないお荷物な地域と思われているフシもあり、なんとも歯がゆいのである。{/kaeru_alone/}

 ここは一つ、地域として世界ブランドの北海道という戦いを挑むような社会であってもよいのではないか、という新しい発想があり、いつまでも日本が金太郎飴のような社会を目指さなくても良いのではないか、という考えなのである。

 しかしこれにもいくつか問題があって、一つは人口30万人規模の生活圏域を基本とするとして、北海道などはその範囲に納まらない白地の区域が広く存在してしまう事になり、そういう地域はどのように集落を維持し、住民の生活が担保されるのか、ということに回答を示す必要があるのだろう。

 案外北海道ならば人口が少なくても農業や漁業などで元気に食える地域もあるのかも知れないが、中山間地で林業中心・農業もないと言うような地域は辛くなるかも知れない。
 中期的な地域の維持・継続の方向性を見出さなくてはなるまい。


 そして地域ブロックの考えでは、では北海道や九州などのようにどうみても一段の区域がはっきりしているところは良いのだが、本州などは現在の都府県という枠を前提としつつ、どういう地域ブロック割ができるか、ということがまだ明確でないのである。

 実際、いくつかある試案のなかには静岡県を大井川で東西まっ二つに割るような案もあって、石川知事などは不満を表明したものだ。


 いよいよ人口減少が現実のものとなるこれからの時代に、漫然と都市の集積に「寄らば大樹の陰」という生き方をするのか、地域において自立した生き方を貫くのか。

 北海道もいつまでも「試される大地」であってはいけなくて、そろそろ「答えのある大地」になりたいものだ。{/hiyo_do/}
 
【参考】
 
 日時:8月8日(月)13:30〜
 会場:札幌後楽園ホテル地下二階ホール
 出演者:基調講演 田村亨室蘭工業大学教授
     パネルディスカッション
      コーディネーター 森地茂 東京大学名誉教授
      パネラー     山崎朗 中央大学教授
               盛田清秀日本大学教授
               田村亨 室蘭工業大学教授


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