掛川奮闘記

2005年07月05日(火) 050705_雪氷輸送物流システム第一回委員会

 晴れが続きすぎると雨が欲しくなりますねえ、などと軽口をたたいたとたんに雨。やっぱり晴れがいいです
  
 さて今日は、
■雪氷輸送物流システム調査検討委員会 の1本です。

【雪氷輸送物流システム調査検討委員会】
 今日は今担当しているうちで一番時間をかけているプロジェクトの委員会が開かれた。そのプロジェクトの名は「雪氷輸送物流システム調査」である。

 この調査は首都圏と北海道の間の物流の特徴となっている「片荷問題」と環境問題の両方に貢献しようという壮大なもので、マスコミも注目のプロジェクトなのである。

 今日は時間帯が夜になってしまったのだが、夜6時から札幌市内のホテルでその第一回の委員会が開かれたのである。この委員会、当初は頭撮りという最初の方だけを撮影可能にして委員会は非公開で行おうと考えたのだが、マスコミ各社から「公開として欲しい」という要望が出され、それを尊重して完全公開としたものである。

 我が開発局からは吉田局長自らが挨拶をしてくださり、力が入っている事が理解された事だろう。

    *   *   *   * 

 さて調査の内容について少し説明をしておこう。

 まず片荷問題とは、首都圏から北海道へは多くの荷物を積んだトレーラーが来るのに、帰りに北海道から持って変える荷物がなくて泣く泣く帰りは空で帰るトレーラーが多いという問題である。

 北海道の場合、秋から冬にかけては農産物や水産物を出せるのだが、春から夏にかけては帰りに持ってかえってもらう荷物が少ないのである。それは北海道の製造業が弱いということを端的に言い表しているが、同時にそれは片荷のために帰りのトレーラー代を持ってくるときに上乗せしてしまうということで、運賃が高上がりについているということとワンセットなのである。 

 だから、北海道に荷物を運んで変えるときにいくらかでもお金になる何かを持って行く事ができれば、これまでの物流コストの改善につながるだろうという発想である。

 そこで目をつけたのが北海道の寒さである。

 雪や氷の冷たさは平成14年に新エネルギー法で「冷熱エネルギー」として位置づけられ、立派にエネルギーとしての地位を確立している。
 北海道でもこの雪を冬の最後に大きな倉庫に貯めて、この冷たさでジャガイモやタマネギ、米などの食料を保存する技術がすでに確立していて、志の高い農協や自治体などではすでに実用化されている。

 こうすることで、穫れたらすぐに高い運賃を掛けて内地の高い倉庫に保管するよりも、北海道で安く保管しておいて帰り荷のない時に安く運んでもらえば良いのに、とする発想があって、先駆的な取り組みが数多くなされているのである。

 今回の雪氷輸送は農産物の備蓄ということからは離れるが、帰り荷として冬に作り長期に保管された氷を持って行ってもらおうとするもので、そのことで首都圏が電気を使って冷房をする頃に電気を使わない冷熱エネルギーとしての氷を供給しようというのである。

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 このときのポイントは、東京にはすでに商品名でエコアイスと呼ばれる深夜電力を利用して夜に安く氷を作り、日中は電気を使わずに夜に作った氷の冷熱エネルギーで建物を冷やすという技術が確立していて、しかも単独のビルだけではなく、地域再開発などでは新しいビル数棟をまとめて冷暖房するという地域冷暖房システムも数多くできあがっているということなのである。

 だから氷を受け入れる素地はできあがっているという事と、かならずしも供給される氷に全てを頼る事もないという共生関係ができる可能性も大きいのである。

 今回のプロジェクトの最大のハードルはなんと言ってもコストである。

 東京のエコアイスが一トンの氷を作るのにいくらかかるか、というのがライバルとなる価格で、それより高ければ苦しいが、とんとんか安ければ検討の対象にはなるだろう。

 まだ調査途中だが、上記の値段は百数十円〜千円くらいという幅の試算がなされているところで、要はこの値段で氷一トンを運べれば良いのである。

 もちろん氷を作って保管して、運搬して…というトータルの道筋がぴたっとはまらなくてはトータルとしてのシステムが完成という事にはならないだろう。

 しかし単純な値段以上に、深夜電力であっても夜間に外に熱を発する事で氷ができているわけだから、都市は夜も冷えないヒートアイランド現象が年々ひどくなっているのであって、外に熱を出さずに冷房をするというシステムは長期的に見ればやはり大都会の環境問題に貢献はするはずである。

 今年の調査では、氷の作り方は保管の仕方を8月頃をめどに一定の方向を出して、冬には早速氷を作って保管する実証実験も行う事としている。

 そして来年度には実際にそれらを首都圏まで運んでみようと考えていて、その実験を通じて多くあるであろうハードルの数やそれらの高さを調べてみようと思っている。

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 今日の委員会はその第一回で、そういった調査をするに至った考え方などを説明して今後の委員会の進め方をご了承いただき、意見交換を行ったのである。

 かつては石炭を内地に送り込んで我が国のエネルギー産業の寵児だったはずの北海道が今度は「白いダイヤである」氷を内地に送り込んで内地のエネルギー問題に貢献しようという壮大なプロジェクトである。

 北海道は我が国に貢献出来るのだろうか?そのことが試されているのである。  
 


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