掛川奮闘記

2004年11月02日(火) 041102_スローな冒険談

 もう11月に突入です。夕焼けが冬の風情を醸し出し始めました。
 さて、今日の話題は、
■新エネルギー詳細ビジョン策定委員会
■蕎麦粉の裏話
■和製マルコポーロ、の三本です


【新エネルギー詳細ビジョン策定委員会】
 午前中は新エネルギー詳細ビジョン策定委員会。この「詳細」というところに味があるのだ。 

 …というのは、新エネルギービジョンというものから一歩踏み込んで、今回は生ごみ、家畜屎尿、木質バイオマスからのエネルギー化可能性調査なのである。

 実はこの背景としては、今度新しく作る満水の新清掃センターでのゴミ焼却に当たって、熱効率の悪い生ごみを分別して取り出せば、焼却熱効率が上がるということや、燃やすごみ量が減るので新しい清掃センターを作らずに済むのではないか、という行政課題に答えようと言う意図がある。

 どうせ分けるならば、その生ごみからさらにエネルギーを取り出すようなプラントの現実性をこの際調査しようと言うことで、先進地視察に赴いてその結果を今日は委員会で報告するのである。

 生ごみからエネルギーを取り出す先進地としては北空知地区の広域事務組合にいったようで、生ごみからメタンや電力を取り出すのである。

 この手のプラントは、常時熱を出すので熱源の使い道があるところが有利なのだそうで、そう言う意味では内地よりも北海道などの雪国の方が有利なのだそうだ。

    ※    ※    ※    ※
 
 資料説明に時間を要して、意見交換の時間が取れなかったのが残念だが、市内で養鶏を大きくやっている会社の社長さんの発言が面白かった。

 すなわち、「畜産家はここ数年ずっと家畜糞尿の問題に真剣に取り組んでいて、堆肥の野積み禁止に対応しながら堆肥を作れるように準備してきたのに、ここにきて未完熟の堆肥が流通してきたために、堆肥の価格が下がってしまっています」

 「掛川市内のお茶農家も、堆肥を使わない傾向にあるのでもっと使って欲しいものです。なにしろ堆肥はどんどんできてしまいますから、使ってもらう量とのバランスが取れないとだめなんです」

 需給のバランスを取ると言うことは難しいものだ。

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 また、東海パルプの部長さんからは、木質バイオマス(要は木材なんですけどね)を良質の燃料として使う社会システム作りに努力しているお話を聞かされて、これまた感銘しました。

 それでも燃料の価格を比較すると、灯油が一番安いんですよね、確かに。

 それを敢えて少しだけ高上がりな木質ペレットストーブに変えて、熱と電気を取り出すような設備を開発中で、技術はほぼ固まってきたとか。

 問題は燃料の価格が低価格で安定的に出せるかどうかで、これが成功すれば山の木がお金になる経済循環を作り出すことが出来るのだ。

 山の木は燃やして二酸化炭素を出しても、また木に固定されるだけなので、地下から石油を掘り出して空中に放出するよりはあるかに二酸化炭素の抑制に効果があるはずなのだ。

 こういうことを行政としてきっちり支援しないと駄目だと思うよ。次の委員会も楽しみであります。
 


【蕎麦粉の裏話】
 今度の日曜日には、市内のつくし会館というところでイベント支援として手打ち蕎麦のふるまいを行う予定なのである。目標は100食。

 そこでいつのも長野県大町市の製粉会社に連絡して11kg入りの「スーパー安曇野」という最高級の蕎麦粉を送ってもらった。

 以前ここの会社に問い合わせたときに、「うちの粉は6割が北海道幌加内産で、残りの4割が信州の地粉です」という答えだったのだが、今年の幌加内の蕎麦は台風のおかげで壊滅的な打撃と聞く。
 
 しかしここの粉の値段が上がったという話はまだ聞かないし、それでいて請求書には「新蕎麦粉になりました」と書かれている。一体どういう状況なのかと興味を持って、この会社に電話をしてみた。

 「あのう、以前聞いたときには幌加内のものが混じっていたと言うことだったのですが、幌加内がタイ風でやられた影響はないのですか?」

 すると電話口の女性の方が
 「えー、11月15日発送分から海外の粉が混ざります。もう国内産の粉だけでは年内の需要に足りないのがはっきりしています」とのこと。

 しかも「それと同時に、値段が約8%ほど値上げせざるをえなくなりました」

 「8%くらいで良いのですか?」
 「本当はもっと上げたいのですが、それ以上上げるとお客さんの方が買わなくなりますから」 
 
 「海外はどこからですか?」
 「日本の商社が日本の玄蕎麦を中国へ持って行って栽培したもののようですよ」

 「そうですか、やはり幌加内が壊滅的というのが大きいんですね」
 「ところが、最近になって急に幌加内の粉が出てきたんですよ」
 
 「それはどういうことですか?」
 「ええ、幌加内産の粉の値段がかなり上がりましたからね。そろそろ値上がりした粉がどこかから出始めているんですよ。どこかにはあるんですねえ、駆け引きみたいなものですよ」とのこと。

 北海道は余りそういう駆け引きをして欲しくないのですがねえ。背に腹は代えられないのかなあ。
 ガンバレ日本の食糧基地、北海道! 

 それにしても、蕎麦打ちイベントへの打撃も大きいぞ、今年の台風は。


【和製マルコポーロ】
 前回東京へ行って、サイクルスポーツの編集長にお会いしたときに、「掛川には自転車でシルクロードを走っている奇人がいるでしょ?会った?」と言われたので、人づてにその方を紹介してもらい、午後に会いに行った。

 立場は助役ではなく、NPOの顧問という立場である。立場を使い分けられるというのはいろいろと便利なのだ。

 その方とは、Wさんと言う方で一目見て、サイクリストと言うよりは冒険家だな、というのが一緒に行ったSさんの印象。

 まさにそのとおり、その方は若いときはヨーロッパの登山ゴロであったという。ヨーロッパアルプスの3大北壁に次ぐ北壁を登頂中に滑落して、崖に宙ぶらりんになった間一髪の話や、そのときの自分よりももう一歩だけ登山に入れ込んだ仲間はみんな死んでますね、という話はなかなかリアルなものだった。

    ※    ※    ※    ※

 そしてこの方が登山からは足を洗ったものの、冒険心を満足させるチャレンジとして選んだのが、なんとシルクロードを自転車で踏破するというもの。

 これは地中海の東端から北京までのマルコポーロの足跡を自転車でたどるというものだが、実はマルコポーロが本当にどこを歩いたのかを知ることがまずはなかなか難しいらしい。

 しかも年に一度30日の自転車ツアーではとても走りきれるものではないので、全部で7年という年月を掛けて、前年のゴールから走り始めて行けるところまで行く、という旅を続けるのだそうだ。

 今年が二年目という事で、さすがにこれだけの冒険をするとエピソードにも事欠くことはない。面白い話が次から次へと出てきて飽きることはない。

 本当は、塩の道を自転車で走る「ロード・オブ・ソルト」に某かの参加や協力もお願いしようかと思っていたのだが、サイクリストと言うよりは冒険家である、ということが分かったので、また違うお付き合いの仕方もあるように思えた。

 「先日ナショナルジオグラフィック社から、マルコポーロの歩いた道という写真集が出て、ちょっとショックだったんですよ。自分が最初だと思っていましたからね。でも中を見るとライターと写真家は自動車で移動しているんだね。自転車で踏破すれば、これはこれで世界で初めてですよ」とも。

 世の中にはすごい人や変わった人がいるものである。この多様性が面白いのですがね。

 スローな冒険談ですね。


 明日は中電の一階でお昼に掛けて蕎麦研のメンバーが蕎麦を打っています。食べに来て下さい。


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