| 2004年06月19日(土) |
040619_蕎麦研イベント成功 |
【蕎麦研始動】 今日は、午後に掛川グランドホテルで静岡県商工会議所青年部連合会のスローライフ研修会を行う。
私はそのスローライフ研修会の中でパネルディスカッションのパネラーとして依頼を受けているのだが、同時に研修会の後の懇親会では蕎麦打ちの体験会と蕎麦の振る舞いをしてくれないか、という依頼も同時に受けているのである。
パネルディスカッションは普段考えていることをお話しすればよいとして、問題は約100人前の蕎麦の振る舞いである。
大人数のパーティで蕎麦を振る舞うとすれば、汁と蕎麦を別にしなくてはならない盛り蕎麦はできないので、お椀で数多く出す「冷や掛け」というメニューでなくてはなるまい。
それならそれようの蕎麦を打って汁を作るまでである。前日に7.6リットルの冷や掛け用ソバ汁を作っておいた。 今回の汁のレシピは、9%のだし汁(仕上がりのだし汁1リットルに鰹節90gという意味ね)と、以前に作って寝かせておいた「かえし」を6対1の比率で混ぜて作るのである。
これだけでも結構手間が掛かっているが、ここからさらに、混ぜ合わせたソバ汁を一度70〜80度くらいまで加熱して、それから冷やすことでやっと美味しいソバ汁になるのである。
この再加熱は普通はお湯を介して行うので「湯煎」というが、そこだけは楽をして直接加熱で行っている。家庭用の台所というのは、こういう作業が出来ないのが残念だ。
この一度の湯煎で出汁と返しがさらにまろやかになるのである。これは本に書いてあるだけでなく、自分自身が実験して試してあるので本当である。本に書いてあることでも試してみなければ本当のことは分からないものである。
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さて、懇親会で蕎麦を振る舞うのは6時からだが、現地に午後集合で約7キロほどの蕎麦を打っていたのではとても間に合わないので、11時に私の家に来られるものは全員集合して、事前に蕎麦を打ち溜めておくことにする。
我が家に8人の大の大人が入り交じって、用意した三カ所の台で蕎麦を打つのはなかなか窮屈なものである。
一応我が家では5キロほどの蕎麦を打っておいて、あとは会員は3時過ぎに会場入りしてのし台を展開し、練習で打っておけばよいというわけである。
こういう大勢に振る舞うイベントがあると、部員の多くが何回も蕎麦を打つ機会に恵まれるので大歓迎である。蕎麦打ちは、一日二回以上やれば上手になるというのが実感である。一回だけ打ったのでは反省点を修正して脳に焼き付けることが出来ないのである。
一日に二回以上打てば、前回失敗したことをすぐに修正して確認することが出来る。まさに復習というやつである。予習と復習。学校で習ったことは真実だ。
私自身は2時半ころにはパネルディスカッションの打ち合わせ入りをしないといけないので、道具運びなどは会員に任せることにした。それでは会場で会おう。
【スローライフ研修会】 スローライフ研修会は冒頭、早稲田大学の工藤裕子さんに一時間の講演をお願いした。長く勉強されたイタリアでの経験から、スローフードやイタリア紀行などで面白い話が多かった。
スローフードという単語は、1989年にイタリアのブラという町で始まったのだが、一般にはローマにファストフードの代表のようなマク○ナルドが出展するということを聞いて、それに対抗する気持ちからアンチ・ファストフードとしてスローフード運動が起きた、と理解されている。
しかし工藤先生によるとそれは大いなる誤解であって、本当はブラという町では1980年に、バローロと呼ばれる現地の高級ワインを愛好する、「バローロ愛好協会」が設立され、これが1986年にイタリア余暇文化協会「アルチゴーラ」のと改名して、地域の食材・食文化への関心を高める運動を進めたのだという。
そうしてやっとそれが1989年に「アルチゴーラ・スローフード」お改名してスローフードの動きが始まったのである。マッ○に反対したとか単純なものじゃなかったのね。
国際スローフード協会という組織も、グルメの集まりなどではなく、会員の半数はいわゆる発展途上国であって、「世界の台所はどうあるべきか」という視点で活動をしているのだという。
先生曰く、「食べ物が遠い旅をして自分のもとへ来るのか、それとも自分が長旅をして味わいに行くか、の違いを考えた方がよいのではないか」という視点は面白かったです。
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シンポジウムは野口智子さん司会で、工藤先生、私、スローライフ掛川の代表井村さん、それに市内の若手経営者である尾崎さんの四人のパネルディスカッション形式。 井村さんも尾崎さんも堂々としたものですね。
スローライフとビジネスの関係と言うことでは、またまた工藤先生のお話しが面白かった。それは「なぜコーヒーショップのたくさんある中でスターバックス(スタバという)が人気か」という話。
それはコーヒーというのはプランテーションのように生産地の労働者から搾取する産業というイメージだったのを、スタバは現地から搾取をしないとか農薬にきをつけるといった、しっかりとした方針に従った企業活動をしていて、そのことが心ある消費者のマインドに訴えるものがあるからだ、という趣旨でした。
コーヒーの味ってこだわればこだわりもあるけれど、その要素の中に、消費者にとって「自分がこの商品を買うことはちょっとだけ社会貢献につながる」という思いを抱いてくれることと言うのは結構重要になりつつあるというのである。
企業経営ではCSR(Corporate Social Responcibility)というキーワードがあって、「企業の社会的責任」ということも言われ始めている。民間会社もただ儲ければよいという時代ではなくなっていて、そのことが会社を評価する指針として動き出すのかも知れない。
会社がスローライフを理解している、ということは企業評価につながるなんて時代が来るかな?
【いよいよ懇親会】
パネルディスカッション終了後は、すぐに隣の部屋で蕎麦打ちパフォーマンスを行った。私もワイシャツを脱ぎ捨ててTシャツ一枚と前掛けで蕎麦打ち職人に早変わり変身。
「体験学習会」と銘打ったスローフードを楽しむ会では、掛川蕎麦研究会による手打ち蕎麦体験と、開運・葵天下などの地酒を楽しむイベント等々が行われた。 はじめて蕎麦包丁を握ってそば切りにチャレンジしてくれた参加者も結構いて、蕎麦研の女性部員の指導を受けていた。 まだ半年や一年でも回数を重ねていれば、初めての人に指導するくらいにはなっているものだ。たいしたものです。
蕎麦の振る舞いの方は、裏方で男性部員と表に出ない女性部員が、蕎麦を一生懸命茹でて洗って氷で締めて、盛りつけ、汁掛けをして出してくれました。
なにしろ粉は上物を使っているので問題はないし「美味しい」と評判も上々。何が良かったかと言って、蕎麦が冷えていること。ホテルの厨房なので氷が大量に手にはいって、これで蕎麦をがっちり冷やして出すことで、おいしさは倍増というわけである。
蕎麦は7キロをぺろりと平らげて下さいました。最後は汁が無くなって打ち止め。最後の最後まで楽しみにして下さった参加者の皆さんに感謝します。 また表で陽の当たるところで仕事をしてくれたスタッフと裏方で走り回ってくれたスタッフの両方にも感謝します。
こういう機会を一つずつ経験して行くことで、蕎麦を振る舞うイベントがどういう事かということを少しずつ体で覚えてくれることでしょう。道具の仕立てや、配置、それぞれの動きなど、だいぶ覚えてきてくれました。
大型イベントにも対応できるチームとしての力が少しずつついてきたかな。とにかく、商工会議所のイベントもわが蕎麦研に期待された部分も成功で良かった。
皆さんお疲れ様でした、そしてありがとうございました。
【蕎麦研打ち上げ】 久々に力の入った振る舞い蕎麦イベントが終わったので、町なかの商店街の空き店舗対策として5月から営業を始めた「醍醐」というお店に集合して研究会メンバー全員で打ち上げ。
朝から立ち仕事で蕎麦を打ち、午後には頭を(ちょっとだけ)使い、さらに蕎麦打ちイベントの指導と緊張の連続だったので、さすがに私もスタッフも少々疲れ気味。
打ち上げも盛り上がって、今日は楽しい一日で締めることが出来ました。醍醐も小洒落た感じで良いお店です。皆さん使ってあげて下さいね。
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