掛川奮闘記

2003年12月23日(火) 031223_餅米は「ふける」

【餅つき】
 ある区長さんから、「S地区で餅つきをやりますが、是非来て頂きたい」というお誘いを受けた。予定表を見ると、今日の午前中は空いていたので、参加させて頂くことにした。今日も朝から天気がよい。太平洋側の典型的な冬の天気なのだろう。

 九時ぐらいに会場であるS地区の公会堂に到着。役員さん達が集まって、薪ストーブにぼんぼんと火を起こし、釜にお湯を沸かしている。

 釜の上にはやがて蒸籠(せいろ)が二段重ねで乗せられて、餅米が蒸されて行く。普通のお米は「炊ける」というが、餅米は「蒸(ふ)ける」と言うのだそうだ。日本語は難しいが、このニュアンスを使い分けるのが日本語の達人というものだろう。

 「助役さんは、餅米がふけたかどうかを確かめる方法をしっているかね?」
 「いえ、知りません。教えて下さい」

 「それはね、蒸籠の蓋を取って、割り箸のような面の四角い箸を刺すんですよ。蒸けていれば抵抗なく刺さりますが、まだだったら米粒の感触がぶつぶつと残るんです」

 へえ、と思って蒸籠を一つ開けて割り箸を差してみたが、残念既に蒸けていて、他を確かめるまもなく、餅つきに移ってしまいました。

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 公会堂の駐車場には臼が三つ用意されていた。一つは木の臼でちょっと径が小さめ。後の二つは石の臼である。石の臼と言っても、粉を挽くのとは違うって、餅をつく臼の形の臼である。ここでも日本語は難しい。

 アツアツの蒸けた餅米を臼に入れると、すぐに搗(つ)いては行けない。「小突く」という前段の作業を入念にやらないと行けないのだそうだ。

 「小突く」というのは、杵で餅米の形がなくなる程度にぐりぐりとお米をつぶす作業である。これをやらないと、ぺったんぺったんとついた時に米粒が外に飛び散ってしまい、ちゃんとしたお餅にならないのである。

 この小突く作業も結構な重労働だ。杵を持つ手がだるくなる。やがて頃合いを見計らっていよいよぺったんぺったんと搗く工程に入る。ここからは餅をひっくり返す「手返し」をしてくれる相棒が必要となる。

 餅も熱いので、手に水をつけながらの作業だが、それでも手は熱い。水をつけすぎると餅がべたべたになるし、水が少ないと臼にくっついてしまう。このあたりの加減は、経験豊かな女性の意見が最も的を射ている。

 私も一つやってみたが、どこか蕎麦を練った玉を扱う作業に共通点があるような気がした。蕎麦をこねていると、「焼き物の粘土を扱っているようですね」ということを言う人もいるが、手業のたぐいというものは案外共通点を持っているもののようだ。

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 さて、餅がうち上がるとここからは近くの奥様達のお仕事。餅取り粉をしいた伸し板の上でちぎったり、餡を詰めてあんころ餅を作ったりするのだ。

 私の場合は始球式ならぬ始搗式なのか、最初にうたせてもらってそれをちぎってつきたてのお餅で食べさせてもらいました。臼の近くには既にプラスチックトレイやら醤油、そして大根おろしが用意されているのだ。

 喜んで大根おろしをたっぷりつけて醤油で美味しくいただいた…が、大根おろしが辛い(--;)。ひー、口が曲がる(x。x)。

 ん、でも美味しい、でも辛い、でも美味い…と口の中は大騒ぎでありました。しかし、餅つき等という北海道ではなかなか味わえないイベントに参加できて良かったです。

 今日は臼を三つ搗きましたが、「来年も誘って下さい」と言うと、「もう戦力として計算に入れてますからね」と言われた。来年も美味しいお餅が食べられそうだが、大根おろしは自分で持参しようかな。

【正月の豆知識】
 午前中をこうして餅つきイベントに参加していると、結構いろいろな方が立ち寄っては話しかけて下さる。

 そのなかのお一人が、「助役さん、門松の松の切り口がどうなっているか知ってますか?」と声を掛けて下さった。
 「切り口ですか?よく分かりません」

 「丁度あそこに門松がありますけれど、松を斜めに切り落とすときに下の方は切り口の4分の1くらいを節に掛けるんですよ。そうすると、切り口の下の方が笑った人間の口の様に見えるでしょ?」とのこと。

 ほうほう、確かにの公会堂の門松はそうなっていますね。これは知らなかったですぞ。

 「それからね、門松は最初から大きなものを作っちゃ行けないんです」
 「それはなぜですか?」

 「門松は毎年毎年少しずつ大きくして行くものなんですよ。そうしないと尻すぼみになるでしょ?」
 「なるほど」 聞けば神社のお札などもそういうことらしい。お正月のちょっとしたうんちく。どこかで使ってみてはいかがでしょうか。

【芋汁会】
 夜は夜で、知人から芋汁会に誘われていて、いやしいものだからこちらも出席をする。知った顔をもあるが、初めての方もいる。

 もともとは青少年健全育成の活動の延長として始まった会だ、ということだが、掛川には真面目な会が多いですねえ。青少年健全育成の関係では、学校から気持ちが離れてしまった子供達に救いの手をさしのべて、建設業者さんに預かってもらい肉体技術系の労働をやらせることで何人もの子供を立ち直らせているのだそうだ。

 そういう心ある業者さんも次第に少なくなってきているようだが、建設業という業種はお祭りの下働きやら、木遣り歌の保存など、本来の建設技能だけではなくて、目に見えないところで地域への貢献をしていることに改めて気づかされるのである。

 以前諏訪大社の権禰宜さんとお話をしたときに、「小松さん、建設業の皆さんを助けてあげて下さい。お祭りを陰で支えてくれているのはこういう皆さん達なんです。どうかよろしくお願いします。」と言われたのを思い出しました。

 そうは言っても、現行の入札や指名制度にはそういう社会貢献を正しく算定するシステムはない。これもまた日本が失いつつある文化なのかも知れないが、これで良いのか、ニッポン!

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 芋汁は裏の山で捕れたものが中心だとかで、粘りも十分あって、美味しくいただきました。またお酒では鹿児島の喜界島から取り寄せたという黒糖焼酎をいただきました。

 持ち込んだ方はインターネットで購入をしたそうで、インターネットではいろんな情報が手に入るんですねえ。「糖分ゼロ」と書かれていたが、飲んだ後にほんのり甘さが残るような気がするのだが、気のせいかなあ。

 

 一応年賀状を書き終えました。ふー。目が痛い(--;)。
 

 天皇誕生日の祝日は神社へ行ってお参り。同時に今日はいわゆる戦犯に死刑が執行された日でもあるのだそうです。日本人仁とってこの意味はなんなのだろうか。


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こままさ