掛川奮闘記

2003年11月16日(日) 031116_手打ちそばプロジェクト

【蕎麦打ちイベントの朝】
 いよいよ今日は自らが主催する「スローライフ手打ちそば」の当日である。

 昨日道具のほとんどを会場となる生涯学習センターの調理室に既に持ち込んであるが、最後の持ち込み道具を車に詰め込んで会場へと向かう。

 一般のイベントスタッフへは朝8時から入れます、と伝えてあるのだが、我々のイベント関係者だけは特別にお願いをして朝6時半に部屋を開けてもらっているのだ。

 私も朝5時45分に目覚ましを掛けて、心の準備をする。家を出るときはさながら戦を始めるような心境だ。うまくいくといいな。

    ※    ※    ※    ※

 現地では鍵を持ったセンターのスタッフの方が待っていてくれて、すぐに会場へはいることが出来た。用意された四台の大型ガスコンロへプロパンガスをつないで、火をつけてお湯を沸かし始める。

 一方でなにしろ蕎麦を打ち溜めなくてはならないので、朝早く来てくれた同僚スタッフに細々したことはお願いをして、自分は蕎麦を打ち始めた。

 一度に小さな玉でも大きな玉でも大体30〜40分はかかるので、こうした大量の蕎麦を提供するイベントではできるだけ大きな玉を打つ技術が要求される。

 私は1.5kgの玉で4玉打ったが、一緒のNさんは2kg玉を打ち始めた。またその作業が早い!これは心強い人と一緒にやれるものだ。

 そうする間に続々とスタッフが到着し始めて、8時頃にはある程度の人数が揃った。今日の予定では私から直接頼んだスタッフ以外にも孫依頼スタッフを併せると総勢30名くらいになりそうだ。

 凄い人数なのだが、実際にピーク時にそれほど待たせずに蕎麦を提供しようとするとこれだけの人数が必要になる計算だ。人数は多いほどよい。また蕎麦を打てる人も続々集結。いよいよ心強い。

     ※    ※    ※    ※

 9時に一度全員作業の手を休めてブリーフィングを行う。私から挨拶とお礼、併せて本日の持ち場と作業内容を発表して確認と準備をしてもらう。

 今回の裏方の特徴は、蕎麦を茹でる釜を二カ所にしたことだが、こういうイベントを全くしたことがない素人集団の割には、事前に入念な下調べと道具の用意をしたのでそれほどの混乱はない。 もちろん一人に一冊ずつマニュアルを渡して、さらに不測の事態が生じた場合は私に訊いてもらうことを確認。
 
 トラブルや不測の事態が発生したときには、とにかく判断ができる人が必要なのだ。

 10時25分からは打ちためた蕎麦を使って、蕎麦の茹でから配膳までのラインを練習する。出来た蕎麦はスタッフへの試食用である。

 食べてみたが、汁の味もほどよく、蕎麦の茹で方もまあまあだ。これなら十分に300円の値はあるぞ。今日の蕎麦は掛け蕎麦で、一杯なんと300円。これだけでも十分に安いのだが、スローバンダナを持参した方にはなんと一杯百円で提供するという太っ腹な特典がある。

 あとで原価計算をしたところ、一杯あたり蕎麦粉で百円、汁代で五十円、ガス代が五十円したので、一杯あたりの原価は二百円である。
 これを一杯百円で提供するのでは完全に原価割れなわけだが、そこがまた良いではないか。バンダナを買ってくれた方への最大のお礼の気持ちなのだから。

【イベント開始】
 蕎麦は11時から提供する、と言ってあったのだが、十時半くらいから行列ができはじめて、配膳の女性陣と「まだ〜?」「すみません、もう少しお待ち下さい」というやりとりが始まる。

 これ以上長蛇の列が出来て混乱しても行けないので、開始時間を5分早めることにした。午前10時55分に蕎麦打ちイベントの開始である。

     ※    ※    ※    ※

 もうこのころにはある程度の数の蕎麦打ち人が揃ったので、私は全体のディレクターとして目配り気配り役に徹することにした。

 最初のうちは上手に回っている。そのうち「あのう、家にバンダナを忘れたんだけど、という人が来ましたけれどお値段はどうしましょうか?」という不測の事態発生。

 バンダナ購入を語る人が出たら困るが、別にルールの厳格な適用が求められる市役所の仕事ではないので、「いいよ、そう言う人がいたら信用して下さい」と告げる。ま、そんなもんだ。

    ※    ※    ※    ※

 お昼の十二時くらいまでに混雑の第一派があって、行列が長いときは二十人くらいになる。こうなると配膳の女性陣から檄が飛び始める。

 「はい、お早く願います!」ひー、茹でて、洗って、盛り分けて、湯がいて、汁を掛けて出すのは結構な工程だ。

 そもそも今日は寒いだろうと気を利かせて温かい掛け蕎麦にしたはずだったのに、なんと外の気温は25度近くにもなろうかという暖かさだという。むーん、これなら冷たい蕎麦で良かった(;´_`;)。

 十二時を過ぎたところで列がとぎれて暇になる。むむむ、もしかしてこれでお客は打ち止め?とばかり、非常に不安になる。

 券売担当の女の子に訊くと、今で百食くらいです、とのこと。まだ全体の三分の一じゃないか。もっと行列は出来ないのかな。

 あまりにお昼休みではみな自分のお弁当を食べたりして蕎麦のところへは来ないのかも。

 心配になって券売の女の子にハンディスピーカーを持たせて城内を宣伝に歩かせる。お客やーい。

    ※    ※    ※    ※

 そんな心配も杞憂だったようで、お客の混雑の大波がいよいよ訪れてきて、次第に再び列ができはじめる。

 いよいよ戦争の真っ盛りである。二つの茹で釜の間にはこれまた大きな寸胴が二つあってぐらぐらとお湯を沸かしている。これで釜のお湯が悪くなったときにはお湯を替えるのである。

 今回はこの寸胴二つが本当にありがたかった。これだけお湯を作らないと300食というイベントはできないものだ。 

 見ていて面白かったのは、最初のうちはとまどっていたスタッフが次第に作業にゆとりが出てきていろいろと考え始めたことだ。

 盛り分けの担当スタッフには最初に分量を示して、「これくらいで出して」と言ってあったのだが、最後には備品の秤を取り出して正確な重さを量って出すようになった。

 やがて二時過ぎには目標の三百食を達成!百枚用意したかき揚げも完売。あとは蕎麦と汁の続く限り提供しまくるだけである。
 知人も多く来てくれて、「よう、助役!」とか「助役さん、こんにちは」と声を掛けてくれる。

 そんな皆さんに愛想を振りまいてお礼を言いまくっていたが、ありがたいことである。

 そのうち携帯に「スローライフ仲間が三時過ぎに18人到着するので食べさせて欲しい」という連絡が入る。イベントは大体二時までとしていたのだが、その後もだらだらとお客が続いて、最後には市長さんも来て食して下さった。

 そんなふうになんとなく出しているうちに18名様御一行が到着。これでおしまいまさに打ち止めの手打ちそばであった。

 後ほどのチェックでは売った蕎麦の総数は約400食近くなった。よくもまあ多くの仲間が揃ってくれて、無事にイベントも成功裏に終わることが出来た。

 後かたづけの間も心地よい疲労感が続く。ふー、疲れたけれど戦に勝利した将軍のような高揚感がある。

 こういうイベントは良いな。いままでは大先輩のテコとして下っ端で協力するだけだったが、こうして自分で主催してみて初めてイベントの大変さと面白さを知りました。

 素人蕎麦打ちの皆さんにも良い経験になったことと思います。
ご協力して下さったスタッフ全員に感謝の気持ちを込めて改めてお礼申し上げます。
 ありがとうございました。



 < 過去  INDEX  未来 >


こままさ