掛川奮闘記

2003年08月02日(土) 030802_娘の吹奏楽コンクール

【お坊さんの出張参り】
 朝一番に、実家に檀家のお坊さんがお勤めに来てくださると言うので向かう。なんだかんだしているうちに出発が遅れて、家に10時過ぎに到着したのだが、お坊さんはすでに10時前に到着していて、この日は札幌市内で8件ほどを廻らなくてはならないと言うので大層急いでいて、着くとすぐに念仏を始め、われわれが到着したときにはもうお念仏は終わっていたのだった。

 お坊さんのほうは車で二時間以上かかるところから来てくださっているので、近いわれわれのほうが早くに行って待っていなくてはならないところなので、なんとも恥ずかしい格好となってしまった。

 うーむ、反省だ。 

【吹奏楽コンクール北海道予選】
 次女が中学校の吹奏楽部に所属していて、毎日練習をしているその最大の目標がこのコンクールである。

 正しくは「全日本吹奏楽コンクール北海道予選札幌地区大会」というのであるが、さすがに札幌地区の予選ということになると数が多い。団員の人数によるA、B、C編成に小・中・高・大・一般の組み合わせでコンクールを行うと、全部で四日間にわたるコンクールになるのだ。

 この四日間の参加団体数は、166団体。娘が出場したのは、中学校のA編成で、A編成というのは参加人員が指揮者を除き50名までの団体なのだ。

 娘の中学校の吹奏楽部の団員は現在34人で、35人以下であればB編成のコンクールに登録すべきなのかもしれないが、敢えて登録人員を36名として、A編成での参加にこだわっているのである。

 わが中学校の吹奏学部は、平成元年から平成11年までなんと11年連続で全道大会へ駒を進め、そのうち1、3,4,7,10年度は全国大会まで勝ち進んだ栄光の実績があるのである。

 当然その間は、すばらしい先生による指導もあってのことだが、ここ何年かはそれらの先生も異動されて、端境期にあるともいえる。A編成50人で参加しようと思えば、一学年平均で17名の団員がいなくてはならないのだが、一時はそれが数人という年もあったりしてやや落ち込んでいた

のだが、ここ一、二年それをすこしずつ盛り返してきて、今年はここ数年逃していた金賞を目標にして、猛練習を重ねてきたのである。

 指導も、先生だけでなくOBの親も応援して音作りや個別指導などに力を入れてきたのだ。

 今年こそはなんとか金賞が手に届くところまできたような予感がする。そういう意識で部員たちも張り切って臨んだのがこの大会なのである。

 会場は、中島公園の中に建てられていて札幌市内でも最も新しくかつすばらしい音楽ホールである札幌コンサートホールKitaraで行われた。

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 中学校のA編成は大会の三日目となる今日の午後で、中学校A編成のエントリー校数は21校である。これだと、全道へは金賞受賞校から7校が進めるようだ。まずは金賞、そしてできれば全道が夢というわけである。

 全部で21校もあると、途中休憩も交えながらすべての学校の演奏時間は、14時15分から最終は19時57分までという長丁場である。

 初めのころの演奏の学校の生徒はホールで座り込んでひたすら結果の発表を待つと言うなかなか過酷な時間をすごす。

 わが中学校は五番目の演奏である。前後に昨年度金賞受賞校が控えておりいずれも部員は50名と言うフルメンバーである。

 それに対してわが校は部員34名。フルの三分の二の陣容でどこまで食い込めるかも見所である。大会の形式は、課題曲と自由曲からなり、両方をあわせて12分以内に演奏するのがルール。超過は即失格という厳しいものである。

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 いよいよわが中学校の登場、ホール全体に薄く広がっているが、人数の少なさはやはりちょっと寂しい。

 それでも課題曲から始まり、無難にこなした。自由曲は歌劇「レーモン」序曲。素人の耳には難しい曲のように聞こえるが、ひいき目か。

 どちらもなんとか無事に演奏を終えて、きびきびした姿で退場をしてゆく。うん、それなりに見事なものである。

 後半は、いよいよ最近の全道の常連校の登場。特に、札幌白石中、平岡中、啓明中の三校連続は聴き応えが十分。さすがに50人全員の音の元気よさがひときわ光る。同じ中学生三年間をどうやって指導するかで成果も随分違うものだ、と実感する。

 最終の学校が終わったのは夜の8時少し前。いよいよ休憩を挟んで結果の発表である。

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 結果発表は、演奏順に「ゴールド金」「銀」「銅」と発表をされる。最初の学校はゴールド、次もゴールド、そして銀、ゴールドと来た。そしてわが校は…

 「琴似中学校…銀賞」

 うーむっ!残念!今年も金には手が届かなかった。うー、残念だ。

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 すべての学校の結果発表を聞いて、ホールへと向かう。妻はすでに子供たちの近くで待機していたのだが、もうホールは金賞受賞で狂喜乱舞する子供たちと、夢かなわず号泣する子供たちでごったがえしている。

 係員に促されて、各校の生徒は次々に出口からホールの外へと向かい歩き出しているが、破顔一笑の子達と、悲しみに暮れる子達の紙一重の姿を目の当たりにして、熱いものがこみ上げてくる。

 不思議にうちの娘は周りの号泣をよそに、気丈に振舞っていたが、仲の良い友達に泣きつかれてとうとうこらえきれずにやはり泣き出した。練習に思いを込めた生徒ほど悲しみも大きいのだろう。

 ホールの外の公園では、各チームが集まって親にお礼の挨拶をして万歳をしたり、叫び声をあげたり、一方でひたすら泣きじゃくる子供たちに分かれ、やはりここでも先ほどの興奮を引きずっている。

 指導の先生から子供たちへの慰労と激励の話があるが、先生自体すでに涙声である。応援に来てくれた親たちへのお礼の挨拶も、これが最後の大会となった先輩からの挨拶、先輩へのお礼なども、涙、涙、涙であった。

 涙の青春真っ盛りである。努力して報われない涙というのも良いもので、後で必ず自分への糧になるだろう。思いっきり泣いて、悔しさを明日へのばねにしてほしいものである。がんばれ!

 それにしてもまずは新入部員の数を確保するのが第一だろうな。親たちもうかうかしてはいられない。よほど気を入れて、勧誘しなくてはだめだな。まずはそこからだっ!

 親ももっと燃えなくてはね! 



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こままさ