掛川奮闘記

2003年04月03日(木) 030403_案外近くに良いところ

 さて、どこへ行こうか。相変わらず定めのない、「ぶらり二人旅」である。


【天竜川下り】
 妻の要望で、天竜川の川下りに行くことにした。天竜川は長野県の諏訪湖を源とする川である。天竜川下りと言えば、ちょっと知られた観光スポットなので、うちの奥さんは楽しみにしていたのだ。

 ここの川下り船は、一昨年まで天竜市の天竜閣というホテルが経営していたのだが、昨年にここが倒産してしまい、川下りも宙に浮いていたのである。

 しかしホテルの経営はともかく、川下り船だけならある程度収入も見込める。それに天竜の名が付く由緒ある観光名所であるし、懐かしむ声もおおきくなんとかしたいものと検討がされて、結局第三セクターの天竜浜名湖鉄道がその経営を引き継ぐこととしてこの四月から営業が再開されたのである。

 電話で問い合わせて、車を止められるので天竜二股駅に集合することになった。家から車で約45分である。

 この天竜二股駅に三セク天竜浜名湖鉄道の本社がある。ここの社長のSさんとはイベントその他でお知り合いなので、ご挨拶しようと駅まで行ったところなにやらどたばたした雰囲気。
 よく聞くと、夕べから駅間の通信が切れてここ二股駅から終点の新所原までがバスでの代替輸送になっているという。こりゃまた大変なときに来てしまった。

 挨拶せずにおこうかと思ったら、社長がふらふら歩いていたので思わず声をかける。
 「やあ、よく来て下さいました」
 「船下りが天浜線の営業になったと聞いて、さっそく妻と来ました」
 「またまた〜」などとお世辞たっぷりに会話をして、案内のワゴン車に乗り込む。

 関西方面からのおばちゃん四人と一緒にワゴン車で15分ほど運ばれて、上流のダム湖の下流の船着き場へ到着。いよいよ船に乗る。
 
 船は15人乗りだが今日の客は6人。ゆったりした川面へこぎ出してしばしの船旅である。

 「途中に激流はあるのですか?」
 「二カ所あるよ」うーむ、ちょっとこわいかな。

 天気は上々、途中は山に桜も映えて船はゆらゆらと進む。

 なんだか激流下りのようなイメージもあったのだが…、あ、そうか、上流の飯田の方にも天竜川下りがあったはず、と思い出して船頭さんに訊いてみる。

 「天竜川の川下りって、長野の方にもありませんでしたか?」
 「飯田にね、ありますよ。向こうはもっと川幅が狭くて流れももう少し急だよね」
 そうだ、激流下りは長野の天竜川だったのである。

 対照的にこちらは実に優雅な船旅。途中に徳川家康の長男の信康ゆかりの二股城があったりして、面白いスポットもあるのだが、船頭さんがあまりその辺のガイドを上手にしてくれなかったのがちょっと残念。

 やがて三十分くらいの船旅は終了。

 船を下船すると、今まで乗っていた船はエンジンをかけてブーンと上流へ戻っていった。いままでの優雅さはどこへやら(^-^;)。

 でも天気が良くて桜もきれい。結構良かったね。

 
【めざせ浜名湖】
 続いて浜名湖を目指してドライブ。途中道に迷ってUターンしようとしたところがちょうど天竜川河畔のうなぎ屋さんで、そこでお昼を食べる。うな重はおいしかった。

【竜ヶ岩洞(りゅうがしどう)】
 途中で引左(いなさ)町の竜ヶ岩洞という鍾乳洞に立ち寄る。うちの奥さんはこういうところが大好きなのだ。

 竜ヶ岩洞は昔から洞窟があることで知られていたが、奥へ行くと高さ10センチ、幅50センチの穴になってそれ以上行くことができなかったとか。それを1981年に、地主の許可を得て二人の探検家が延べ三日かけて泥を取り除いて泥水の中を腹這いになりながらこの狭い穴をなんとか抜けてみたところ、その先にすばらしい鍾乳洞があったことが分かった、というドラマがあったらしい。

 いまでは当時のこの抜け出た小さなトンネルの横に観光客用の大きな通路が整備されていてこの穴のことを「喜びの窓」と名付けられている。

 さて鍾乳洞は入り口からもっとも奥で500mくらいのUの字型の通路に沿って鍾乳洞の中を見て回るようになっている。なかなか美しい景色の数々である。

 なかでも一見の価値があるのが落差30mの地底の滝で、「黄金の大滝」と名付けられているところである。
 文字通り、洞窟の中が直径5m、高さ30mの空洞になっていて、その天井部から地下水が滝になって落ちているのである。こんなのは私も初めてで、黄金にライトアップされた滝をしたから見上げるというのは実に素晴らしい。うん、来て良かった。

 みんな、近くの観光地などをバカにしているかも知れないけれど、案外近くに良いところがあるものですよ。


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こままさ