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名作平積み大作戦 <終> 卒業にふさわしく?
2007年03月23日(金)

「卒業〜旅立つ君に贈る〜」と題して
『二十四の瞳』壷井栄
      /プレゼンター:相島一之(俳優)
を見た(月曜日19日)


相島さんのプレゼンはもう最高。

涙、涙・・まさに滂沱の涙。   
出演者たちもハンカチや手で盛んに涙を拭き、ごまかしという状態だった。

この作品は映画で見たり、お話として聴いたりと、よく考えてみると小説を手にとって読んだことはない。
でも”知ってる”のだ。

小さな島に赴任した女先生と子供たちの交流物語。
悲しくも美しい物語として残っている。

本当は反戦小説なのだ。そのことを相島さんは強調していた。
そうなのだ、これは完全な反戦小説なのだ。その意味でも、一度きちんと読んでおくべきだと思う。

プレゼンの結果、50人中48人が読んでみたいとボタンを押した。
押さなかった二人の気持ち。
あまりに完璧なプレゼンでもうすっかり読んだ気持ちにさせられたからかもしれない。

私もそんな気がしたもの。番組最終のプレゼンターが相島さんだったのは良かった。
思い切り、印象に残りそうだ。


そして、その晩の番組、「鶴瓶の家族に乾杯」(これも大好きな番組)の中で鶴瓶さんが出会った老人。
確かお蕎麦屋さんで改装中のお店を外から眺めていた。

その人は体のあちこちに戦争の傷跡をたくさん残していた。

小さな村から7人ほどが出征していって戻ってきたのは半数ほど。

その老人は戻ってきてから、結婚し50才を過ぎて息子さんが生まれ今では息子さんは37歳に。

背筋をピンと伸ばした姿勢で傍に寄り添って、
父親が涙ながらに話す人生をその背中をそっとただ撫でさすっていた。

あれは、あの家族にしか出来ないことなのかもしれない。

老人は、言っていた。

人生はいろんなことがあるけれど、本当にぎりぎり崖っぷちに立って、飛ぶしか道がないとしたら、
飛んで行けばよい。落ちて死ぬことなんて絶対にだめだ。(言葉は少し違ってるかもしれない)

昼間に見た「二十四の瞳」と重なって、胸の奥に涙がたまった。

息子さんには赤ちゃんが誕生したばかりだそうだ。
後を引き継いで生きていく、同じように立派な大人に成長するに違いない。



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