日々の思い

ひばり【MAIL

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デジャヴ
2006年08月25日(金)

好きな言葉の一つ。


20代のころよく不思議な体験をした。

眠っていて夢だったのか、それとも実体験なのか結局はわからないまま終わってしまうのだけど、よく歩いている道の途中、角を曲がるときに感じるのだ。


「あ、ここは、いつか来たことがある。

そして、人に出会った。そうあの人だ。あの時はあの角を右に曲がっていった。

うん、やっぱり同じだ。でもここにきたのは今が初めてのはず。」


という感覚。

しばらく立ち止まって右、左と眺めてみる。

本当に初めての場所なのに、見るほどに感覚だけがよみがえってくる。


そういう時って、出会った人と交わす会話までが感覚によみがえる。意識の底に残っていてまるでゆっくりと浮き上がってくるようにだ。今感じているこの感覚は現実なのか、それとも単に意識の中だけなのか。

判らないけれど、でも絶対に以前と同じ、この感覚。


子供たちが小さいころ、子供の夢を見るとこんな夢を見たよというと、「ふーん」と、聞き流していた子供たち。もう、夢を見ても僕たちに言わないでと、言うようになった。

なぜか、同じことが起こるからという。


そんな子供たちが家を出て住むようになってからも、私はよく夢を見た。

夜中に眠っていると、子供たちが、長男か次男かもわかるのだけど、階段をとんとんとリズミカルに上がってくる足音がはっきりと聞こえるのだ。
そして、ドアがパタンと開く。今、隣の部屋に入った。帰ってきたんだなと思う。

時には、私の眠っているところに入ってくることもある。

そのとき起き上がろうという意識は不思議に起きない
ああ、帰ってきたんだなと、ただ思う。
「今、私は眠っているわけじゃない、だってすぐそこに子供はいるじゃないの、高校生のあの子が、」と、意識が訴えている。そしていつのまにか眠りに落ちているのだ。


思えばいつの間にか、そんな感覚を感じることがなくなってしまっている。


何時から、感じなくなったんだろう。


こういう感覚って、年齢と同じで、積み重ねるごとに消えていってしまうものなのか。





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