日々の思い

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布団
2000年12月06日(水)

毎朝,バスでいっしょになるおばさんがいる。
年齢は65歳を過ぎたくらい

バス停から職場までほんの7分くらいだけど,話をする。
とにかく元気で,実に堂々と歩いていく。
小さくなっていては駄目。胸を張って歩かなくては。
など,教えられることばかり。
その方の青春時代,結婚するときには,花嫁修業と
いって、よそへ奉公へあがったそうだ。
その方は,大阪のサラリーマンの家庭だったという。
一年くらいの奉公の間に,あらゆる家事を教えてくれたそうだ。
料理,掃除,果ては布団の作り方まで。
そのため,結婚してからとても役に立ったという。
私が,まだ小さかった頃,そういえば,母が布団つくりをしていたのを思い出す。
綿を均等に並べて,最後に真綿をそっとかけて,
布団の端のところをしっかりもちなさいと持たされ,
ひっぱりっこをするのだ。そのときうっかり離してしまうと、
もう一度,やり直し。
その頃は,綿が鼻に入るし,面倒だなと思っていた。
そして,もう思い出すこともなくなった今,
その方と話をしながら思い出した。
今は,布団は買うものだと思っている。
あの頃の小さかった自分は,母の苦労も知らず,
貧しいことの意味も知らず、でも,
それなりに幸せだったのかなともおもう。
今日も,母は電話をしてきた。「特に用はないのだけれど、水曜日だからと」

私が一人暮らしだからと,いつも気にしているのだ。




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