朝晩が冷え込むようになった。 「涼しいですね」が突然、「寒いですね」に変わる。 北国にいる子供たちのことが気にかかる。 子供たちは、よく、わんちゃんのことを聞いてくる。 うちにいるときは、散歩に行くのが、 面倒で文句をいったこともあるくせに、離れてみると気にかかるらしい。「時には、夢に見るんだよ。 そんなときはやっぱり以前の、そのままのりんなんだ。」 親にとっても、ふと思い出す子供の面影が、 離れていったときの、当時の姿であるように、 子供たちにとっての愛犬は、自分がかかわっていたころのままであるらしい。 日々は過ぎていくけれど、思い出はどういう訳か、 美しいものに変わっていくようだ。
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