くじら日誌
温かい、紅茶を傍らに。
穏やかで何もない日々だけれど。
せいいっぱい、生きよう。

2009年10月21日(水) 羨望

未だに家(実家)のことを考えると、どうしようもなく不安になって心がざわざわするし、冷や汗が吹き出てくる。全てを失い、再びあの家に戻される日が来るのではないかと思うと、眠れなくなる。


親と買い物に行くとき、大人になっても何か買ってもらえたり食事代を出してもらえたりする事はそんなに珍しい事ではない。よく聞く話。
わたしは一度もない。結婚のときも何も持たされず、出産しても何もなかった。むしろ里帰り期間に「お世話になります」とお金を渡したくらい。(里帰りしたとき、家のごはんが驚くほど美味しくなくて、みるみるうちに痩せてしまったのにね。喉を通っていかないくらい美味しくなかった。)

まあ、自己破産だ何だとすったもんだしている家なのだから、当然と言えば当然なのだけどね。寧ろ「お金を貸して欲しい」と連絡があるくらいだし、逆に何か貰ったり用立ててもらうなんて、後が怖い。

でも羨ましいな、と思う。素直に親に甘えてみたいと思ったりもする。どうしてウチは普通の家じゃないんだろう。どうしてうすいさんに迷惑ばかり掛ける親なんだろう。他人を羨んだところで何も変わらないんだけれど、行き場のない思いが常にある。義両親がとても良くしてくれるだけに、実の両親の駄目さが際立つ。

だからいつの日か、うすいさんに愛想を尽かされ、親権も奪われ、実家に戻され、親には稼ぎ手としか見てもらえないような、そんな時が来るのではないかと思ってしまう。今ある平穏な幸せはもしかしたら全部夢で、目覚めたら実家の自分の部屋で、家の為に馬車馬のように働くだけの存在というのが真実なんじゃないか、とさえ思うときがある。

とは言え、一番怖いのは、うすいさんや自分の子に火の粉が降りかかる日が来るのではないか、という事。そういう事態になったときは、きっと全てを捨ててわたしは実家に戻るのだろうな。自ら。
でもそんな考えはうすいさんにはお見通しで、「どんな事になろうとも、絶対に別れないからね!」と言われている・・・。うすいさんは人が良すぎるよね。損な人。もっと普通の家庭に育った性格の良いお嬢さんなんていくらでもいるのにね。

せめて自分は両親のようにならないように努めたいと思うよ。両親を反面教師にして。


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